福岡第一高校から、スラムダンク奨学金によりセントトーマスモアに進んだ崎濱秀斗選手。
昨年末のウィンターカップで、チームを優勝に導いた後に渡米。
いよいよアメリカにおける新学期(一般的には9月から)という8月20日に何と・・・
NCAAディビジョン1スクールである、メリマック大学にコミット!!!
早い!
2019年。レンジャーカレッジ入学早々にネブラスカ大学にコミットした、富永啓生選手以来の電撃決断に驚きはしたものの・・・
とてもとても面白い!
今回は、崎濱秀斗選手がコミットしたメリマック大学のバスケットボールについて。
つい最近まで、メリマックでアシスタントをされていたコーチと少しチャットしました↓
崎濱秀斗選手がメリマック大学にコミット!!
NBAデビューを目指す福岡第一の河村勇輝同様に”スモール”ですが、恐ろしい能力を持っているのが崎濱選手です。
特に目を見張ったのがスリーポイントシューティング。
2023ウィンターカップで神がかり的な活躍を見せた崎濱選手は、同大会準々決勝以降、1人でほぼ30本(1ゲーム平均約10本!!)のスリーポイントアテンプト。
同時期、そしてプロ入り間もない頃、このシューティングに苦しんだ河村選手とは異なる点です。
※河村選手がシューティングを改善したことによって、その名を世界に名を知られることとなったのは間違いないでしょう。
> 2023ウィンターカップ準々決勝(vs 東山)ハイライト
繰り返しますが、、、高校卒業という同時期で比較すれば、河村選手を”かなり”上回る能力を持つ崎濱選手。
彼がどれほど高いレベルのNCAAディビジョン1校からオファーを獲得するか、注視していくつもりでした。
が、コミットしたのはローメジャースクールで、日本ではほぼ知名度のないメリマック。
が、が、これは完璧な決断でした。
NCAAディビジョン1スクールからオファーを獲得し、進学するというだけでもとてつもないことなのですが、プログラム(つまり、全権を持つヘッドコーチ)にフィットすることもまた難しい。
過去、”わずか”20人そこそこのNCAAディビジョン1校に進んだ日本人選手の中には、転校を決断した選手も出始めています(時代の変化もありますが)。
ゴンザガの八村塁(HCマークヒュー、ACトミーロイド)以上に、富永啓生(フレッドホイバーグ)がプログラムに完璧にフィットしたと言えますが、崎濱選手とメリマック大学バスケットボールとの”関係性”はそれ以上になるかもしれません。
メリマック大学のバスケットボール-NCAAカレッジ情報64
メリマック大学(Merrimack College, The Mack)概要
タイプ | 私立 |
ロケーション | マサチューセッツ州ノースアンドーバー |
ニックネーム | ウォリアーズ |
チームカラー・スクールカラー | ブルー、ゴールド |
カンファレンス | メトロアトランティックアスレティックカンファレンス (MAAC) |
バスケットボールアリーナ | メリマックアスレティックコンプレックス (MAC)(1,200人収容) |
フットボールスタジアム | デュアンスタジアム(4,000人収容) |
オフィシャルサプライヤー | アンダーアーマー(投稿時点) |
昨季まではNECに所属。今季からMAAC。
メリマック大学のバスケットボール
もともとはディビジョン2校であり、わずか5年前の2019年にD1に加入したローメジャー。
ディビジョン1のNCAAトーナメント出場はゼロ。
出身のNBA選手なし。
ヘッドコーチ、ジョーギャロ
メリマック大学バスケットボールの絶対的なキーパーソン。
それがヘッドコーチ、ジョーギャロです。
メリマックの出身(ガード)で、卒業後にアシスタント。ダートマス、ロバートモリスでのACを経て、2016年から母校MCのヘッドコーチに就任。44歳。
通算143勝98敗。
※面白いのはアシスタントにかつての自身のコーチがいること。アメリカでよく見られる事象です。
