ナイキ。
一番好きなスポーツブランドを聞かれたら、相変わらず「NIKE」と答えます。
SHOE DOG(シュードッグ)は、ナイキの創業者であるフィルナイトの自叙伝であり、ビジネス書大賞2018で大賞に輝くほど、”ビジネス”色の強い本ではありますが、バスケットボールに関する記述も多く、ナイキファンは必読と言えるでしょう。(いまさらですが)
今回は、ナイキファンとNCAAカレッジバスケットボールファン。
両方の視点で、SHOE DOGに描かれている、個人的に面白いと思った箇所を抜粋します。
SHOE DOG -靴にすべてを。
バスケットボールでもスポーツでもなく、ほぼビジネスのこと。
そしてナイキの創業者であり、著者である、フィルナイトの人生を振り返った1冊です。
私の母校キャンパスにあるスターバックスの店内には、テーマごとに書籍が並べられており、その”起業家コーナー”に置かれてありました。
ですが、、、
「これ読んで、こんな人生、こんな会社を作り上げたい!なんて思う若者いるのか?」
というのが読後の感想です。
苦難の連続。
それほど、壮絶な会社人生だと感じました。
ナイキと、NCAAカレッジバスケットボール
特に楽しく読めたのは、NCAAバスケットボールに関する記載です。
以下に、抜粋します。
ナイキはNBAプレイヤーたちと契約し、バスケットボールシューズの売れ行きは右肩上がりだったが、カレッジチームとの提携はほぼゼロだったのだ。母校のオレゴン大学とも契約していないなど、考えられない。
435ページ
先に契約を進めたのは、NBA選手だったのですね。と言っても大昔。マイケルジョーダンさえ登場していない時代です。
アーカンソーのエディサットン、テキサスのエイブレモンズ、UNLV(ネバダ大学ラスベカス校)のジェリーターカニアン、サウスカロライナのフランクマクガイア(私は椅子から飛び起きた。マグワイアはレジェンドだ。彼はウィルトチェンバレンがいるカンザスを打ち負かして、ノースカロライナに全米優勝をもたらした)。
しかも、おまけとして2人の有望な若者の名を挙げた。アイオナのジムバルバノとジョージタウンのジョントンプソンだ。
437ページ
皆さん、故人ですね。寂しい。バルバノとジョントンプソンがおまけ!?
私たちはさっそく記者会見を開き、ナイキがこれらの学校と契約したことを発表した。だが、記者に配ったプレスリリースに誤植があり、アイオナが”アイオワ”となっていた。アイオワのコーチのルートオルソンがすぐに電話をかけてきて、怒り心頭だった。私たちは謝罪して、翌日訂正したものを送ると言った。
すると彼は静かになった。「いやいや、待ってくれ。・・・・・・。」
438ページ
興味深いのは、このオルソンにしろ、オレゴン大学のディックハーターにしろ、悪く言えば”がめつい”こと。
日本の、例えば高校野球の監督だとこうはいかないでしょう。
アメリカではがめつくて当たり前。
お金を求めても非難されない。
オルソンはアイオワ時代からナイキ契約。ブラック×ゴールドカラーのDUNKが懐かしいですね。
そこからバスケットボール不毛と呼ばれたアリゾナに移り、就任前までわずか3回のNCAAトーナメント出場だったプログラムを、世界的に有名な強豪に変貌させました。
アリゾナは今も昔も、ナイキのチーム。
マシューナイト
読んでいて苦しくなったのは、フィルナイトの息子さんマシューの話。
成功しすぎた父の下に生まれた苦悩が描かれています。
スキューバダイビング中の事故により、わずか34歳で他界。
現在のオレゴン大学バスケットボールのホームには、彼の名が冠されています。
これ読んで起業したくなる?本当に?
と思った凡人の私ですが、、、
これを読んでも「やってやろう!」と考える者がいるんでしょうね。
器の違いか。。。