日本代表/FIBA

U16,U17,U18,U19FIBAのアンダーカテゴリー国際大会と日本代表

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FIBA U16, U17, U18, U19

ヨーロッパのバスケットボールが強くなった要因の1つに、1932年設立でスイスに本部があるFIBAの存在があるのは間違いないでしょう。

バスケットボール界において、アメリカという国のパワーはあまりにも大きいものの、FIBAの存在感もまた、年々大きくなってきているように感じます。

最大のイベントがFIBAワールドカップであることは周知の事実ですが、前回までの投稿の通り、アンダーカテゴリーの大会も、非常に興味深いものです。

   

U16(*U17ワールドカップ予選)

このカテゴリーが最も若い世代のビッグイベントと言えます。

ただし世界大会はなく、翌年に行われる、U17ワールドカップのエリア予選を兼ねています。

   

アジア(オセアニア)、ヨーロッパ、アメリカ、そしてアフリカの4エリアで、奇数年に開催され、上位国が偶数年に実施されるU17ワールドカップに出場できる仕組み。

   

2013年の第3回アジア選手権において、中国、フィリインに次ぐ3位に入った、(当時高校1年生だった!)八村塁率いる日本が、翌2014年の、(これも第3回)U17ワールドカップに初出場。スカウティングに現れたゴンザガ大学コーチのトミーロイドに、大会得点王に輝いた八村が認められ、2016年にゴンザガに入学したことも、今や皆が知るところです。*それにしても、八村の22.8ppg、12.6rpgというスタッツは凄まじい。

*アジア、アメリカ、アフリカの各大陸は2009年から2年ごとの開催。特筆すべきはヨーロッパで、始まりがなんと1971年。さらに2003年からは毎年開催。強くなるはずです。→FIBA U16ヨーロッパ選手権の歴史

   

U17(ワールドカップ)

上記の通り、U16大会の翌年(つまり偶数年)に開催。2010年が第1回と、まだ若いイベントで、過去5回の優勝は全てアメリカ。

   

U18(*U19ワールドカップ予選)

これも基本、偶数年の開催で、世界大会はなし。翌年のU19ワールドカップ予選を兼ねています。

   

アジアは1970年から開始。アフリカが1977年から、アメリカが大きく遅れて1990年スタート。ヨーロッパ選手権は1964年に始まり、2008年から毎年開催。

   

U19(ワールドカップ)

U17と比べ、その歴史は長い。1979年に第1回大会で、4年に一度の開催だったのが、2007年より2年ごとに(奇数年)。

*U20

1992年より、ユーロのみ実施。2004年から毎年開催!

   

   

FIBAアンダーカテゴリー・過去大会の結果

U16(U17ワールドカップ予選)

<アジア>:過去5回、中国が3連覇の後、(前回投稿通り)2015年に韓国が初優勝(台湾が準優勝)。が、オセアニアが加入した2017年大会はオーストラリアがあっさり制覇(2位中国、3位ニュージーランド)。

   

<アフリカ>:過去6回のうち、エジプトが4回の最多優勝。2013年にアンゴラ、2017年はマリが制するも、エジプトは全ての大会で決勝進出。が、FIBAランキングになかなか反映されてこない現状。

   

<アメリカ>:USAが6度の大会全てで優勝。それも負けなしで、戦績は31戦全勝!6度のうち5回を率いたのはドンショウォルター。アメリカ版トーステンロイブルであり、ユース版コーチKと言われる大物。注目。

   

ロスターを眺めるのが楽しい。

2009:ブラッドリービールが牽引。Bリーグ・渋谷入りするジェイムスマイケルマカドゥも。

2011:ビッグネームに混じり、後にミズーリからゴンザガに転校したジョナサンウィリアムズ。

2013:2014年U17ワールドカップで日本と対戦したメンバー主体。

2015:このあたりが現在のNBAルーキー or NCAA上級生。

2017:2020年ドラフトで対象となる選手たち目立つ。

2019:デマッサHCのマイクジョーンズが初采配。見事優勝。

   

<ヨーロッパ>:歴史がありすぎる、"大ショーケース"。

かつて、旧ソ連、旧ユーゴスラビアの独壇場。

現在はスペインを中心とした西欧国に、いくつかの旧ユーゴ国などがハイレベルな争いを繰り広げる。

   

U17ワールドカップ

U16のアメリカ大陸予選全勝のUSAが過去5回を完全優勝

世界の舞台でも負けなしの37戦全勝

底辺の広さを見せつけている。

率いたのは全てショウォルター。

   

アメリカを追うユーロ勢にまじり、オーストラリアが2度の準優勝。2012年はともにAIS出身のダンテエクサムとベンシモンズ。2014年組はNCAAへ進む選手多く、デュークから先日NBLメルボルンユナイテッド入りがアナウンスされたジャックホワイトも。

   

U18(U19ワールドカップ予選)

<アジア>:実績では中・韓・比も、21世紀に入ってから中東が台頭。オセアニア加入の直近バンコク大会は優勝オーストラリア、準優勝ニュージーランド。日本は優勝1回、決勝進出が3回のみという厳しい結果。

   

<アフリカ>:勢力図は古豪アンゴラ→ナイジェリアと移り、近年はエジプトに加え、マリが台頭。2018年大会で初優勝。ゴンザガで21番をつけるオマーバッロのほか、フランスのナンシー所属のガード、シリマンカノウテにも注目。

   