> グッドマンの投稿
メリマック大学のゾーンディフェンス(by ジョーギャロ)
全米最高のゾーンディフェンスとされています。
こちらの記事(タイトル:ジムベイハイムが引退した今、ゾーンディフェンスはまだカレッジバスケットボールで機能するのか?2013年夏)が素晴らしいので要約(意訳)します。
メリマック大学ゾーンディフェンスの凄さがより伝わるかと思いますし、近年のNCAAカレッジバスケットボール界における、ゾーンディフェンスの存在動向みたいなものが把握できます。
> ジムベイハイムは、カレッジバスケットボールの歴史の中で、どのコーチよりもゾーンディフェンスを使ってきた。彼の2-3ゾーンは、シラキュース大学(SU)でヘッドコーチを務めていた47年間で、2003年の全米優勝、4度のファイナルフォー進出に貢献した。
> が、「もし2023年に新しいプログラムを始めるとしたら、どんなディフェンスをする?」という問いに対するベイハイムの答えは・・・
「マンツーマンだ。いいシューターが多すぎる。ゾーンの攻め方を知っているコーチが多すぎる。全体のほぼ90パーセントをマンツーマンでプレーしようとするだろう。」
> ベイハイムは、現代のゲームにおけるフロアスペースの広さにより、考えを変えた。
> 2019-20シーズン開幕前に、男子NCAAの3ポイントラインが後方にに移動して以来、フロアの形状が変わった。シラキュースがNCAAトーナメントで優勝した2003年当時、ほとんどのチームはフロアに1人か2人のシューターを置いており、ラインの内側のスペースは限られていた。ベイハイムによれば、1人か2人のシューターを抑えるスキームができたらしい。しかし今、チームはより多くの3Pショットを打ち、より多くのシューターをフロアに配置している。
> ベイラーのスコットドリュー:「コーチたちがより遠くからショットを打たせている。25フィート(約7.6メートル!)から打たせるため、ゾーンでは守りづらくなったんだ。」
カテゴリー | バスケットから3ptまでの距離(アーチ) |
NCAA | 6.73メートル |
FIBA | 6.75メートル |
WNBA | 6.75メートル |
NBA | 7.24メートル |
> ドリューはゾーンを多用していたが、2019-20年にはゾーンを止め、マンツーマンディフェンスをメインDとして採用。翌年、全米優勝を果たした。
> KenPom.comによると、過去4季で、シラキュースのアジャステッドディフェンス効率(AdjD、100ポゼッションにおいて相手に許すであろう得点)は146位。衰退は急速に起こった。2010年から2016年まで、SUは全米でトップ15内だったが、過去2シーズンのシラキュースのディフェンスは、ベイハイムのキャリアの中で最悪であった。2022-23レギュラーシーズン終盤の4ゲームで、相手に61本の3ポイント(成功率42.7パーセント)、1ポゼッションあたり1.36点を許した。
シーズン | シラキュースのディフェンス効率@ケンポンランク |
2022-23 | 185 |
2021-22 | 207 |
2020-21 | 77 |
2019-20 | 116 |
2018-19 | 30 |
2017-18 | 5 |
> ベイハイム:「(クイックネスに欠ける、選手の能力に依るところもあるが)現在のNCAAカレッジバスケットボールにおいては、ゾーンばかりでプレーするのは難しくなっている。」
> NCAAカレッジバスケットボールの素晴らしさは、多種多様なスタイルにある。それがNCAAとNBAの違いであり、永遠に続くと思われるほど、ベイハイムは彼の創造物となったディフェンスを実行してきた。2023年3月8日にベイハイムが突然引退し、シラキュースバスケットボールのアイデンティティは彼とともに消えてしまったのかもしれない。彼の引退は、ハイメジャーレベルの主要ディフェンスとしてのゾーンDの終焉を意味するのだろうか?
