おそらく現役世界ナンバーワン、バスケットボール史上においても有数の名コーチ、コーチKことマイクシャシェフスキー。コーチKが、ノースカロライナ州の最有力紙シャーロットオブザーバーにて、現状のNBAドラフトについて自身の意見を述べました。
大きくまとめますと、コーチKの提言は以下の2点。
ONE&DONEを撤廃し、再度高卒NBA選手を認めるべき
大学進学を表明した選手は、最低2年カレッジに在籍するべき
◆野球やブロードウェイで認められているように、バスケットボールでも大学進学以前にプロ選手としてのキャリアをスタートできるようにすべき。
*以前、レブロンジェームスも「テニスやゴルフでは認められているのにアンフェアだ」と発言していましたね。レブロンの場合は高卒さえ待たずにNBAで通用するはず、というのが大方の見方でした。コーチKは、アメリカ代表ヘッドコーチとしてレブロンやコービーなどの高卒NBA選手をコーチする中で、余計にこのような考えを持つに至ったようです。現状では、NBAドラフトへのエントリーは19歳以上、高校を卒業してから最低1年経過が条件。選手は大学か海外プロで1年を過ごす必要があります。
◆選手としてのNBAでのキャリアは平均で5年以下であるとされており、短命。12-15年ほどが理想だが、それでも医者や弁護士とは違う。いまや8割ほどのNBAチームがデベロップメントチーム(Gリーグ)を有しており、MLBにおけるマイナーリーグ球団との関係に似てきている。それはスパーズやニックスなどなど・・・高卒選手がNBAチームの一員として毎日プレイすることができる環境だ。
◆一方で、大学進学を表明した選手は最低2年以上カレッジでプレイすべきだ。1年では単位取得に障害があり、教育面で問題がありすぎる。
「よく言ったな」とは思います。
コーチKとデューク大学はご存じのとおり、ケンタッキー大学と並んで、高校生スター選手を多くリクルートできる環境にあるからです。2015年にはジャリルオカフォー、ジャスティスウィンズロウ、タイアスジョーンズ、そしてグレイソンアレンといった1年生選手を擁してNCAAタイトル奪取。現状は決してコーチKとデューク大学に不利なものではありません。
(引退が近づいているとはいえ)あくまで選手のキャリア、バスケットボール界全体をより良くするための提言であると感じます。
ビッグマンを中心に、どれほど多くの高卒、ONE&DONE選手がその才能を開花させる前に消えていったことか。
同じく、1年生スター選手の獲得をウリにしているケンタッキー大学のジョンカリパリはこのような提言をしないでしょう(というより、このコーチKの意見には反対でしょう。勝てなくなるからです。)。
両コーチのバスケットボール観というものは、似ているようで全く異なります↓
↑NCAAカレッジバスケットボール版「栄冠は君に輝く」、One Shining Moment「ワンシャイニングモーメント」。
高校生スーパースターが、たとえ一瞬であってもNCAAで輝くことができなくなるのはカレッジファンとしては残念ですが、コーチKの提言は、現状よりは良くなるという点で、個人的に賛成です。
NCAAスター選手に報酬を支払うなどといったことも含め、さらなる議論の余地はありますが、現在の”ONE&DONE”による中途半端な教育、選手育成は大きく改善されるのではないでしょうか。
コービーやレブロンがプロ入りした、高卒NBA選手が認められていた時期も、NCAAバスケットボールの魅力は何ら見劣りすることはありませんでした。2年生以上をカレッジで過ごした選手も、これからも変わらずNBAドラフトで指名されるでしょう。
大きな影響力を持つ、コーチKによる提言。
”デューク大学出身の”NBAコミッショナー、アダム・シルバーのリアクションに注目したいところです。
それにしても、、、時代は変わりました。
かつてコーチKは、自身がコーチするデューク大学選手のNBAへのアーリーエントリーを絶対に認めてきませんでした。
それがいまや、全米で最も多くのONE&DONE選手を輩出するコーチの一人。
→コーチKとデューク大学バスケットボールを振り返る
コーチK自身、現在の自らのコーチング、デューク大学バスケットボールの”在り方”に、何らかの違和感は間違いなく抱いているのではないでしょうか。