デューク大学とケンタッキー大学バスケットボールのリクルート(勧誘)が止まりません。
2018年NCAA大学入学予定選手(Class of 2018)
まず来年、2018年の秋に入学予定の選手一覧。
ぱっと見、まんべんなく散らばっているようですが。。。
7月のU19ワールドカップでカナダを優勝に導き、学年を1つ繰り上げたRJバレットを筆頭に、シャックの息子シャリーフオニールまで、計24人がESPNが設定した5つ星(投稿時点)。
とはいえ4つ星、3つ星でも十分有望で、NBA行きの可能性を秘めています。
右端が既に決定済みの進学先。
デューク大学バスケットボールのリクルート
まずデューク。見てわかる通り、1位と3位、そして10位の選手を獲得。
前にも書きましたが、5つ星の選手を獲るというのは大変なこと。
351あるディビジョン1校の中で、ほとんどの学校は5つ星選手はもちろん、4つ星選手のリクルートが困難です。ゴンザガでさえ5つ星選手獲得は難しく、ジョージワシントンに至っては、過去一度も5つ星は取れておらず、4つ星さえままならない状態。
そんな中、デュークは毎年複数名の5つ星を獲得。
カナダ人のバレットは現在、ベンシモンズらを輩出したフロリダの名門プレップ、モントバードアカデミーに所属しています。
デューク行きをアナウンスした前日のスラムマガジンの動画。この手のビデオも飽きてきましたが、、、面白いです。
こちらは上記ESPN3位ランクのキャメロンレディッシュ。レディッシュの所属、フィラデルフィア近郊のウェストタウンスクールも、今年テキサス大学へモハメド・バンバを送り込んだバスケットボール強豪校。
バレット、レディッシュはともにONE&DONEが予想され、2019年NBAドラフトの一巡目トップ指名候補です。
ケンタッキー大学バスケットボールのリクルート
これを書いている最中に、ESPN7位の6-6、ケルドンジョンソンがケンタッキー大学行きを決めたニュースが入ってきました。
↑このポストは先にケンタッキー行きを決めていた、ESPN12位のPG、イマニュエルクイックリー。
ジョンソンは9月にフロリダステイト大学訪問をスケジュールしていたにもかかわらずキャンセルし、クイックリーとともにケンタッキーを訪れたとのこと。。。こういうのもよくあります。
デュークに比べればおとなしく(?)見えるケンタッキーですが、、、やはりとんでもなかったです。
そしてこれも最近流れてきたニュース↓
元NBAプレイヤー、マヌートボルの息子、ESPN4位の7-2、ボルボルが、南カリフォルニアの名門メイターデイから転校。その行き先は、、、ラスベガスのフィンドレープレップ。
これにより、ボル・ボルはケンタッキー大学行きが濃厚であるという見方が大勢です。と言うのは、このフィンドレーのヘッドコーチ、ポールワシントンが、ケンタッキー大学のリクルートを助けているという話なのです。
<追記>
ボルボル、11月20日にオレゴン大学を表明しました。ちょっと経緯調べてみます。と思ったら、某サイトがアクセス集中なのか開けません(笑)。フィンドレーからオレゴンは、ディロンブルックスに続くコミット。
RJバレットのカナダが優勝。八村塁ら、日本代表も大活躍したエジプトでのU19ワールドカップ。カナダとともに優勝候補だったUSAを率いたのはケンタッキー大学HCのジョンカリパリ。このUSA代表選手の一人、今秋ケンタッキー大学に進んだのがPJ・ワシントン。フィンドレーのHC、ポールワシントンの息子です。
ポールワシントンは同じようにエジプトまで観戦に来ていた、このUSAメンバーの家族と仲良くなってディナー。まだ進学先を決めていない選手の親に、ケンタッキーを推薦したというのです。
まぁ、よくある話です。それこそ日本のスポーツ界でもあるでしょう。
同じくUSA代表メンバーの一人だったイマニュエルクイックリー。彼はこのU19ワールドカップ後、9月22日にケンタッキー行きを表明しました。そしてケルドンジョンソンも誘った。。。
よくある話です。よくある話ですが・・・
ちなみにこのU19ワールドカップ。USA代表の2人のアシスタントコーチ、コロラド大学HCのタッドボイルと、ウェイクフォレスト大学HCの元NBAプレイヤー、ダニーマニングは、ともにカリパリがカンザス大学時代にACをしていた時の選手です。
加熱する一方のNCAAにおけるリクルート競争
大丈夫なのでしょうか?
