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比江島慎選手がオーストラリアNBLへ!-日本人選手の海外リーグ挑戦

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比江島慎選手がオーストラリアNBLブリスベン・ブレッツへ

日本のエース比江島慎が27歳にして、オーストラリアのトップリーグ、NBLのブリスベン・ブレッツへ移籍です。

   

参考:以前の投稿→比江島vsグオアイルン
*比江島よりも若い(24歳)グオアイルン(遼寧フライングレパード)の移籍話は最近全く聞かなくなりましたね。

   

Bリーグの三河や栃木。移籍に関しては「色々」あるでしょうけど、本人、そして日本のバスケットボールにとって、これは前例のない、大きな一歩でしょう。

   

オーストラリアNBLについて

リオ五輪4位(過去最高タイ)、現在FIBAランキングで10位。

先日、日本にアップセットを食らったとはいえ、アジアオセアニアで頭抜けた存在のオーストラリア。その国内トップリーグ、NBLのレベルは高い

2017年のNBAドラフトで21位指名されたテレンスファーガソンが、NCAAに進まずに1季NBLアデレードで過ごしたほか、今季からはアンドリューボーガットが最大都市シドニーの球団キングスに加入。


→これも以前投稿、テレンス・ファーガソンについて

リーグ設立が1979年と歴史がありながら、ラグビー、クリケット、サッカー、そしてオーストラリアンフットボールといった他スポーツにおされ、その人気は今ひとつでしたが、近年は特に(ファーガソン、ボーガットに限らず)NBAとの交流が盛んです。

   

加盟は計8球団と少なく、シーズンは10月から翌年3月まで。レギュラーシーズンはホーム&アウェイ各14の計28ゲームと少なく、プレイオフ進出も4チームのみ(セミファイナル2戦先勝、ファイナル3戦先勝)。


ただ、3月のシーズン終了後に欧州などへの移籍が可能であることは大きな特徴。
*この、Abroad Updateというのは、3月・4月のNBLの風物詩のようですね。

   

サラリーキャップを設けていることも関係してか、「球団格差」はあまり見られません。

直近、2018年チャンピオンはメルボルン・ユナイテッドですが、2015年から3連覇したのはパース・ワイルドキャッツ。ほか、シドニー、アデレード、イラワラ、そしてブリスベンも優勝経験があります。

   

比江島選手のライバルは?

比江島の契約と入れ替わるように、NBAミルウォーキー・バックスとキャンプ契約をしたトラビストライス。比江島はトライスの後釜を担います。

オーストラリア代表ガードのジェイソンキャディはPGとしての色が強く、スコアリングが大きな持ち味である比江島とは一緒にコートに立つ時間帯も多そう。

オーストラリア代表ヘッドコーチを兼任する指揮官アンドレイレマニスは、日本のエースをかなり重宝するのではないでしょうか。


とはいえ、チーム内での競争も当然予想されます。

・スティーブンホルト 6-4 セントメリーズ大学出身 26歳

   

ご存知、”オーストラリア人のためのディビジョン1スクール”SMC出身のアメリカ人。

在学中はマシューデラベドバの陰に隠れましたが、4年時は得点リーダー。

NBLのほかヨーロッパでの経験もあり、比江島と同年代。チームメイトではありますが、、、”手ごわい”。アスレチック。ガードというよりウィングでしょうか?

 
・キャスパーウェア(メルボルンユナイテッド*再契約未定) 5-10 ロングビーチステイト大学出身 28歳

   

 
・ジェロームランドル(シドニーキングス) 5-9 カリフォルニア大学出身 31歳

   

そして何と言ってもこの2人でしょう。

よく言われる、NBL、オーストラリアの高さやフィジカルですが、それは主にインサイドの話。

ここはオーストラリア人の人材が豊富なので、NBL各球団はビッグよりもガード、ウィングのインポート(主にアメリカ人)を獲る傾向があります。

中でもこのスモールガード2人はNBAでプレイしてもおかしくないスコアリングとクイックネスを併せ持ちます。

    
・ネイサンソビー(アデレード36ERS) 6-3 ワイオミング大学出身 28歳

   

