NCAAはノースカロライナ、ユーロリーグはフェネルバフチェ(トルコ)、Bリーグは栃木ブレックス。”トリ”のNBAもウォリアーズ対キャブスのファイナルを残すのみで、2016-2017シーズンのバスケットボールが終わろうとしています。
そして、毎年夏はFIBAのイベント。今回は日本代表が参戦する3つの大会について。
*あらためて、のFIBAランキング(アジア)↓
FIBA EABA 第5回東アジアバスケットボール選手権 兼 アジアカップ予選
6月2日~7日@長野
Bリーグ選手が息つく間もなく始めるのが東アジア選手権。参加は日本、韓国、中国、香港、マカオにチャイニーズタイペイの6か国。簡単に触れたとおり、上位5か国がアジアカップに出場というイベントのため、中韓あたりはベストメンバーを組まないことが予想されています。
が、開催国・日本はほぼベストと言っていいでしょう↓
*指揮は暫定ヘッドコーチのルカ・パヴィチェヴィッチ
【チームスタッフ】
ヘッドコーチ(*) ルカ・パヴィチェヴィッチ (JBA)
アシスタントコーチ 佐々 宜央 (JBA)
サポートコーチ 網野 友雄 (栃木ブレックス/白鷗大学)
サポートコーチ 大村 将基 (大阪エヴェッサ)
サポートコーチ 鈴木 良和 (株式会社ERUTLUC)
サポートコーチ 森 高大 (アルバルク東京)
パフォーマンスコーチ 佐藤 晃一 (JBA)
トレーナー 一柳 武男 (JBA)
ドクター 勝見 明 (千葉東病院)
マネージャー 七川 竜寛 (JBA)
マネージャー 西村 拓也 (JBA)
テクニカルスタッフ 荒川 哲史 (JBA)
#0 橋本 竜馬 (シーホース三河)
#2 富樫 勇樹 (千葉ジェッツ)
#6 比江島 慎 (シーホース三河)
#8 太田 敦也 (三遠ネオフェニックス)
#10 竹内 公輔 (栃木ブレックス)
#15 竹内 譲次 (アルバルク東京)
#18 馬場 雄大 (筑波大学 4年)
#24 田中 大貴 (アルバルク東京)
#34 小野 龍猛 (千葉ジェッツ)
#35 アイラ・ブラウン (サンロッカーズ渋谷/※自由契約選手)
#43 永吉 佑也 (川崎ブレイブサンダース)
#88 張本 天傑 (名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
*5月16日発表の最終候補から外れた4名↓
古川 孝敏 (栃木ブレックス)
篠山 竜青 (川崎ブレイブサンダース)
辻 直人 (川崎ブレイブサンダース)
安藤 誓哉 (秋田ノーザンハピネッツ)
【予選ラウンド 組み合わせ】
グループA:韓国(KOR)、日本(JPN)、マカオ(MAC)
グループB:中国(CHN)、チャイニーズ・タイペイ(TPE)、香港(HKG)
*各グループ1回戦総当たりの予選ラウンドを行い、各グループの上位2チームが決勝トーナメントへ進出。各グループ3位チームは5位決定戦を行う。
香港とマカオは明らかに格下であり、アジアカップへの出場は決定的。中韓がベストメンバーでないことも納得ですが、開催国として、日本は優勝が必要でしょう。
が、これは簡単ではありません。ベストでなくとも中国、韓国は手強いうえに、日本と並び、FIBAランキング48位タイのチャイニーズタイペイが本気モード。
*つい先日、下に書くアジアカップ2017の組み合わせが決定。チャイニーズタイペイと日本は同組となりました。
日本は眼中にない?→Chou Yi-Hsiang(周儀翔)の記事(動画あり)
Chou Yi-Hsiang(周儀翔)は190センチのガードでユタ州の短大出身。台北のレブロンなどと呼ばれていますが・・・
テュレーン大学出身の帰化選手、クインシー・デイビス(6-9)もいるチャイニーズタイペイは、国内リーグSBL(スーパーバスケットボールリーグ)が人気。台湾にルーツを持つNBA選手、ジェレミー・リンの存在もあって、その熱度は日本を上回るとされています。
アジアカップ予選云々ではなく、中韓、そしてチャイニーズタイペイとの争い、日本優勝へのプロセスに注目です。
FIBA U19バスケットボールワールドカップ 2017
7月1日~9日@エジプト・カイロ
注目の世界大会。未来のNBA選手のショーケースです。
昨年のU18アジア選手権で準優勝した日本(イランが優勝)はこれが3回目の出場。
【チームスタッフ】
チームリーダー 吉田 裕司 (洛南高校)
ヘッドコーチ トーステン・ロイブル (JBA)