もちろん、上にあげたネットワークビジネスのようなリクルートは不正ではありません。
しかし先日から世間を賑わせている、FBIも動いたリクルート問題。
PJの父親、ケンタッキー行きを他の選手にもすすめているポールワシントンが、UK側から何かしらリベートを受け取っていないのか?このような憶測は出てきても仕方ありません。
またこれも不正ではありませんが、選手を送り出す見返りに、高校やプレップスクールのコーチがNCAA校のポジションを用意されるケースも多々あります。
次から次へとNCAAコーチなどにステップアップしているフィンドレープレップの歴代コーチはじめ、息子とともにワシントン大からミズーリ大学へ移ったマイケルポーター。スラムダンク奨学金で有名になったコネティカット州のサウスケントから、バージニア州のNCAAディビジョン1オールドドミニオン大学ACに就いたケルビンジェファーソン。ずっと遡れば、、、ダニーマニングの父親エドも息子ともどもカンザス大学のスタッフ入りし、当時のHCラリーブラウンともども後にNBAサンアントニオ・スパーズのスカウトへと転身しました。
NCAA、NBAでの仕事はアメリカ人にとっても”ドリームジョブ”。NCAAディビジョン1有力校のヘッドコーチ職と言えば、それはそれは大きなプレッシャー。成績が伴わなければ、わずか数年で解雇される例は珍しくありません。しかし、、、そこで得られる報酬は年棒1億円を軽く超え、これをもって将来安泰とする向きも少なくないのですね。
*1位は先日解雇されたルイビル大学のリック・ピティーノ。その額約8億円。多くのNBAコーチのサラリーと同程度か、上ですね。フットボールコーチの額はさらに大きい。
こちらは2位のジョンカリパリ。豪邸に住んでメルセデスのML350を運転し、今日も専用機で全米中に選手を探しに行く。ケンタッキー大学のヘッドコーチに就くということはバスケットボールコーチとして世界最高の待遇を受けること。
もちろん、全てのコーチが巨額のサラリーだけを目当てに働いているわけではないですね。
例えばボブハーリー。
NCAA職へのスカウトをきっぱりと断り続けた高校のコーチ。2010年、バスケットボールの殿堂入りを果たしました。
ただ規模の大小こそあれ、こういったリクルートにまつわる話は、日本におけるメジャースポーツ界ではもちろん、いまひとつマイナーなバスケットボールにおいても珍しくないでしょう。
日本版NCAAは推進されていますし、Bリーグは金銭面でも夢のある存在になってほしい。ただ・・・行き過ぎのないようにすることも重要ですね。
最後に。
上に書いたラスベガスのフィンドレープレップ。
ポールワシントンのアシスタントコーチ陣に見覚えのある顔が。1995年、NCAAチャンピオンに輝いたUCLAのメンバー、エド・オバノンです。
彼は引退後、NCAA選手は報酬を得るべきと訴えてきた人物。*フィンドレー=トヨタによる雇用のようです。
そしてそのフィンドレーと激しく争うラスベガスのもう一つの超強豪、ビショップゴーマン。ゴンザガからNBAに進んだ八村塁の同期、ザックコリンズらを送り出したこの高校のアシスタントには、エドの弟で日本でもプレイしたお馴染みのチャールズオバノン。コリンズの1学年下の息子が、今秋USCに入りました。
オバノン兄弟の今後にも注目です。。。