アンファーニー”ペニー”ハーダウェイが母校メンフィス大学のHCに
1週間ほど前、突然ツイッターアプリの通知が止まらなくなりました。
2年前に投稿したこちらのツイートがどんどん拡散されていきます。
???と思っていたら、どうやらメンフィス大学が2シーズン目のコーチ、タビースミスを解任し、新コーチを迎えそうだという噂。そしてその新コーチの候補が、地元の英雄にして元NBAスター、ペニーハーダウェイという話。ファンの期待が膨らみ、10年前のファイナルフォー時の動画ツイートが拡散された、というわけでした。
こんなツイートやあんなツイート、さらにこんなツイートも出てきて、、、
アンファーニー”ペニー”ハーダウェイが、母校メンフィス大学タイガースのヘッドコーチに就任です。
*19代目ヘッドコーチ。メンフィスは2020年に創部100周年。”土地柄”、黒人がコーチに就くことが多い学校。
アシスタントを含め、ペニーハーダウェイにNCAAコーチのキャリアはありませんが、脇を固めるスタッフの1人に”あの”ラリーブラウンの名前があがっており、万全の様相。
むしろSMU時代のようにブラウンが張り切り過ぎて(*選手の学業問題で解任)、NCAAにお咎めをうけないかの方が心配。
(いくらでも可能だったはずながら)華やかなTVでのアナリストなどをしてこなかったペニー。
AAU、そしてメンフィスイースト高でのコーチという、地味目の(?)キャリアは、特にリクルーティングにおいて大きく役に立つでしょう。
まずはコーチングスタッフの名前、そしてClass of 2018の、メンフィス大学のリクルートに注目です。
ニックキングという選手
このペニーハーダウェイの噂が出始めたのと同じ頃、やはりツイッターで見た、1枚の写真に目がいきました。
場所はミドルテネシーステイト大学(MTSU)Basketballのフィルムルーム。
カンファレンスUSA所属のMTSUは、16勝2敗でリーグ優勝。3年連続となるNCAAトーナメント出場は間違いないと見られていました。が、1位シードでのぞんだカンファレンストーナメント初戦で、9位シードのサザンッミシシッピにまさかのアップセット。
C-USAからのNCAAトーナメント出場枠は基本、1つ。
レギュラーシーズン制覇のMTSUの面々は、かすかな期待とともに同校フィルムルームで”セレクションサンデー”中継を見ていましたが・・・
中継が終わった1時間後、ニックキングがフィルムルームに残った。動かなかった。
波乱に満ちたカレッジキャリアの始まりを経て、今シーズン、このチームに彼がどれほどのものを懸けてきたかを思えば、、、胸が張り裂けそうな光景だ。
MTSU、ウェスタンケンタッキー(3位シード)とオールドドミニオン(2位シード)がカンファレンスUSAを支配した。が、マーシャル(4位シード)がカンファレンストーナメントを制し、NCAAトーナメント出場を決めた。これがカレッジバスケットボールだ。
ジョンロスタイン
ニックキングはメンフィス出身の4つ星選手。
ペニーがコーチをしていたイーストハイスクール出身のNBA候補で、そのままメンフィス大学へ進学。しかし、、、
「今年こそ、自分がエースとしてNCAAトーナメントで活躍する」
キングの思いは叶いませんでした。
全世界が注目するNCAAトーナメント。
渡邊雄太も含め、いったいどれだけの選手がその出場を夢見てきたのでしょうか。
そして、いったいどれだけの選手がNBAなどのプロバスケットボールキャリアを築けるでしょうか。
あらためて、すさまじいレベルでの競争だと思います。
NCAAバスケットボール-オフのコーチングチェンジ
ペニーハーダウェイが就任したメンフィス大学に限らず、多くのチームはシーズン終了。
NITに招かれたミドルテネシーステイトも、2回戦でルイビルにダブルオーバータイムの末に敗退しました。ニックキングは有終の24点・6リバウンド。
一方で、この時期からはヘッドコーチの去就も活発。