> シラキュースの新ヘッドコーチ、エイドリアンオートリーは、12シーズンをベイハイムのアシスタントとして過ごした(選手としてもベイハイムの下SUでプレイ)。この時期(夏)は、コーチングスタッフがオフィスに座り、次のシーズンにチームをどうしたいかを戦略的に検討する時期だ。オートリーは、すでにディフェンスプランを変更する時期だと判断している。
> 「バランスをとりたいのは当然だが、マンツーマンに重点を置くことになると思う。」
> 適応しようとしているベイハイムの弟子はオートリーだけではない。シラキュースの次期HC候補だった1人、マイクホプキンス(やはりSUの元選手)は、シアトルのワシントン大学にゾーンを持ち込んだが、もはやゾーンのみでプレーすることはない。*ホプキンスは成績不振により2023-24シーズンを最後に解任
> 全体でも、ゾーンをプレーする頻度は同様に減少している。シナジー社によるポゼッションごとの記録によると、2015-16シーズンは70チームがディフェンスの3分の1以上でゾーンをプレーしていた。昨シーズン(2022-23)は、ポゼッションの3分の1以上をゾーンでプレーしたのはわずか15チームだった。ゾーンDが多いチームはたいてい下位レベルである。
ゾーンディフェンス多用した チーム(2022-23シーズン) | 頻度 |
シラキュース | 90.3 |
メリマック | 90 |
イーロン | 77.5 |
ワシントン | 72.7 |
ノーザンケンタッキー | 71.4 |
テュレーン | 70.7 |
オークランド | 69.5 |
ブライアント | 54.7 |
ミシシッピバレーステイト | 54.6 |
デトロイト | 51.4 |
> 多くのコーチが恐れているのは3ポイントであり、オートリーがゾーンを減らす決断をした理由もそこにある。全盛期のシラキュースは、ガード陣が3ポイントラインとスロットの間をカバーし、中央にボールを入れるのを難しくしていた。
> オートリー:「あの選手たちが伸び伸びとショットを打てると、コートが広くなるんだ。ゾーンの真ん中にボールを入れられると、3対3でプレーすることになるが、ローテーションで誰かが”下りてくる”3対3なので、(オフェンスが)少し有利になる。」
> 以前はすべてがコンパクトだったので、ローテーションは簡単だった。
> オートリー:「今、バスケットボールで最も重要とされるスキルはシューティングだ。」
> シラキュース(ゾーン)の弱点の1つは、長いクローズアウトにつながることだ。
> ゾーンオフェンスはよりスマートに実行されるようになり、ゾーンの上(前)をスクリーンするようなアクションを使って、ボールに2人を引きつける。ベイハイムによれば、2000年代初頭のベンハウランド率いるピッツバーグが、ゾーントップのスクリーンを始めた最初のチームだという。今ではより一般的になり、デュークのカイルフィリポウスキーのように、スクリーナーが、ショットを打てるビッグの場合はさらに対処が難しくなっている。
> クレムソンHCブラッドブラウネル:「ディフェンスを可能な限り引き伸ばすんだ。」
> ベイハイムはウイングを伸ばし、よりマッチアップの原則を導入することで調整したが、その結果、相手によるオフボールスクリーンの使い方がよりスマートになった。コンセプトはマン(ツーマン)へのオフェンスと似ている。以前はゾーンオフェンスがパターン化されていた。「今はもっと動きのあるものになった。」(ベイハイム)。
> 以前はポストプレーヤーが常に中央のポジションにいたが、コーチが賢くなった。2021年のNCAAファイナルでゴンザガがゾーンを敷こうとした時、ドリューはガードのメイシオティーグをディフェンスの真ん中に置いた。これにより、ゴンザガはマンツーマンDに戻さざるを得なくなった。
> ティーグが得点し始めると、ゾーンのトップにいたディフェンダーたちは、あまりに広がりすぎるのを嫌がるようになった(ミドルを固めた)。それがジャレッドバトラーのディープオープンルックにつながった。
