NCAAバスケットボール2017-2018最新ランキング
AP通信による記者投票ランキングが始まった1948年以降70年もの間、シーズン中の1月が始まるまでに全勝校が消滅するのは初!
スターを集める有力校も、近年はONE&DONE全盛により1年生が主力。これにより、経験値の高い上級生が残る中堅校以下との差がますます小さくなり、アップセットは全く珍しくなくなっています。
*昨季の同時期はビラノバとベイラー、そしてゴンザガが無敗をキープしていました。
負けなしで、3週1位の座をキープしたビラノバが、アウェイでインディアナポリスのバトラー大学に93-101で敗退。恐ろしいほど決まったバトラーのスリーが15/22で68.2%。ビラノバは昨季バトラーにスウィープを食らっており、これで3連敗。しかし内容がそこまでひどいわけではなく、ランキング自体は3位に踏みとどまりました。
同じく全勝をキープしていたアリゾナステイトも、アウェイでアリゾナに敗戦。後半一時は二桁差をつけられながらも接戦に持ち込んだ、アリゾナステイトも順位はあまり落とさず4位。
さらにテキサスクリスチャン(TCU)。こちらはホームでオクラホマに逆転負け。完全にスターの地位を固めつつあるOUのフレッシュマンガード、トレイヤングに、39点・12アシストのパフォーマンスを食らいました。惜敗とは言え、ホームでの敗戦は評価を落とし、16位まで陥落。シビアです。
トップに躍り出たミシガンステイトは、サバンナステイトを撃破。今週はホームでメリーランド戦を残します。不安定ではありますが、バトラーを破っているメリーランドは要注意。
2位となったのはミシガンステイトに唯一の黒星をつけているデューク。ホームでフロリダステイトを何とか振り切ったデュークは、日本時間1月7日にアウェイでノースカロライナステイトと対戦。
今季から、UNCウィルミントンで結果を出した新コーチ、ケビンキーツが着任しているNCステイトも不安定ではありますが、アリゾナ撃破の実績。アウェイですし、デュークは難しい戦い。
ビラノバも同7日にホームでマーケット戦。勝って調子を戻したい。
アリゾナステイトはアウェイでコロラドと。
TOP25ランキング入れ替わり:ベイラーとクレイトンがout、アーカンソーとクレムソンがin
ケンポンランキングの1位は引き続きビラノバ。2位にミシガンステイトで、3位にパデューが入ります。AP13位のパデューですが、アリゾナ、ルイビル、そしてバトラーに勝利。2敗はテネシーとウェスターンケンタッキー。スコアリングマージン+23で全米3位。eFG%58.9が全米9位で、相手のeFG%43.4は全米12位と相変わらず堅実。無冠の強豪校パデューはとにかくトーナメントで勝負弱い。1980年以来、38年ぶりのファイナルフォーを目指します。
Game of the week
ビラノバ93-101@バトラー
バトラーも前コーチがオハイオステイトに引き抜かれたばかり。やや力が落ちるシーズンとされましたが、さすがのアップセット。映画「フージャーズ」の舞台ともなったホーム、ヒンクルフィールドハウスもまた、アウェイチームが非常にプレイしづらいジム。そのキャパシティ9,100人に対し、9,244人を飲み込んだビッグゲームでした。
NBAドラフト2018に向けた注目選手
コリンセクストン(アラバマ大学1年生、6-3、86kg)
トレイヤングに次ぐNCAAのスターガードはやはり1年生。ここまで20.1ppg。デイミアンリラードに比べられる、マルチな攻撃型プレイヤー。やや細いとはされますが、フリースローアテンプト平均9.08と、FT成功数平均7.17は、それぞれ全米6位と5位。フリースローは試投、成功数ともに、今後ますます重要視されるはずの数字です。成功率789は、この試投数ならば致し方なしか?
NCAAバスケットボールにおける日本人、日本所縁の選手所属校の動向
ジョージワシントン大学と渡邊雄太
ホームでのアトランティック10カンファレンス開幕戦、vsセントジョセフを70-64で勝利。今季低調のセントジョー相手ながら、終始リードを奪う、幸先の良い出足。通算8勝6敗。
渡邊雄太はゲームハイ38分の出場で、チームハイの18点。加えて9リバウンド。
スリーポイント3/5で、フリースローは3/3。まだまだ向上できる数字ですが、相変わらずフル回転の、平均出場時間37.36分が全米7位。
そして特筆されるべきは、ガードでありながら平均1.93本のブロックショット。カレッジの優秀なショットブロッカーのほとんどがフォワード/センター登録ですから、これは特異なポイント。
今週は難しいゲームが2つ。日本時間4日に、アウェイ・ピッツバーグで今季好調のデュケイン戦。そして同7日はA10の優勝候補、琉球ハッサンマーティンの母校、ロードアイランドをホームに迎えます。
最低でも1勝1敗!
