いつもどおり、情報処理が追いつかず更新が遅れました。
あっという間のファイナルフォーです。
*以下、追記や修正するかもしれません。
2018NCAAファイナルフォーの日程と予想
Sweet16の8ゲームは4/8の確率だった、FiveThirtyEightさん。
*全て日本タイム。ティップオフ時間は変更の可能性あり
どうしても、こういう予想になってしまいますね。
優勝確率はビラノバが最も高い46%。次いでミシガンの25%、カンザス23%、そしてロヨラ7%と続きます。
妥当です。妥当ですが・・・
会場はサンアントニオのアラモドーム。スーパーボウル並みの超人気イベントのため、もはやドーム以外での開催は不可能となっています(”アリーナ”は1996年のミドウランズが最後)。
サンアントニオと言えばこのブルー!
こういう映像に、普通に八村塁が出てきますね。。。
NCAAトーナメント2018-リージョナルズ(地区準決勝・決勝)レビューとファイナルフォープレビュー
ゴンザガのキリエンティリも含め、Sweet16チームのいくつかの学校で、キープレイヤーの怪我があったのは残念でした。
SOUTHリージョナル
優勝:ロヨラ大学(シカゴ)ランブラーズ
シカゴにあるカトリックスクール。情報処理が遅れたのは、ロヨラのせいです(笑)。
史上4校目となる、最も低い#11位シードのファイナルフォー進出。
*1986年にLSU、2006年にジョージメイソン、そして2011年にVCU。優勝は1985年、8位シードのビラノバによるものが最高の下剋上。
UMBC以上に、ロヨラの強さの秘密は?スタッツは?キープレイヤーは?というものから、そもそもロヨラって?というものまで・・・溢れました。そして今でも溢れています。
ニックネームのランブラーって?→スポイラの記事
ロヨラの11位シードはしかし、妥当であったと言うべきでしょう。
クレイトン、ウィチタステイトが抜けて弱体化したと言われるミズーリバレーカンファレンス(MVC)所属。2013年にクレイトンと入れ替わるように加入したロヨラは今季32勝5敗。開幕連勝も、@ボイジステイトを30点差の完敗。カンファレンスは制したものの、成績は15勝3敗で完全ではありませんでした。
選考委員会、各アナリストの評価も納得のローシード。
まさにシンデレラ。
以下、ロヨラに関する情報を。
投稿をするたび、この言葉を書かざるを得ませんが、、、奥が深い。
↓NCAAトーナメントでシンデレラになるには?必見。
キーマンの一人は13番、3年生PGのクレイトンカスター(6-1)。MVCのMVP。
アイオワステイトからの転校生で、リクルートされたフレッドホイバーグがNBAブルズに移ると同時に、後を追うようにシカゴへ。
これで元カンザス州の”3つ星”高校生ですから・・・奥が深い。
関連ツイート
カリスマパーソナルコーチ、アランスタインさんのツイート①
「もしあなたがサイズや運動能力で劣る選手ならば」
↓ ↓ ↓
Are you a player without the size or athleticism to play ‘above the rim’?
Watch Loyola Chicago
Take notes
Watch Loyola Chicago again
Take more notes
Watch Loyola Chicago some more
Take a few more notes
Go to the gym and practice what you saw... over and over and over...
その②
これも”ささり”ますね。
The fact that Loyola Chicago has 5 players that average between 10 and 12 points per game speaks volumes about their trust in each other, their unselfishness, their versatility and their belief in ‘we > me’ 🏀
そして気になったのがこちらのツイート。
ロヨラの選手7人は、州の高校優勝経験者。こういう「勝者」を獲るべきだ、と。
さらにこちら。
今回の躍進による宣伝効果はいか程か?
12年前にやはり11位シードからファイナルフォーに進出した、ジョージメイソンの教授が試算したところ、その額$677ミリオン。1ドル100円でも驚愕の677億円。しかも、基本的に広告費ゼロ。。。
ちなみに、今トーナメント1回戦でロヨラを対戦したマイアミ大学(フロリダ)ヘッドコーチ、ジムララナーガは、2006年ファイナルフォーに進出した当時のジョージメイソンHC。F4をきっかけに栄転したクチですが、ロヨラHCのポーターモーザーも、今後の去就が注目されます。*クレイトン大学出身の49歳。大学卒業と同時にコーチとなり、浮き沈みを経験してきました。前任地、セントルイス大学では伝説的コーチ、故リックマジェラスの下でアシスタント(2007-2011)。
ロヨラの活躍。
リクルート不正もなさそうで、日本版NCAAには参考になる?、理想的なものではないでしょうか。
そしてシスター・ジーン!!!