> あのショットは、単にティーグの”重力(引き付け)”の賜物だった。最高の3ポイントルックのほとんどは、ボールを中央に運ぶことで生まれる。
> ベイハイムはかつて、ゾーンをコンパクトに教え込むことができ、単純に最高のシューターにくっついているだけだった。ゾーンの武器の1つは、ジャンパーを何本も連続して外したチームに対する心理的圧力だった。
> ブラウネル:「ショットが決まらないと、少し躊躇してしまい、それが問題になることもある。」「ハイポストにボールを運ぶのが少し難しくなり、ショットクロックが進み始め、ナーバスになる。」
> ベイハイムは、このようなことを常に信じることができた。しかし、オートリーはステフィンカリーがバスケットボールに与えた影響を指摘する。選手もコーチも、今はゲームの考え方が違う。選手たちがかつて感じていた(シューティングに対する)不安は、今はない。
> ベイハイム:「今の選手はただ”飛ばす”だけだ。」「以前は、3、4本ミスをすれば、気にしていた。今は何も考えない。メンタリティが違うんだ。」
> オートリーは、来シーズン(2023-24。20勝12敗はまずまずも、トーナメント出場無し)も約30パーセントのゾーンをプレーするつもりだと言う。よりマッチアップした感じになる可能性もあるが、彼はあまり多くを語りたがらない。オートリーは、メリマックを含む他校のゾーンディフェンスを研究している。
> かつてベイハイムがゾーンに傾倒したように、このスタイルに入れ込んでいるコーチがいるとすれば、それはメリマックのジョーギャロだろう。
> 着任3年で、メリマックはディビジョン2からディビジョン1にジャンプアップ。初年度いきなりNECトーナメントで優勝した(!!!)が、D2からの移行チームとしてNCAAトーナメントには出場できなかった。代わりにフェアリーディキンソン(FDU)がリーグのオートマティック選出を受け、1回戦で第1シードのパデューをアップセット。
> メリマックのスタッツは、我々がゾーンで想像するものとは違っている。シラキュースの対戦相手は過去2シーズン、いずれもディープ(スリー)からのショットを48%以上試みている。メリマックは過去4シーズン、ディフェンス3ポイント率のトップ75にランクインしており、D1初年度は22位、今年(2022-23)は39位だった。
> ギャロ:「シラキュースは大きなガード陣がロング3ポイントをコンテストにいけばよいと思う。」「我々の大きな特徴の1つは3ポイントを打たせないことで、多くの人が、ああ、ゾーンをプレーするんだな、シューティングの良いチームと対戦したらどうなるんだろう、と考えるところだ。私たちはショットのうまいチームと対戦するのが大好きなんだ。」
> ギャロとベイハイムのゾーンは、ともに最高の状態にある時、1つの共通点がある: 多くのターンオーバーを生み出すことだ。KenPomのデータベースによると、1997年以来、ベイハイムはディフェンスにおけるトップ25に12回入っている。そのうち10回が、ディフェンシブターンオーバー率で100位以内に入っている。メリマックはD1での4シーズン全てでこのランキングのトップ40に入り(!)、昨年2022-23シーズンは、ターンオーバー率で全米トップ(!)だった。
> どのようにその域に達したのかは異なる。ベイハイムは常に全てのポジションで大きい選手をリクルートし、トップとウィングに彼らを配置することで、多くのディフレクト(歪み)を生み出した。チームの高さと、ディフェンスによって生み出されたターンオーバーやブロックされたショットの数には、明らかな相関関係がある。
> ローメジャーレベルではビッグガードをリクルートするのは難しいので、ギャロはスティールする勘に優れた、スピードのあるアンダーサイズのガードに狙いを定めている。> 崎濱選手のことですね(笑)
> メリマックはまた、ボールが(ゾーンの)真ん中に来たときの戦術も違う。シラキュースのやり方は、センターがリムプロテクターとしてペイント内に下がり、相手のビッグマンにショットを打たせるというものだった。
> ベイハイム:「対戦相手として最も厄介なのは、パスのうまい選手がいるところだ。」
