College Park(カレッジパーク)
メリーランド大学テラピンズ
ワシントンDCの北東にある、文字通り大学町。州を代表するメジャーカレッジで、2002年のNCAAチャンピオン、メリーランド大学
(University of Maryland,UMD、テラピンズ)がある。
DCは成田から全日空の直行便がある東方のダレスやロナルド・リーガン、さらに北東のボルティモアも含めて国際空港が多い。車ならニューヨークから95号南下で5時間弱。途中、フィラデルフィアからなら3時間、ボリティモアからは1時間弱。ピッツバーグは70、270号線で4時間半かかる。
UMDの所属はデュークやノースカロライナと同じACC(アトランティックコーストカンファレンス)。もう30年ほど前になるが、この学校も来日経験がある。歴史あるプログラムであったが、20世紀中はファイナルフォー進出が叶わず、「数ある万年強豪校」と囁かれていたが、前コーチ、ゲイリー・ウィリアムスの下、2001年に初のファイナルフォー進出。翌'02年、ついに優勝を果たした。
トーナメント出場は23回の名門。もともと能力の高い選手を集める学校ではあり、OBに1986年、ドラフト2位指名を受けながらドラッグが原因で死亡したレン・バイアスがいる。
現役では2002年優勝メンバーでもあるPGスティーブ・ブレイク。決して得点能力、運動能力、サイズに恵まれたわけではない彼が、ゲームメイカーとしてプロでサバイバルしているのは見事。当時のメンバーではファン・ディクソンやクリス・ウィルコックスがいるが、いずれも物足りない活躍。
さかのぼってJunior College(短大)から編入し、1999年NBAドラフト2位指名、2000年新人王のスティーブ・フランシス。
'95年1位指名のジョー・スミス、キングスなどで活躍したビッグガード、ウォルト・ウィリアムス。ネッツやブレイザーズなどでしぶい働きを見せたバック・ウィリアムスらがいる。
2010年、チームをNCAA2回戦まで導いたのはベネズエラ人の万能選手、グレイビス・バスケス。メリーランド州のモントロススクール時代、能代カップで伊藤大司選手と共に来日。格の違いを見せ付けた。
OBでもあるゲイリー・ウィリアムスは、DCのアメリカン大学、ボストンカレッジ、オハイオステイトを経て母校に戻った。現コーチはマーク・タージェン。カンザス大学出身で、ラリー・ブラウンの下でプレイ経験。
ホームはコムキャストセンター。2002年に完成した、約18,000人入る巨大アリーナ。同年の優勝で人気が加速。都合の良い投資となった。もともと使用していたコールフィールドハウスも15,000人近く入り、ファイナルフォーもホストした名物アリーナだった。 キャンパスの北方にある。器がでかいが、デュークやノースカロライナなどが来るとチケット入手が難しい。
Baltimore(ボルティモア)
かつてブレッツ(現ウィザーズ)がフランチャイズを置いた、州最大の町。国際空港もつが、日本からならワシントンDC経由で向かうのが現実的。DCから1時間弱。95号北上で、フィラデルフィアまで2時間弱、ニューヨークまで4時間弱。
モーガンステイト大学ベアーズ
コッピンステイト大学イーグルス
歴史的に黒人人口が多い町で、ブラックカレッジとよばれる大学が存在する。ともにディビジョン1である、モーガンステイト大学(Morgan State University、ベアーズ)と、コッピンステイト大学(Coppin State University、イーグルス)。ともにMEAC(ミッドイースタンアスレチックカンファレンス。加盟校はすべてブラックカレッジ。)に所属。
モーガンは現コーチがトッド・ボウズマン。カリフォルニア大学時代にジェイソン・キッドらをリクルートした名将。Calではスキャンダルで追放されたが、名将ではある。モーガンステイト着任後、2009年、いきなり同校初のNCAAトーナメントへ運んでいる(なかなかできることではない)。2010年も連続出場。ボウズマンは再びメジャーカレッジを率いるか。OBではヒューマンエレイサーとよばれた7フッター、マービン・ウェブスターが有名。あとはbjリーグで活躍したラシード・スパークス。