コーチ 佐藤 光壱 (さいたま市立大宮北高校)
コーチ 上田 康徳 (岩手ビッグブルズ)
パフォーマンスコーチ 佐藤 晃一 (JBA)
ドクター 山本 敬之 (国立国際医療研究センター病院)
トレーナー 高橋 基樹 (専修大学)
マネージャー 古海 五月 (JBA)
テクニカルスタッフ 末広 朋也 (JBA)
通訳 本永 昌生 (JBA)
【選手】
#4 三上 侑希 (中央大学 2年)
#5 増田 啓介 (筑波大学 2年)
#6 シェーファー アヴィ幸樹 (ブリュースターアカデミー)
#7 水野 幹太 (法政大学 1年)
#8 八村 塁 (ゴンザガ大学 1年)*
#9 榎本 新作(アイザイア・マーフィー) (ピマ・コミュニティ・カレッジ)*
#10 津屋 一球 (東海大学 1年)
#11 重冨 周希 (専修大学 1年)*
#12 杉本 天昇 (日本大学 1年)
#13 鍵冨 太雅 (セント・トーマス・モア・スクール)
#14 西田 優大 (東海大学 1年)
#15 中田 嵩基 (福岡大学附属大濠高校 2年)
*所属は2017(H29)年5月29日現在 *八村、榎本、重富は2016U18アジアメンバーではない
■大会概要
出場チーム:16か国
【グループA】アルゼンチン、ニュージーランド、韓国、フランス
【グループB】ドイツ、エジプト、プエルトリコ、リトアニア
【グループC】カナダ、日本、スペイン、マリ
【グループD】イラン、アンゴラ、イタリア、アメリカ
*各グループ1回戦総当たりの予選ラウンドを行い、1-4まで順位を確定。全16チームが決勝トーナメントに進む。組み合わせはA1-B4、A2-B3、A3-B2、A4-B1、C1-D4、C2-D3、C3-D2、C4-D1。→勝者が準々決勝以降へ進み、敗者は9-16位決定ラウンドへ。
*あまり参考になりませんが、、、こちらも再度、アンダーカテゴリー(U16-U19)のFIBAランキング。日本も含めたハイライトがU19ワールドカップ出場国↓
日本は昨年のU18アジアメンバーに、八村塁、榎本新作の”海外組”と、昨年の高校覇者・福岡第一出身の重富周季を加えて相当なスケールアップ。本大会での躍進を狙います。
が、、、
FIBAランキングを見るまでもなく、カナダ(3位!)、スペイン(5位)は世界の強豪。特にカナダはU18Americas(アメリカ大陸予選)決勝で、マーケル・フルツら怪物を多く擁したアメリカに善戦。今大会でもアメリカに次ぐ優勝候補と見られています。ロスターはまだ発表されていませんが、U18Americasチームから多くが再び参戦すると見られ、、、アメリカに劣らない将来のNBA候補が揃います↓
*FIBAサイトより。右から2番目、所属(Club)がカナダ(CAN)の学校となっていますがこれは誤りで、ほとんどがアメリカの名門校に所属。多くが右端のとおり、NCAAディビジョン1スクールに進みます。
この面々はカナダバスケットボール史上最強。
以前の投稿でもあげた名前が出てきますが、まず注目は、あのマイケル・ポーターJr.を差し置いて、U18Americasで得点ランキングワンツーフィニッシュを決めたニッケール・ウォーカーとオシャ・ブリセット。そしてニッケールとテネシー州のプレップスクール(ハミルトンハイツ)でチームメイトのシャイ・ギルジェス=アレクサンダーは、マーケル・フルツを抑えてのアシスト王に輝きました。3人はじめ、カナダの面々は動画検索をおすすめします。多数のNBA候補。
言葉や距離の問題が日本とは比較になりませんが、高校からアメリカ留学が当たり前のカナダは今大会注目のチーム。U18の選手がそのまま出てくれば、C組1位突破が有力です。
*FIBAサイトの記事:「カナダはアメリカ並みの強さ」リンデル・ウィッギントンのインタビュー
<追記>
カナダのロスターがリリースされました。が、上にあげた数名の選手が入っていない。まるでアメリカとジョン・カリパリに遠慮しているようです。カナダには昔からこういうところがありますね。。。残念。
それでもウィッギントンらは選ばれており、強いことは間違いなし。
スペイン、マリもまだ出場選手が不明ですが、マリの注目は帝京長岡高校出身の6-10、ディアベイト・タヒロウ。八村塁のゴンザガ大学と同じWCCカンファレンス所属、元NBAスターガード、テリー・ポーターがヘッドコーチを務め、アルバルク東京の伊藤大司の母校であるポートランド大学へ進学が決定しています。彼の出場はどうでしょうか?
