渡邊雄太選手のジョージワシントン、準々決勝進出
vsセントルイス
これがポストシーズンでしょうか。レギュラーシーズンのダウンザストレッチを5連勝で締めくくり、勢いのあった渡邊雄太選手のジョージワシントン大学(カンファレンス6位シード)でしたが、11位シードのセントルイス大学に大苦戦。
ボックススコア(ESPN)
前半10分のところで得点わずか4点と、最悪の出足。後半残り6分を切ったところでようやく同点に追いつき、そのまま逃げ切り。
ただゲーム後の暫定ヘッドコーチ、モーリス・ジョセフのコメント:「我々の強みはディフェンス」。言葉通り、お互い36%のフィールドゴールにもかかわらず、セントルイスに16のターンオーバー(GWは8)をさせたロースコアのゲームはジョージワシントンのテンポでした。
久しぶりの大きなニュートラル会場でのプレイのせいか、完全にシューティングが”凍って”しまったジョージワシントンの中にあって、牽引したのが渡邊雄太!18得点をあげ、最後はダンクでゲームを締めました。
コーチ、ジョセフも大絶賛。
一方で、シューティングに苦しみながらも16リバウンドをもぎとった4年生、タイラー・カバノーもさすがでした。
明日のカンファレンストーナメント準々決勝で待ち構えるのは3位シードのリッチモンド。
名門私立校で、チーム自体のバスケットボールIQが高いことで有名。
今季の躍進は大きなサプライズでした。堅実なバスケットボールはジョージワシントンとよく似たスタイルですが、カンファレンスの最優秀選手に輝いたTJ・クラインはじめ、攻撃力でGWを上回ります。今季2回の対戦は、ジョージワシントンの2敗で、スコアはそれぞれ70-77、75-84。
明日もお互い70点前後の接戦が予想されますが、カギはシューティングとディフェンス。
ジョージワシントンは今日のようなフィールドゴールだとまず勝てません。かつ、リッチモンドはオープンの、”良い”ショットをつくるのに長けているチーム。2度の対戦でそれぞれ許した高確率のフィールドゴール%(61.5、55.6)をどこまで低く抑えられるかがポイントになりそうです。
策はあるでしょう。
ヘッドコーチ解任で幕を開けたジョージワシントンのシーズンでしたが、合格点と言える成果を残したモーリス・ジョセフの肩書は、早々に”暫定”ではなくなるはずです。
ハイメジャーカンファレンス動向
ACC
あっという間にベスト4が出揃いました。
今季もう一つ波に乗れない人気校デューク(ACC5位シード)でしたが、4位シードのルイビルに81-77と、最大二桁あった差をひっくり返しての勝利。今年のデュークは「問題の(笑)」グレイソン・アレンと一年生スター、ジェイソン・テイタム、そしてルーク・ケナードのスコアリングトリオが当たり出すとノリます。
準決勝、宿命のライバル、1位シードのノースカロライナと今季3回目の激突。
カンファレンストーナメントでの対戦は2011以来。6年前はプラムリー兄弟やセス・カリー、カイル・シングラーを擁したデュークが、ハリソン・バーンズ、ジョン・ヘンソンにケンドール・マーシャルらのノースカロライナを退けました。
今回も、将来のNBAプレイヤーを多く抱える両スーパーエリートプログラムの対決に注目です。
ACCのもう一つの準決勝は2位フロリダステイトvs3位ノートルダム。ともにランク校の、こちらのカードも面白い!
ビッグテン
ビッグテンは8強が出揃いました。
軽い(?)アップセットは10位インディアナが7位アイオワを下したゲーム。ですが、これは番狂わせと言うほどではないでしょう。低迷したインディアナは、このトーナメント優勝によるNCAAトーナメント出場を目論見ます。
その他は順当勝ち。準々決勝は1位パデューvs8位ミシガン、2位ウィスコンシンvsインディアナ、3位メリーランドvs6位ノースウェスタンに、4位ミネソタvs5位ミシガンステイトのカード。
ここからは全くわかりません。今季のパデューの強さは頭一つ抜けていますが、NCAAトーナメント初出場がほぼ確定しているノースウェスタンなど、その戦いぶりに注目です。
今日話題になったのはミシガン。カンファレンストーナメントが行われているワシントンDCへ向かった飛行機が着陸時に事故。事故処理などの都合でユニフォームをベライゾンセンターに持ち込めなかったミシガンは練習着でゲーム。
これを着続けよう、というファンの声もありますが、NCAAルールでは違反(今日は特例)となるため難しいだろう、と。
ビッグ12
大荒れです。
トップシード校が今日の準々決勝から登場も、1位カンザスが8位テキサスクリスチャン(TCU)に、3位ベイラーも6位カンザスステイトにそれぞれアップセットを食らいました。
カンザスは1年生のスターフォワード、ジョッシュ・ジャクソンが不祥事発覚により出場停止。ただこの処置は1ゲームのみで、レギュラーシーズンを絶対的な強さで過ごした全米ランキング1位のカンザスは、このままMIDWEST地区1位でのNCAAトーナメント出場が濃厚。一方ベイラーにはよくない負け。MIDWEST以外での2位シード獲得に暗雲です。
BIG12セミファイナルのカードはTCU対4位アイオワステイト、カンザスステイトは2位ウェストバージニアと対戦。
パック12
ほぼ順当にベスト4決定。
準決勝は1位オレゴンvs5位カリフォルニア(Cal)、2位アリゾナvs3位UCLA。
今季、オレゴンはCalに2戦2勝。アリゾナとUCLAはそれぞれアウェイで勝利して1勝1敗。注目です。
SEC
こちらはようやくベストエイトが出揃った。
大きなアップセットは起きておらず、1位ケンタッキーはじめ上位シード校が準々決勝へ。
13位シードだった、シャキール・オニールやベン・シモンズの母校LSUが、成績不振によりヘッドコーチのジョニー・ジョーンズを解任。フットボール校ですが、バスケットボールコーチも年棒1億超えの大きなポジションです。後任に注目。
ビッグイースト
4強決定。
荒れてます。が、無風ではすまないと誰もが思っていたカンファレンス。
準決勝は1位ビラノバvs5位シートンホール。昨年の決勝と同じカード。昨年はシートンホールが優勝。
もう一つは6位クレイトンvs7位ゼイビア。それぞれ3位プロビデンスと2位バトラーを撃破。激戦必至。
アメリカンアスレティック
明日がトップシード校登場の準々決勝。
1位サザンメソジスト(SMU)は8位テンプルを下したイーストカロライナと、2位シンシナティは7位タルサ、3位ヒューストンは6位コネティカットと対戦。
出場校決定情報
Patriotペイトリオット:バックネル
12校目はバックネル。1位シードの面目を保ちました。ペンシルバニア州中部にある小規模校(リベラルアーツ)。ニックネームはバイソンで、NCAAトーナメント出場は4年ぶり7回目。最高成績は2005年と翌2006年のベスト32。
長らくCSKAモスクワで活躍、2006年と2008年にユーロリーグ優勝も果たし、ロシアに帰化して代表入りもしたジョン・ロバート(JR)・ホールデンはOB。
2018年に大学進学予定の日本人選手、テーブス海にオファーを出している学校の一つ。