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ホームは収容5,000人のヒルフィールドハウス。キャンパスはダウンタウンの北側。よほど強い学校を招かない限りは観戦可能だが、ボウズマン在任中は成績が維持されるであろうから注意。
一方のコッピンは、1997年のNCAAトーナメントで15シードで出場しながら2位シードのサスカロライナをやぶったことで有名。が、トーナメント出場はわずか4回。OBであるコーチ、ロン・ミッチェルは名物監督。
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ホーム、フィジカルエデュケーションコンプレックスは収容わずか4,100人。アメリカの高校の雰囲気。こちらのキャンパスはダウンタウンの北西。
トーソン大学タイガース
他のディビジョン1は、かつて日本人選手、森下雄一郎が進学寸前までいったトーソン大学(Towson University、タイガース)。ボルティモア北郊外にキャンパスのある、コロニアルアスレチックアソシエーション(CAA)加盟校。
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ロヨラ大学グレイハウンズ
そしてロヨラ大学(Loyola University,Maryland、グレイハウンズ)。こちらはメトロアトランティックアスレチックカンファレンス(MAAC)所属。
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メリーランド州の高校バスケットボール
いまやNBA球団なし。メジャーカレッジなしのボルティモアがなぜバスケットボールで注目を浴びるのか。才能の宝庫だからである。伝説的な高校はポウルロウレンスダンバー。故レジー・ルイスの母校。同世代にマグジー・ボーグス、ともにジョージタウンに進み、パトリック・ユーイング率いる1984年NCAA優勝チームのメンバーとなったレジー・ウィリアムスとデビッド・ウィンゲートがいる。他にサム・キャセール、現在上記ロヨラ大学アシスタントコーチのキース・ブースらもダンバーの卒業生。そしてトーソンカトリック。ボルティモアで育ったカーメロ・アンソニーと、メロと同じくシラキュース大学に進んだドンテ・グリーンの母校。
州全体で見ると、外せないスクールがもう二つ。デマッサとモントロスである。デマッサはモーガン・ウットゥンという、ホールオブフェイマーコーチが率いた全米トップクラスのプログラム。OBにノートルダムに進んだエイドリアン・ダントリーやダニー・フェリー、そしてキース・ボーガンス。さらにノースカロライナステイトに進んで、1983年NCAAチャンピオンに輝き、NBAを経て同大学ヘッドコーチを務めたシドニー・ロウも。一方モントロスは何と言っても"KJ"松井啓十郎と伊藤大司。二人の功績と言うか、足跡は大きい。現bj秋田の富樫選手も在籍。KJと伊藤と共にプレイしたケビン・デュラントやグレイビス・バスケスはスーパースター。外国人をとるのは特徴的。リトアニアの怪力男、リナス・クレイザもOB。
デマッサはDCの北東、メリーランド大学の南側の町ハイアッツビル、モントロスはDC北のロックビルという町にある。
Annapolis(アナポリス)
ネイビー(海軍士官学校)ミッドシップメン
メリーランド州都。ボルティモアから97号を南へ数十分。ネイビーの愛称で有名な海軍士官学校(Naval Academy、ミッドシップメン) の所在地として有名。アーミー(陸軍)、エアフォース(空軍)同様、学力レベルが高いため、そうそう強くはなれないが、立派なディビジョン1プログラムでデビッド・ロビンソンの母校。賢いので、これも陸空同様、名コーチを生む。*陸海空3校は'80年代に同時に来日して公式戦を戦っている。ロビンソンがいたネイビーが2戦2勝。
ホーム、オルムニホールは6,000人近い収容。これまた陸空同様、雰囲気はかなり熱狂的。同じペイトリオットリーグに所属するアーミーとの一戦はチケット入手もやや困難。