長らく批判を浴びてきた、NCAAによる富の”独占”。
今季、NCAAにおいて、NIL(Name、Image、Likeness)というものが解禁されます。
州法によって、まだ完全に統一されているわけではありませんが、バスケットボール選手を含めたNCAA学生アスリートが、これまで禁じられてきた”報酬”を、ついに手に入れることができるようになりました。
※競技をプレイすることによる対価を得るものではありません。
NCAAスポーツ選手は本当に不遇なのか???
NILはまだまだ動き始めたばかりのものであり、混乱は必至ですが、その前に、、、
本当にNCAA学生アスリートたちは「不遇」「不当な」扱いを受けているのでしょうか???
VCU(バージニアコモンウェルス大学、ディビジョン1)のサッカーチームに所属する日本人選手、平井一徹選手が先日アップロードした動画をご覧下さい↓
これはNILと関係がありません。
ずっとずっと以前から、NCAA学生アスリートは、ウェアやシューズの支給、専用ロッカーなどの恵まれた環境を与えられてきました。(競技により格差はあり)
これに加えて、年間数百万円の奨学金(ウォークオンと呼ばれる選手は支給されない)。
本当に、NCAA学生アスリートは「不遇」だったのでしょうか???
NCAAカレッジバスケットボール選手は本当に不遇なのか???
NCAAスポーツの中においても、フットボールと男子バスケットボールはスペシャル!!
これも周知の事実です。
ゴンザガ大学バスケットボールの施設↓
アンダーアーマーから、ジョーダンブランドにプロバイダーが変更されたUCLA↓
バスケットボールチームはジョーダン。ナイキのロゴ(スウッシュ)となる競技もあります↓
昨季から、YouTubeに動画をアップしていたジェイレンクラーク(次期2年生)↓
稼ぎ始めるNCAAバスケットボール選手!!!
NIL解禁(7月1日)直前にアップされたクラークの動画↓
では、まだまだ”マイナー”な、例えば女子バスケットボールはどうなるのでしょうか?
下の動画は、フレズノステイトの双子姉妹、ヘイリーとハンナ、カビンダーです↓
カビンダー姉妹は揃ってチームの中心ではありますが、、、フレズノステイト女子はそのヒストリーをさかのぼっても、NCAAトーナメント出場はわずか7回。それも全て、1回戦敗退です。
ミッドメジャーの、決して強豪とは呼べないチーム。
ですが、、、
カビンダー姉妹の、TikTokのフォロワー数は、、、350万人!
上の動画は、この人気ぶりに目を付けた通信会社、「ブーストモバイルが姉妹とパートナーシップを結んだ」という内容です。
→詳細:ブーストモバイルは、複数のNCAAスポーツで数百人のアスリートと契約??!!
*メッタワールドピースやバロンデイビスが協力??!!
途方もないです。
マイナースポーツの、無名選手でさえも、様々な手法を駆使できます。
このようなことが、7月以降、次から次へと起こっています。。。
※ただし、繰り返しますが、NCAAや大学がゲームのチケット報酬などを選手とシェアするわけではありません。選手個人の"NIL"を利用した経済活動を認める、ということです。
※NCAAによる選手の経済活動規定に反し、NBA・Gリーグイグナイトや、OTE(オーバータイムエリート)が出現したわけですが、このタイミングでNIL解禁。外圧によるところも大きいですが、やはりスター選手を渡したくない(収益獲得を続けたい)思惑もあるように感じます。
NILについては、今後も動向を追って投稿するつもりですが、最後にもう1つ動画を。
このUber(タクシー)ドライバーは、マットステインブルック。
ウェスタンミシガンと、ゼイビア大学で活躍した、6-10のビッグマン。
ゼイビアの大学院時代もプレイした彼は、同大学でプレイする弟(ティム)の奨学金枠を空けようと、自らの枠を放棄。大学院の学費を、Uberドライバーの稼ぎで充当したのです。※こちらの記事にあるとおり、院の学費は安め。それでも150万円ほどですが。。。
もしもこの時、NILが解禁になっていれば、、、ステインブルックはどのように学費を稼いだでしょうか。
・・・
*ステインブルック兄弟は、ゼイビア時代に、Bリーグでプレイするショーンオマラのチームメイトでした。ちなみに、クリーブランド郊外の出身高校は、これも来日組、ジャワッドウィリアムズと同じです。
<追記>
NIL解禁で、バスケットボール界はどうなるか。
とりあえず、ロスタインのツイートを。