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日本のバスケットボール<サイズと・・・>

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これも以前のもの。残しておきたいと思います。

   


↓ ↓ ↓

一つ思うことは、日本は「意外に」サイズを求め、あきらめられなかったのではないか、ということ。

僕が全日本を見始めたころの、日本人初で唯一のNBAドラフト指名選手、230センチの岡山選手。
アジア有数のビッグマンとして鳴らした、北原選手。
216センチの走れるセンター、山崎昭史選手。

彼らはアジアで十分通用した選手。(それでも結果的に日本は勝てなかったんですけど)

現役の竹内兄弟を見ていても、まさか「俺たちは(アジアでも)デカイ!」とか

思っていないはずですが、必要以上に重宝する風潮がある気がします。(いや、確かに貴重なんですけどね)

2011年のアジア選手権兼ロンドンオリンピック予選。
7位に終わった日本。その平均身長(193.42)は、中国(202.92)と比べて約10センチ低く、上位国で日本より平均身長で劣ったのはフィリピン(190.83)だけでした。

にもかかわらず、長年日本は”まともに”戦ってきました。

そして、負け続けてきました。

「俺たちは(アジアの中でも)小さい!」

と、あらためて認識する必要があるのではないでしょうか。

   

ここで、当時さんざんお世話になった、月刊バスケットボールの増刊号に載った記事を書きます。(ウェブではどこを探しても無いので全文載せます)長いですけど、ぜひ読んでほしい。

↓この本です。*1984年1月臨時増刊 THE SHOOTING BOOK

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タイトルは、”コリアン・スタイルとは何か?”国民性とシュート力
隣国・韓国にみるシューターの系譜

 韓国のバスケットは、世界でも類を見ないユニークなものに仕上がっている。いくつかの”バスケットのセオリー”といわれるものをまったく無視し、韓国の国民性、特長を生かした”コリアン・スタイル”のバスケットを創り上げてしまった。
 ここでは、韓国バスケット界の関係者、主に韓国ナショナル・チームのヘッド・コーチ方烈氏にインタビューした事がらを中心に、そのスタイルについて考えてみたい。


● ● ● ● ●
最初に、”コリアン・スタイル”とは何か?一口で言えば「シュート力重視」のバスケットだ。バスケット界の格言に「ディフェンスを制するものはゲームを制す」という言葉がある。しかし、韓国のバスケットは違う。執拗なスクリーンアウトを駆使し、ディフェンス・リバウンドはがんばるが、オフェンス・リバウンドはほとんどやらない。「シュートが入ればオフェンス・リバウンドなぞ必要なし」といった考えなのだ。「韓国にはライバル国である中国、日本に大きく劣っている所がある。それはビッグ・センターが不在ということだ。これはリバウンドが大きなウィーク・ポイトであることを示す。そこで、このウィーク・ポイントを克服するにはどうすれば良いかと考えると、ひとつの答えが出る。シュートを落とさなければ良いのだ」(方烈)

   
 この言葉どおり、韓国はシューター育成に力を注いできた。そして素晴らしいシューターを生み出してきた。古くをあげれば、ミュンヘン五輪をかけた東京ABCの得点王となった申東坡。彼の成功に活路を見出して、シューター育成は順調に進み、現ナショナル・チームの李忠熙、朴守教と2大シューティング・マシーンが完成した。野投成功率は軽く7割を超え(ほとんどがミドル・シュート!)調子の良い時は8割を超える。これは「5割入れば3割バッター」と言われるバスケット界では怖るべき数字といえる。

   
 さらに、若手の中にも”天才”と呼ぶにふさわしい選手が続々誕生している。例えば先日”日・韓ジュニア”で来日した許載なそ、2試合で72得点(ミドル中心)をあげる大活躍をした。では、「韓国には各チームにひとりやふたりはそういうのがいる」(韓国協会関係者)といわれるほど、韓国でシューターが育つ理由は何だろう。まさか韓国の水にそういう成分が含まれているわけではあるまいに・・・。方烈氏にうかがってみると、
「1にフォームだ。バスケットの選手は、中学時代に基本となるフォームを身につけておかないとダメ。成長してから取り返しがつかなくなる。次に努力だ。たとえば1日に2時間から2時間半のハードな練習があったとする。クタクタに疲れていても、さらに1時間シュートを射つといった努力が大切だ。努力しない者はどれだけ才能があっても大成はしない。事実、私のチームにいる李忠熙、朴守教はそうした努力を人一倍してきた選手たちだ。許載にしてもそうだ。3つめは天性の素質だ。センスがなくては、大選手になれないだろう」

   
 ということだ。1にフォーム、2に努力、そしえ3に天性の素質、つまりセンスがくるということだ。ここでひとつ、おもしろい話がある。ある韓国協会関係者が言っていたのだが「申東坡、李忠熙。彼らは天才だ。凡人ではない。凡人がどんなに努力しても天才にはなれない。なれたとしてもせいぜい天才の70パーセントまでだ」というもの。割り切っているのだ。それはゲームを見ていても、シュートを射つのは7~8割が李忠熙、朴守教であることでわかってもらえると思う。方烈氏は「フォームと努力、次にセンス」とは言ったが、センスがなければ大成しないということは、センスこそ一番大切な要素であると認識しているのではないだろうか。「彼らは天才であり、凡人ではない」といった前出の関係者も、最後は「凡人は、その残り30パーセントのギャップを埋めるよう努力しなければいけない」と話をしめくくった。方烈氏はそのことを言っているに違いない。凡人も天才も努力しなければいけないのだ。

   
 ここで明言できることがある。韓国はシュートの天才をさがし出し、育てるのが上手なのだ。日本だって、韓国の数倍の人口を誇っている国家だ、李忠熙や朴守教にひってきする人材は韓国の何倍もいただろう。しかし、現実問題として育っていないのだ。ここに韓国の国民性が現れていると思う。体格的劣等を打ち破るべく道を求め、それがシュートだと答えを出すと、バスケットのセオリーすらくつがえすスタイルを創り上げてしまう。韓国のシュート力は国民性の現われといえるかもしれない。

   
 最後に、方烈氏の日本に対する意見で締めくくりたいと思う。

   
「日本は、一言で言えばアメリカナイズされたバスケットをやっている。悪く言えば”ものまね”のバスケットだ。明らかに素質で劣るわれわれ東洋人が、それで世界に出れるとは思わない。われわれの持っているものに合ったバスケットを創り上げるべきだと、私は思う」

   

・・・・・・・・・・・・・・ここまで

   

文中にあるとおり、当時の韓国は日本にサイズで劣っていたので自然と行き着いたスタイルだったのかもしれません。

ちょうど、LA五輪予選の、1983年香港ABCの時のインタビューっぽいですね。
既に書いた通り、このABCでは死闘の末、日本が韓国に勝つのですが、、、
この直後、FIBAでも3ポイントショットを導入。
韓国は自国開催のソウル五輪を12か国中9位で終えたものの、1986年(スペイン)から4大会連続(1990アルゼンチン、1994カナダ、1998ギリシャ)で世界選手権に出場と結果を残しました。

どうすればよいのでしょうか。

他国と渡り合えるビッグマンを育てるのか、それとも・・・。

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