実にアメリカらしい→その①、その②
連日の取材攻勢のようですが、、、ニューヨークタイムズの記事
きりがありませんが、最後にこちら。
「もしもロヨラがMVCトーナメントで優勝していなかったら、NCAAトーナメントに出場できていなかっただろう(今のMVCなら1校のみの出場という意味)。ACCの11位やBIG12の8位校を選ぶのなら・・・よく考えてほしい。」
優勝の可能性は低く見積もられていますが、もはや数字は関係ありません。史上最低シード校の優勝なるか。
あっ、あとこちらもぜひ!
あっ、あっ、ついにまとめが出ました(笑)→こちら
荒れたSOUTH。ケンタッキーをやぶったカンザスステイトはもちろん、ネバダあたりも素晴らしい快進撃を見せました。ロヨラの影に隠れるようになりましたが、また振り返ってみたいと思います。
EASTリージョナル
優勝:ビラノバ大学ワイルドキャッツ
対照的に、順当に勝ち上がったビラノバ。
地区準決勝、ウェストバージニアには特に手こずりましたが、2年ぶり6回目のファイナルフォー。
連覇を狙った昨季も1位シードながらアップセットを食らいましたが、このプログラムは総合的に見て全米ベストと言ってよいかもしれません。
ケンポン1位。
数字上でも優勝候補最右翼であることは間違いありません。
トップ10に入る項目のみをハイライトしていますが、50位以内に入っても十分にすごい数字。
スリーも40%。ややオフェンスに偏る、現代的なチームですが、フリースローの正確さ、ターンオーバーの少なさは見逃せません。
デュークやケンタッキーほどではありませんが、良いリクルートをしており、そのタレントが徹底的にアンセルフィッシュ。強いわけです。
象徴が昨年12月のゴンザガ戦でも活躍した3年生スウィングマン、マイカルブリッジス(6-6)。リーダーが同じく3年生、PGのジェイレンブランソン。
さらに、ここで紹介したいのはエリックパスカル(3年生、6-6)。フォーダム大学からの転校生で、プレップのセントトーマスモアスクールで渡邊雄太選手と同期のチームメイト。アトランティック10のルーキーオブジイヤーに輝いたNBA候補。
*2:30あたりで強烈なダンク↓
やはりセントトーマスモア出身の14番、オマリスペルマンあたりも強烈ですが、、、パスカルは間違いなくNBAでしょう。”チーム”に徹するビラノバにあって、なかなかモックドラフトには載ってきませんでしたが、大きなアピールのチャンス。
注目です。
残念だったのは2位シードのパデュー。ビッグマン、アイザックハースの怪我に泣きました。
「奇跡」はおこりませんでしたが、こういったサポートには感銘をうけるばかり。
MIDWESTリージョナル
優勝:カンザス大学ジェイホークス
予想は外れ。
不安定と書いた1位カンザスと2位デュークが順当な勝ち上がり。地区決勝は世界的に有名な名門校同士による、ハイクオリティなゲームとなりました。
コーチKによるゾーンディフェンスが話題になる中、カンザスによるATO(タイムアウト後)セットプレイ。
見事でした↓
カンザスも平均80点取る、どちらかと言えばオフェンスのチーム。
数字上ではビラノバが上回りますが、(地区決勝で敗退した)昨季と違って肝心なゲームで本領発揮のカンザスは安定感が出てきました。
KUもスターが揃いますが、ここでも注目は転校生。
地元であるミシシッピステイトから移ってきた2年生ガードの6-3、マリックニューマンは、2014年のU17世界選手権で優勝したUSAのリーダー。八村塁が率いた日本を粉砕。ジェイソンテイタムやテレンスファーガソンらと同じく、先にNBA入りしたカンザス出のジョッシュジャクソンらを差し置いて、大会MVPに輝いたニューマンが、見事な復活。
ビラノバvsカンザスが事実上の決勝戦という声も、あながち誤りではないかもしれません。
WESTリージョナル
優勝:ミシガン大学ウォルバリーンズ
ミシガンの勝ち抜けは、実は多くのアナリストが予想していました。