> メリマックはボールがミドルに入ったらアタックする。センターがハードにクローズし、ウイングが素早くショートコーナーと逆サイドのウイングにリカバリーする。
> ギャロ:「ミドルショットを打たせるために”餌をまいている”わけではない。」「何も与えたくないので、フットボールのクォーターバックに対するようにブリッツをかけ、パスを出すための視野を与えたくないんだ。」
> 「ゾーンをプレーすると、誰かが、ネイル(フリースローラインの中央)に行かせるな、と言うだろう?我々は、ボールがネイルに入ってからどうするかに、おそらく75パーセントの時間を費やしてきた。
> ネイルにボールが行くと、メリマックはリックピティーノが教えるゾーンディフェンスと同じようにマッチアップする。
> ピティーノはルイビルHC時代、優勝した2013年シーズンを含め、ゾーンを多用したが、そのディフェンスはしばしば相手を混乱に陥れた。「マッチアップゾーンは、ゾーンオフェンスと対戦する利点は全て得られるが、基本的にはマンツーマンでプレーすることになる。」(ピティーノ)*ピティーノはベイハイムのアシスタントをしていた。
> ギャロのゾーンは、ピティーノが2-3 「バンピング 」ゾーン(シラキュース版)と呼ぶものとマッチアップをミックスしたものだ。ボールがミドルを離れると、ゾーンの形に戻る。
> 元フェアリーディキンソンのコーチであり、現アイオナのコーチであるトビンアンダーソン:「ポゼッションごとに彼らを打ち負かさなければならない。どのポゼッションでも同じことを繰り返している感じだ。トランジションやマンツーマンで得られるようなイージーバスケットも得られない。正直、彼らとの対戦は楽しくない。」*偶然にも、アンダーソンはピティーノがセントジョーンズに移ったためにアイオナに異動となった。彼も名将。
> アンダーソンによれば、彼のコーチ陣は今季(2022-23)の3ゲームの前に、メリマックのゾーンのポゼッションを全て見たという。Synergyのようなビデオ編集ソフトを使えば、コーチは見たいものをすぐに取り出して、他校から学ぶことができる。例えば、FDUはバーモントによるゾーンのミドルを攻める方法を学び、ミドルにガードを置き、リトリート(後ろに下がる)ドリブルでセンターをバケットからさらに引き離し、ドリブルからセンターを打ち負かそうとした。
> アンダーソン:「ドリブルでアウトしたら、相手はどこまでついてくるか?ある時点でローテーションバックして、ガードが対峙する。」「するとゾーンが歪んでしまう。ハイポストでボールをキャッチする選手もいるが、そこでは1対1でプレーできない。マッチアップに問題があるか、そこでプレーできる選手をハイポストに置くことで、我々は成功してきた。」
> アンダーソンが指摘するもう1つの弱点はディフェンスリバウンドだ。シラキュースは過去5シーズン、ディフェンスリバウンド率でいずれも300位台。メリマックはD1での4シーズンのうち3シーズンで345位かそれ以下。
> 「しかし、ターンオーバーしてしまうと、オフェンスリバウンドのチャンスがなくなってしまう。」(アンダーソン)
> 最高のゾーンチームがオフェンシブグラス(OR)の弱点を補うのはここなのだ。シラキュースはまた、ファウルをほとんどせず、相手よりも頻繁にラインまで行く(フリースローを打つ)ことで、スコアをイーブンにした。メリマックは昨シーズン、ディフェンスのフリースロー率が低かったが、これは非常にアグレッシブにスティールを狙いにいったためであろう。
> ギャロ:「メリマックにとって最も問題なのは、あまり構造的でないプレーをするチームだ。」「自信に満ち溢れた連中が、淡々とプレイすることこそが、我々を一番苦しめている。」
> ギャロは、マイアミヒートが驚きのNBAプレイオフラン(2022-2023)において、ゾーンをプレーして成功するのを見て、めまいがした。NBAファイナル第3戦まで、ヒートはポストシーズンで284ポゼッションのゾーンをプレーし、1ポゼッションあたり許したのは0.923点だった。(マンツーマンで0.998)」