ゴンザガ大学と八村塁
ゴンザガもWCCカンファレンスゲームが開幕。いずれもホームで、パシフィックとサンタクララを、81-48、101-52で一蹴。通算12勝3敗。
八村塁は、パシフィック戦でゲームハイの19点、サンタクララ戦で11点。ベンチから、堅実な貢献。
八村もフリースローが相変わらず素晴らしい。34/37で成功率91.9%は全米で28位という驚異的な数字。昨季が13/24で、54.2%ですから、完全に「慣れた」と言えるでしょう。
ビッグゲームでのパフォーマンスに期待。
ゴンザガの今週はいずれも南カリフォルニアでのアウェイゲームで、日本時間1月5日にペッパーダインと、同7日にロサンゼルスのロヨラメリーマウントと対戦。2勝は堅い。
同12日、ホームでのポートランド戦はタヒロウとの対決。以降、14日の@サンフランシスコ、19日のセントメリーズ(SMC)戦が注目。
ジョージアテックとシェーファーアヴィ幸樹
ノンカンファレンスゲーム、vsコッピンステイトを76-62でやぶりましたが、ACC開幕戦、@ノートルダムは59-68で敗戦。通算6勝7敗。
アメリカ一タフとも言えるアトランティックコーストカンファレンス。今週は日本時間4日、ホームに15位マイアミ(フロリダ)を迎えます。ジョージワシントンの敵討ちなるか。続いて最後のノンカンファレンスゲーム、ホームでvsイェール。
出場機会がないシェーファーアヴィ幸樹選手ですが、イェール戦には期待。
ポートランド大学とタヒロウディアバテ
ポートランド・パイロッツもWCCゲームスタート。いきなり難敵で、ホームのサンフランシスコ戦、アウェイのブリガムヤング(BYU)戦を、45-69、61-84で落としました。通算6勝9敗。USF、BYUとも、ゴンザガを脅かす存在。この2敗は仕方なし。
タヒロウはBYU戦で3点・3リバウンド、サンフランシスコ戦は6点・2リバウンド。いずれもベンチスタートでした。
今週は、日本時間1月5日にホームでvsサンディエゴ、同7日にアウェイでサンタクララ。サンタクララには勝ちたい。
ピマコミュニティカレッジ(NJCAA)と榎本新作(アイザイアマーフィー)
クリスマスにゲームのなかったピマCCは、年末にブルースフレッククラシックというイベントをホストして3戦全勝。通算12勝1敗と強い。
全米6位(NJCAAディビジョン2)だったランキングも更なる上昇を期待。エースの一角を担う榎本新作は、ここまで16.3ppg。フリースロー%70.4が少々気がかり。
(日本人)学生マネージャーについて
さて、今回はNCAA、NJCAAにおける学生マネージャーについて。
↑榎本新作が所属する、ピマコミュニティカレッジのマネージャーが奨学金を得たというツイート。
日本ではもちろん、アメリカでもなかなかスポットライトが当たらない学生マネージャーですが、近年、デューク出身の名物アナリストジェイ・ビラスが、その各校マネージャー同士で行われるManager gameを特集。脚光を浴びつつあります。
日本人でも主にコーチ志望の方が学生マネージャーとして活躍されてきており、Bリーグ・アルバルク東京のアシスタントコーチ、森高大さんは強豪ウェストバージニア大学で活躍。2015年のNCAAトーナメント出場など、得難い、貴重な経験を積まれています。
森コーチのウェストバージニア大学時代のブログより→マネージャーについての記事*必読ですね
ディビジョン1校バスケットボールチームで、その数は10名前後でしょうか。基本的に学生アスリートではない一般学生であり、まず学業が大変。そしてコーチと選手がゲームと練習にフォーカス出来るように科せられる激務。遠征、食事の手配から、ユニフォームの洗濯、シューズなどのメンテナンス・・・。加えて、コーチ陣並みのバスケットボールの知識(特にルールに精通していることが必須とされる一方、コーチとしての活動や、ドリルやスクリメージへの参加はNCAAにより禁じられています)。さらに近年ますます重要視されているスタッツ。ビデオコーディネイト含め、テクノロジーの分野においても幅拾い知識が要求されます。
このハードな日々をもちろん無給で過ごし、選手と違って全員に全額奨学金という訳にもいきません。
それでも、得られるコネクション含め、バスケットボールコーチを目指す人には憧れのポジション。ますます競争率は高くなっており、特にハイメジャーの学生マネージャーにはなかなかなれないのが現状です。
アメリカでも競争率が高い学生マネージャー。早くからコーチを志す方は、高校・プレップスクールへ留学の上、大学進学を目指すのも一つの手かもしれません。
先日、超名門プレップスクール、バージニア州のオークヒルアカデミーの日本人マネージャーの方が紹介されていました
→こちら
*オークヒルは年末にポートランドでの招待イベントに参加。その際ナイキのヘッドクォーター(ワールドキャンパス)を訪れ、この敷地内にある日本庭園での撮影となったようです。
一緒に写っているオークヒルのヘッドコーチ、スティーブ・スミスはついに、2018年バスケットボールホールオブフェイム入りにノミネートされました。
*なぜナイキHQに日本庭園か、という点はこのあたりの本を。面白いです↓
それなりの強豪高校・プレップでのマネージャー経験があれば、NCAAハイメジャーにおいても大きなアピールになるのではないでしょうか。もちろん経済的な問題などはクリアする必要があるでしょうけども。
以下、参考。
・ジョージワシントン大学の、マネージャーから選手となった170センチ、ジャックグランジャー
・ゼイビア大学の学生マネージャー↓
・マネージャーゲーム(フロリダステイト)。皆、相当うまい↓
・能代工業の黄金期を築かれた加藤廣志氏は、著書の中で「能代工業ではマネージャーが一番偉い」と。納得です↓
<追記>
良いタイミングで(笑)、ついにマネージャーチームのランキングが初めて発表されました。ここまできた、という感じです。1位はノースカロライナ大学シャーロット校↓