*ヘッドコーチで元NBA選手のテリー・ポーターと。何でも一学年上のポーターの息子マルコムが着けていた背番号1番を、腕相撲で勝って奪い取ったとか・・・Pilot Nationより↓
マリも全く油断できない相手で、大会トップ選手の一人であろう、八村塁一人でどうにかなる国は一つもありません。
そしてもしC組4位に沈んだ場合、決勝トーナメントで激突するのはおそらくアメリカ。こちらも選手は未定。マーケル・フルツやジャレット・アレンは既にNBAドラフトへアーリーエントリー。スター選手がごろごろしているアメリカは、U18の選手がそのままスライドすることはあまり考えられません。コーチングスタッフも、ヘッドコーチがU18を率いたテキサス大学のシャカ・スマートから「あの」ジョン・カリパリに交代。さらにアシスタントもウェイクフォレスト大学HCの元NBA選手ダニー・マニングや、テーブス海に興味を示しているモンマス大学のHCキング・ライスらに刷新。
相変わらず溢れるほど人材豊富なアメリカは、選手選考にも注目です。*カリパリはこの舞台で恥をかけないでしょうから、ケンタッキー大学進学予定者から2,3名は選びそう。ポーターらがそのまま出ることも十分考えられます。カナダとあたれば、やはりケンタッキー大学進学が決まっており、教え子となる予定のシャイ・アレキサンダーとの対決は見もの。
さて、アンダーとは言え世界大会。その過去を振り返るのは大変面白いものです。
日本は1990年にアジア制覇(!)して1991年大会に出場。しかし、、、アジア制覇をした中心選手、長谷川誠(前Bリーグ秋田ヘッドコーチ)らが「内紛」により出場せず。。。全敗し、16位に終わりました。
ちなみに、初戦で優勝したアメリカと対戦。51-124という大敗でした。アメリカの後のNBAスターというと、ビン・ベイカーあたりのみですが、デューク出身で三菱電機(現・名古屋)で選手、コーチとして活躍し、現ユタジャズACのアントニオ・ラングも優勝メンバーでした。
*USA BASKETBALLより↓
1999年は田臥勇太を中心に、鵜澤潤、山田大治に佐藤託矢らを擁して14位。初戦、アンドレイ・キリレンコらがいたロシアに大敗しますが、中国、ポルトガルを破っての2勝6敗はなかなか。
1999年大会MVPはキリレンコ。ほか、1987年のトニ・クーコッチ、2003年アンドリュー・ボーガット、2011年ジョナス・バランチュナスに2013年アーロン・ゴードンらのMVP含む、多くのNBAスーパースターを輩出してきた本イベントは注目です。
日本の躍進に期待!!
2016FIBAアジアU18決勝動画-日本vsイラン
2016FIBAアメリカ大陸U18決勝動画-アメリカvsカナダ
2016FIBAユーロU18準々決勝動画-ドイツvsスペイン
2016FIBAアフリカU18準決勝動画-エジプトvsマリ
FIBA ASIA CUP アジアカップ 2017
8月7日~20日@レバノン
フル代表の東アジア選手権を経て、迎えるのがアジアカップ。今回より世界大会予選の意義はほとんどなくなります(2019ワールドカップアジア予選には16か国が参加)が、初めてオーストラリア、ニュージーランドを加えての、新アジアチャンピオン決定戦です。
先日、グループ分けが決定(東アジア、まだ終わってないんですが・・・)↓
FIBA公式サイトより
*各グループ1回戦総当たりの予選ラウンドを行い、それぞれ上位3チームが2次ラウンド(二組、計12チーム)へ進出。→上位8チームが決勝トーナメント(準々決勝から)へ。
日本はいきなりリオ五輪で世界4位まで上り詰めたオーストラリアと同組。東アジア選手権での戦いが見ものなチャイニーズタイペイも強敵ですが、香港は格下。2次ラウンドへの出場は固いでしょう。
中国がベストではないなど、11月からのワールドカップ予選の前哨戦に過ぎないとの見方もありますが、新アジア王者決定戦は、これも注目に値するものです。
日本はここに八村塁、そして渡邊雄太が参戦するかどうか。
*すっかりややこしくなってしまいましたが、、、11月からのワールドカップ予選(ホーム&アウェイ)では、日本はB組、チャイニーズタイペイ、フィリピン、そしてオーストラリアと同組です。