> ギャロ:「ほとんどのNBAチームがゾーンを使うものの、それはカーブボールのようなもので、スポットでミスを狙うものだ。」「マイアミがゾーンDに取り組んでいることは明らかで、多くの時間を費やしている。」
> ベイハイムは、エリートレベルで2つの異なるディフェンスをプレーするのは難しいと考えている。
「ジョン(トンプソンJr)がいた頃のジョージタウンは、毎日4時間半のディフェンス練習をしていた。2つのディフェンスをうまくこなせたチームはほとんどない。そんなに簡単なことではないんだ。」
> しかしヒートは、2種類のディフェンスをうまくこなすだけでなく、世界最高のシューティングチームの1つを相手にゾーンをプレーすることも可能だという希望を与えてくれた。セルティックスは昨シーズン、3ポイント成功数でNBA2位にランクされたが、5人のシューターがフロアにいた時でさえ、ゾーンは彼らに有効だった。
> ギャロは、このポストシーズンでヒートのゾーンポゼッションを再度見直し、活発に動きさえすれば、今日のゲームでもこのディフェンスが機能することをさらに強く感じたという。彼によると、ほとんどのコーチがゾーンから遠ざかるのは、”どこでおかしくなったか”を判断するのが難しいと考えるからだという。マンツーマンでは、非難されるべき選手が必ずいる。ギャロはゾーンでも同じだと考えている。彼が選手を採点するのは難しくない。
> ギャロ:「自分のポジションに責任を持たせている。」
> ギャロ:「もしミッドメジャー以上で仕事をすることになれば、ゾーンにこだわる。」「ピティーノがアイオナでゾーンをほとんど使わなかったのは、センターは車輪(ゾーン)の真ん中で全員に指示を出すものであり、そのポジションにその責任を果たせる選手がいなかったからだ。」「セントジョーンズでの今シーズン(2023-24)、彼は必要なコミュニケーションができる、昔のようなチームを持つことになる。彼のマッチアップゾーンも復活するだろう。」
> オートリーは、ファッションと同じように、バスケットボールの世界では全てが循環していると指摘する。かつてクールだったものが、クールでなくなり、またクールになる。コピーキャット(模倣)のスポーツなのだ。そして、NBAプレーオフでのヒートの成功は、このゾーンの復活を促すかもしれない。
> ピティーノ:「プレーオフを見ていると、あることが進化して、コーチが”あれならできる”と言うことがよくある。」「インディアナがボブナイトの時代にパッシングゲームを始めたのと同じだ。モーションオフェンスが大流行した。非常に効果的なものは何でも、テレビがそれをもたらし、みんながそれをやってみようとするんだ。」
以上、あまりに面白かったので、要約になりませんでした。すみません。。。
ですが、上の記事を読めば読むほど、
崎濱秀斗選手ほどジョーギャロのメリマックにフィットする選手はいないんじゃないか
と思うのです。
そして小さい選手が走り回る、メリマックのゾーンディフェンスは、日本の選手、コーチにとても参考になるのではないかと思うのです。
昨季、いくつかのメリマックのゲームを見ましたが、とにかくアグレッシブ(ゾーン、しかもハーフコートゾーンなのに!)。
隙あらばスティールを狙い、相手にはタフショットを強いる。もちろんスリーは打たせない。クローズアウトの速さが鬼レベル。
自らのオフェンスがなかなかスムースに運ばないのは難点でしたが、崎濱選手はこの弱点を補える。
彼の加入は、双方にとってパーフェクトフィットに違いありません。
あらためて、崎濱選手がコミットした際のXへの投稿を見てみましょう。
いくつかの大学から話があり、(まだ)シーズン前で、”待つ”という決断もあったのですが、メリマック大学のプ レースタイルであったり、練習を見に行かせて もらったときに、ハードワークしつつ、バスケットボールを楽しんでいるというところに魅了されて決断しました。コーチとも話していく中で自分が求めているバスケットとコーチが求めているバスケットが一致し、大学1年目から良い経験ができるなと確信して コミットすることを決めました。
崎濱選手の投稿
完璧!