<アメリカ>:アメリカが圧倒しているが、2002年にプエルトリコ、2008年にアルゼンチンが優勝。ただし、カーメロアンソニーやクリスボッシュらがいた2002年はベネズエラに不覚。プエルトリコとは対戦のないまま3位が確定。2008年のアメリカはケンバウォーカーを中心に、ライアンケリーやデイビッドとトラビスのウェア兄弟など、Bリーグでもおなじみの名前。際立ったスター不在ながらも、テンプル大学に在籍したホアンフェルナンデスら、バランスの良いアルゼンチンに完敗。*ひょっとすると、このあたりのスタイルはフリオラマスらが標榜するバスケットボールなのかもしれません。

   

アルゼンチンは、11回の大会中10回で4強進出の実績。最近はカナダの台頭著しく、アメリカ大陸2位の座が危うい状況。

   

<ヨーロッパ>:旧ソ連、旧ユーゴスラビアの支配から、両国崩壊の後に西側が台頭。1990年にイタリアが悲願の初優勝。以降は目まぐるしく優勝国が変わる、最強大陸。

FIBAランキング、トップ20国中13国がユーロ勢。

   

U19ワールドカップ

アメリカが最多優勝(14回中7回)と抜きんでるも、日本が出場した2017年エジプト・カイロ大会は、RJバーレットらを擁したカナダが初優勝するなど、U17ほど他国を圧倒できていない。

コーチを毎回NCAAの名将に持ち回しさせており、一貫性の無さが勝ちに繋がっていないという批判もあり。(ショウォターやコーチKのような存在がない)

2019年大会はアメリカが奪還。準優勝に、上記U18アフリカを制したマリ。

   

   

FIBAアンダーカテゴリー日本代表の戦績

U16(U17ワールドカップ予選)

既出の通り、2011年と2013年の3位が最高成績(*2012年U17世界大会は中韓のみ出場)。中韓比に加え、台湾が迫ってきています。オーストラリア、ニュージーランドが加入した直近2017年の中国・仏山大会(第5回)は6位に後退。

   

ただ、この大会MVPに輝いた怪物、カイソットを擁したフィリピン相手に準々決勝での2点差敗退は健闘か。富永啓生、河村勇輝、横地聖真、そして田中力ら、この年代の有名どころが集結したこの日本を、世界で見たかった。

準々決勝、フィリピン戦。

   

優勝したオーストラリア。ガードのタムリウィグネスは、かつて比江島が挑戦したNBL、ブリスベンブレッツに所属。

また、前回投稿で書いた台湾期待の馬建豪(リーヴンマー)も出場しました。

   

U17ワールドカップ

過去5回の大会で、日本が出場したのは八村が得点王となった2014年の一度きり。1勝も出来ずに終えた日本は2度目の出場を果たしたいが・・・

   

U18(U19ワールドカップ予選)

このカテゴリーも苦戦しておりますが、2016年のテヘラン大会準優勝が光ります。八村塁が不在も、杉本天昇、西田優大、そしてロイブルに見いだされたシェーファーアヴィ幸樹らが奮闘。見事に2017年U19ワールドカップ出場権を手にしました。

揃って日本を苦しめた、韓国にヤンジェミン、台湾に高國豪がいました。

直近、2018年のバンコク大会では、上記2017年のU16メンバーである富永、河村らが奮闘も、優勝したオーストラリアに準々決勝で敗退。

難しいイベントになっています。オーストラリアとニュージーランドの加入により、翌年の世界大会に4国が出場可能(2019年U19WCは豪、NZ、中国とフィリピン)とはなったものの、オセアニアとの差はいまだ大きい。世界大会を待たず、NCAAなどのスカウトが現れるようになったのはプラスですが・・・。

オーストラリアはタムリウィグネスのほか、カイルボウエン(6-8)が活躍。彼はパティミルズやマシューデラヴェドバ、そしてダニエルキッカート同様に、お馴染みNCAA・セントメリーズ(SMC)に進んでいます。

韓国に得点王となったリーヒョンジュン(デイビッドソン大学)、台湾にリーヴンマー(馬建豪)。

日本が3位に入ったのは1996年と1998年。特に1998年インド・コルカタ大会では田臥らが活躍。MVPを獲得したヤオミン(当時17歳)擁する中国に10点差のゲームを展開し、1999年のU19世界大会出場権を手にしています。

*日本が唯一優勝した、1990年名古屋大会は全く記憶にありません。。。

長谷川(誠)や天野(佳彦)と言った日大勢の名前の記載があります。関口聡史らもいたのかもしれませんね。

参照1

参照2

   

U19ワールドカップ

過去14回中、日本が出場したのは1991年、1999年、そして2017年。

記憶に新しい、2017年は八村塁(当時ゴンザガ)が牽引。ここにシェーファーアヴィやアイザイアマーフィー(榎本新作)らが加わり、10位(16か国中)という成績。面白いチームでした。

1999年も貴重な足跡。田臥を中心に、村山文雄が前年のU18アジアに続いてスコアリングで牽引。ヤオは不在だったとはいえ、中国、そしてポルトガルからあげた2勝は立派。16か国中14位。

ロシア戦でアンドレイキリレンコ、オーストラリア戦でデイビッドアンダーセンらと対峙する機会も得ています。

そして、これも記憶が定まらない1991年エドモントン大会。8戦全敗の最下位(16位)に沈んだとはいえ、初戦を対アメリカという貴重な機会。ビンベイカーやウェズリーパーソン、そしてお馴染みアントニオラングの名前が載ります。日本に長谷川や天野、関口といった名前はありませんが(何か揉めましたか??)、節政貴弘や南山真といった懐かしい面々が率いています。

ナイジェリア、スペイン、さらにオーストラリアといった強豪国とも対戦。

   

やはり、世界大会出場はそれだけで魅力と言えます。

先行き不透明な状態が続きますが、2023年ワールドカップを前に、アンダーカテゴリーでの日本の戦いにも注目したいと思います。

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