ファイナルフォーに進出した4校の中で、最も攻守にバランスの取れた、ビッグテントーナメントチャンピオン。
2年生チャールズマシューズはじめ、良い選手はいますが5つ星はゼロ。
ドイツ人ビッグ、モーリッツワグナーも入学前の評価は低いものでした。
バージニアに似た、ディフェンス型の堅実なチームで、やはりターンオーバーの少なさが全米2位。
フロリダステイト戦でも苦しんだ、70%を割り込むフリースローは懸念材料。
せいぜい70点前後の、ロースコアのゲームとなりそうなロヨラ戦は勝利予想が大半ですが、、、
ゴンザガ大学と八村塁
最後の最後に、インサイドの層の薄さを突かれました。
ザック・コリンズが残っていればと今更ながら思わずにはいられませんが、加えてキリエンティリまでが離脱で八村が今季2度目の急遽スタートとなれば、、、
デュークに次ぐ高さを誇ったフロリダステイトには及びませんでした。
八村塁は(少なくとももう1年)ゴンザガに残るでしょう。
ケンポンさんのツイートによれば、ゴンザガの2018-2019シーズンプレランキング(早い!)は9位。
これはドラフトエクスプレスのTOP40の選手がNBAに去ったものとして出されていますが、この40人に八村は含まれていません。
間違いなくNBAポテンシャルである八村ですが、そのプレイにはまだ波があり、2018年のドラフト一巡目指名であると予想するモックは現在なし。上にあげたビラノバのパスカルなど、より能力が高く、かつファイナルフォーでのアピールの機会を残している選手の評価アップを考えれば、今年の”エージェントを雇っての”アーリーエントリーは八村にとってリスクでしかありません。
来季は間違いなくスターターで、アベレージ20-10も期待。3年生を終えてのアーリーエントリーでトップ10指名。いずれにせよ、日本人選手にとっては空前絶後とも言えるものです。
気になるのはゴンザガのカンファレンス移動。最終的にゴンザガ1校のみの出場となったWCC(ウェストコーストカンファレンス)はなかなかレベルの底上げが難しい。
上記のとおり、MVCを出ていったクレイトンやウィチタステイト、ビッグイーストに加入したバトラーやゼイビアの例を考えれば、ゴンザガのマウンテンウェストカンファレンスへの移動(ウワサ)は当然かもしれません。
基本、マルチビッド(複数校のNCAAトーナメント出場)のMWCは、今年もニックファジーカスの母校ネバダと、カワイレナードの母校サンディエゴステイトがNCAAトーナメント出場。
3校を送り出した、A10(アトランティック10)と同等の準ハイメジャーに近いカンファレンス。MWCでの切磋琢磨はゴンザガと八村にとって間違いなくプラスではあるでしょう。
しかし学校の規模で考えれば、ゴンザガに相応なのはフットボールプログラムを持たない(BYU除く)私立校で構成されるWCC。
レベルも徐々にではありますが向上しており、タヒロウのポートランド大学もメンバーである、WCCを無下にできない事情もあります。さらに、ある意味ゴンザガに惹かれてMWCからWCCに移ってきたBYUの立場は?など、思惑は様々です。
↓カンファレンス比較(投稿時点のケンポンランキングから)
*ハイライトはNCAAトーナメント出場校
たしかにマウンテンウェストは魅力的に見えます。ボイジステイトもNCAAトーナメントに出てもおかしくないチームでした。一方で、ゴンザガはWCCでは抜きん出た存在(セントメリーズもNCAAに行くべきでしたが)。
さらにさらに、、、
先日NJCAAトーナメント(ディビジョン2)で、見事準優勝となったピマコミュニティカレッジの榎本新作(アイザイアマーフィー)。
*紺の4番↓
榎本の1こ上で、やはりピマCC出身のディオンジェイムズという選手がMWCのコロラドステイトに進んでおり、榎本もこのCSUはじめとしたマウンテンウェスト校への編入が十分考えられます(もちろん、WCC校の可能性もありますが)。
それはそれで面白い。
ファイナルフォー「後」も、選手、チーム、そしてコーチの動向から目が離せません。