怖いのは、HCジョーギャロが(より強い大学に)「栄転」すること。そして、その可能性は高い。それも近い将来。
もしそうなれば、崎濱選手も連れて行ってほしいところです。
さて、いくつか、参考となるものを置いておきます。
> この方も!ウィングによるバンプ *ジョーダンスパーバーさんは、ニューメキシコステイト時代の上司、クリスジャンズに請われ、再びD1の現場へ(ミシシッピステイト)。
> 崎濱選手がほれ込んだ(?)、メリマックのゾーンDプラクティス
> ディフェンシブ効率で全米4位! *ヒューストン、アイオワステイト、セントメリーズに次ぐ。
> 現地12月17日は@スタンフォード。スタンフォードに移ったカイルスミスとのチェスマッチ期待。 *来年もやってほしい。
<後記>
最後に、ネタとして”繋がり”みたいなものを書いておきます。
ますます増えるディビジョン1日本人。
崎濱選手に続く有望プレイヤーに期待です。
今オフに崎濱選手ともども渡米。NCAAコーチ向けのショウケースに参加した、関谷間選手。
彼は崎濱選手に続き、スラムダンク奨学生として来年渡米。今季は千葉ジェッツに所属し、ディビジョン1からのオファーを待ちます。まだ時間がありますね。(2026年秋に進学予定。)
崎濱選手よりも一回り大きなPGで、スコアリングも◎。D1濃厚。
そしてつい先日、メリマックにコミットした崎濱選手の同期となるインサイドプレイヤー、ディランビーレット。6-7と、D1では大きくないパワーフォワードですが、いかにもコーチ・ギャロが好みそうな彼は、セントジョージズスクール(SG)に所属。
この典型的なニューイングランド(ロードアイランド州ミドルタウン)のスクール、SGには、先日のFIBA U18アジアカップ日本代表として大活躍した、ベネディクト研一郎選手が所属。*BALLERtv
2008年生まれと若いベネディクト選手もまた、D1進学が予想されます。
*因みに、ビーレットの所属AAUは、優良プログラムとして知られるミドルセックスマジック。
> 公式チャンネル
このミドルセックスマジックは、今季からボストンカレッジでプレイするテーブス流河選手も所属したチームで、SG + ミドルセックスマジックの組み合わせは、マーケットから今年のNBAドラフトで2巡目34位で指名されたタイラーコレックと同じ。
昨年のU16アジアに続き、夏はFIBAイベントで忙しいベネディクト選手ですが、AAUはどこに所属するでしょうか。彼は順当ならClass of 2027。崎濱選手、関谷選手に続いての大学進学となるでしょう。
注目です。
それにしても、スリーポイント、そしてアナリティクスというのはバスケットボールを変えました。
ピックアンドロールの元祖、カールマローンがポップして、スリーポイントをぽんぽん打つのが今の時代。ユタジャズで18季(+レイカーズで1季)過ごしたメイルマンが現代でプレイするならば、生き残ることができたでしょうか。> 彼はほぼスリーを打たなかった。また、打つ必要もなかった。ですが、現代ではスリーポイントショットが不可欠ということになります。
シラキュース現HC、エイドリアンオートリーの言葉、
「バスケットボールはファッションと同じ」
が沁みます。
本投稿に誤りなどございましたら、ツイッターか下記にてご指摘いただければありがたいです↓