以前も紹介したオーストラリア代表のソビー。先日の日本戦では存在感なく、フィリピン戦では大乱闘と散々でしたが、彼もまたBリーグにはまずいないタイプ。跳躍力はとんでもないです。

    
・ブライスコットン(パースワイルドキャッツ) 6-1 プロビデンス大学出身 25歳

   

クリスダンの2こ上。超絶スコアラーで、昨季19.8ppgは上のランドルと並んでのリーグ得点王。

    
・コリー・ウェブスター(ニュージーランド"NZ"ブレーカーズ) 6-2 ランバス大学(NAIA)出身 29歳

   

ニュージーランド代表ではベテランの域と言っていいウェブスターがブレーカーズに復帰。

言うまでもなく、強敵。ネブラスカ大学出身で、同じくNZ代表の弟タイは、先日トルコのガラタサライと契約。

    
こう名前を並べてしまうと、NBAすれすれのスター揃いで不安にもなりますが、比江島も決して負けてない。相変わらず饒舌ではない彼ですが、きっとプレイで相手を黙らせてくれるはずです!

   

”日本人選手の海外挑戦”と世界のプロバスケットボールリーグ

さて今回の比江島の海外挑戦に、単純にも「漢気」みたいなものを感じてしまうのは、”27歳という中堅にしての冒険”という点にもあるのですが、もう一つはサラリー。


自身が述べているとおり、その競技レベルではBリーグよりもかなり上とされるNBLも、オーストラリア国内では決して人気が高くないため、サラリーもあまり期待できません。

南半球にあるオーストラリアNBLは夏にシーズンがあり、アウトドアスポーツと、その観客動員でもろにバッティング。

以前ジョッシュチルドレスがシドニーから三遠に移ってきたのも待遇が要因の一つと見られています。

   

競技レベルだけを考えれば、NBAを最高峰に、国際リーグであるユーロリーグが続き、スペインACBトルコBSLABA(アドリアティック*旧ユーゴ国で構成)ドイツBBL(バスケットボールブンデスリーガ)イタリアLBA(セリエA)フランスLNB(ProA)ギリシャ(A1)イスラエル(スーパーリーグ)ロシアVTBユナイテッド(*旧ソ連国で構成)リトアニアLKL、そして中国CBA豪NBLあたりが目指すべきプロリーグになってくるのではないでしょうか。


→これも以前の、中国CBAについての投稿

ベルギー、オーストリア、ポーランド、北欧、イギリス、中南米・・・いずれも侮れませんが、これらのリーグの現況を、サラリーなど含めてまた調べてみようかと思います。

   

◆参考→NBAに続く世界の上位12リーグ*元NCAAディビジョン1スクールのヘッドコーチで、FIBAに詳しいアメリカ人アナリスト、フランフランシラさんによる記事。2017年のもので、イスラエルが入っていませんが、現在も大きくは変わらないでしょう。

   

◆参考→ユーロリーグでサラリーの高い10人

   

やはり、NBAは特別なリーグですね。。。

◆参考→デラベドバも「キャリアの最後はNBLで」

   

 
<8月9日追記>比江島のライバル

NBLによるツイート

・メロトリンブル(ケアンズ・タイパンズ) 6-3 メリーランド大学出身 23歳

   

2017年NBAドラフトに、3年生を終えてアーリーエントリーするも指名されず。昨季はGリーグ。2014年のマクドナルド高校オールアメリカで、2017年のオールビッグテン1stチーム選出。

   

NCAAバスケットボールファンの方なら「こんなのとやんのかよ」というのが当然の感想だと思いますが、上にあげた選手も含めて、比江島と彼らとのマッチアップは本当に楽しみ。

   

対等に戦えば、更なるステップアップが期待できます。やれるはず!

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