MTSUでの実績が認められたカーミットデイビスは、SECのOle Miss(ミシシッピ大学)への栄転が決定。
↓主なコーチングチェンジ。”玉突き”人事もありますし、これからさらに増えてきます。
高橋マイケルの母校、カリフォルニアステイト大学ノースリッジ校は、元NBA選手&コーチのレジーセウスに代わってマークガトフライド。1995年にUCLA優勝時のアシスタント。母校アラバマ→ノースカロライナステイトと移って、LAエリアに戻ってきました。
同じく1995UCLAアシスタントだったロレンゾロマーも出戻り。ペッパーダイン→セントルイス→母校ワシントン→アリゾナACと経験を積みました。
2人とも敏腕リクルーター。しかし、それ以上ではない。。。
元NBAスターはカレッジコーチとして成功できません。
UNCシャーロットはマークプライスを昨年末に解雇。
セントジョンスのクリスマリン、ジョージタウンのパットユーイング、アラバマのエイブリージョンソンらがいますが・・・
ペニーに注目です。
やはり元NBA選手、ケビンオリーは母校コネティカットを2014年チャンピオンに導きながら、ここ2年は低迷。学校は我慢の限界?大きなポジションです。
元シカゴブルズHCのティムフロイドもUTEPを辞任。アイオワステイトではまずまずの成功。野心家のフロイドはUSCでOJメイヨらのリクルートに成功しましたが、、、
さらにはウォルターマッカーティ。ケンタッキーとボストンセルティックスで、リックピティーノの下でプレイし、現在セルティックスACのマッカーティはインディアナ州のエバンスビル大学のHCに就くようです。日本人選手・大野慎子の母校。
ピティーノが辞任したルイビルも注目。デイビッドパジェットは暫定でした。
コロラドステイトの次期候補には、OGで現在NBAサンアントニオスパーズのアシスタントを務めるベッキーハモンのほか、八村塁など、ゴンザガに留学生を多く連れてきている国際リクルーターとも言えるトミーロイドの名があがっています(2人ともないと思いますが)。
*過去にこういった方もいましたが、NBA同様、NCAA男子でも女性ヘッドコーチがなかなか誕生しません。
*ピティーノの下でも
ジェフリーボとスコットチェリー。ともにノースカロライナ大学出身で、故ディーンスミスの下でプレイした選手ですが、コーチとして大成できず。
メンフィスでペニーに取って代わられた黒人コーチ、タビースミスは1998年にケンタッキーで優勝。UKを追われてからは良い成績を残せていません。
ロヨラ(メリーランド)を解任されたGGスミスはタビーの長男。タビーがジョージア大学ヘッドコーチ時代に選手としてプレイ。
そのジョージア大学は、マークフォックスを解任。Bリーグ川崎のスター、ニックファジーカスをネバダ大学でコーチした人物。ハイメジャー、ジョージアで9季ヘッドコーチを務めましたがついに解雇。
代わってトムクリーン。ミシガンステイトの名将トムイゾーの弟子で、ヘッドコーチデビューしたマーケット大学でドウェインウェイドを”掘り起こして”2003年ファイナルフォー。インディアナ大学へ栄転しましたが昨年辞任していました。1年アナリストとして過ごしての現場復帰。
この他大きなポジションはACCのピッツバーグ大学。
ロードアイランドHCのダニーハーリーらが候補にあがっていますが、そうするとロードアイランドからオファーを受けていた琉球ハッサンマーティンの弟マリックの進学先がどこになるのか・・・
最後に、LA東方にあるカリフォルニア大学リバーサイド校。
新ヘッドコーチはなんとデイビッドパトリック。ベンシモンズの”ゴッドファーザー”として知られ、LSUアシスタント時代にシモンズをリクルート。セントメリーズ(SMC)アシスタント時代にはパトリックミルズやマシューデラベドバを呼び込んだ、”オーストラリアコネクション”を持つリクルーター。もっと大きなポジションを狙っていると思いましたが、、、
大きなお金が動く、コーチングチェンジはオフの注目イベント。
ところで、NCAAは大きな改革をするのでしょうか???