お酒が飲めないのでつまらないとの声もあるが、バスケットボール熱は高い州と言える。
Salt Lake CIty(ソルトレイクシティ)
ノースウェストと統合して、世界一の航空会社となったデルタ航空が成田から直行便を飛ばし始めた!非常に便利。*NBAジャズのホームの旧名称がデルタセンターというだけあって、ソルトレイクシティ空港はデルタのハブ。陸の孤島とも言える都市で、他の大都市と車で往来するのが難しい。ラスベガスで約9時間。東のデンバーへは10時間強。アイダホ州ボイジへは5時間。
ユタ・ジャズ
”ジャズ”というニックネームそのままに、ニューオーリンズ・ジャズがNBAへ参加したのは1974年。伝説的なプレイヤー、ピート・マラビッチが所属したが、成績はふるわず。
わずか5年後の1979年にソルトレイクシティへ移動。その年にはUCLAから7-4のセンター、マーク・イートンをドラフト。
翌1980年、その年のNCAAチャンンピオン、ルイビル大学より、”ドクター・ダンケンスタイン”の異名をとった怪物ダンカー、ダーレル・グリフィスを獲得した。
さらにトレードで得たエイドリアン・ダントリーなどが在籍したが、球団最大の功績は1984年と’85年。ジョン・ストックトンとカール・マローンを指名したこと。最高成績である1997年と’98年の準優勝をハイライトに、’84年から2003年までの実に19年間、プレイオフに出続けた。ただ残念ながら、タイトル奪取には成功していない。
1988年から20年以上指揮をとったジェリー・スローンは、今日のNBA(ビジネス化が加熱するNCAAを含めても)では稀有な存在。選手の育成、地位の確立の方法を心得ており、金銭だけに頼らない球団運営への評価は高い。現コーチ、タイロン・コービンはシカゴのデポール大学出身で、学生時代に来日経験あり。
ソルトレイクシティもポートランドと同じように他のメジャースポーツチームを持たないので、ジャズの人気は高い。観戦難易度は97.3%(全体11位)。アウェイでは89.9%(12位)まで下がる。2万人近く入る、エナジーソリューションアリーナ(旧名称デルタセンター)は1991年からの使用。
↓一般的なNBAチームのアリーナと同じく、ダウンタウンのロケーション。
ユタ大学ユテス
カレッジはユタ大学ユテス(University of Utah Utes)。
ジャズに負けない地元の人気校で、キース・バン=ホーン、アンドレ・ミラーにアンドリュー・ボガットなどを輩出。
1998年にミラーを軸にNCAA準優勝。トム・チェンバースもOB。1944年には優勝している古豪。そしてその優勝メンバーの一人が伝説の日系人プレイヤー、ワット・ミサカ。
15,000人収容するホーム、ハンツマンセンターは度々NCAAトーナメントの会場となる立派なアリーナ。キャンパスは広大で美しく、国立森林公園のそばにある。
ハイスクールはぱっとしない。バン=ホーン、ミラーはともにLAエリアの出身で、’98のもう一人のヒーロー、マイケル・ドリアックはポートランド出身。ボガットはご存知の通りオーストラリアからの留学生。
Provo(プロボ)、Orem(オレム)
ソルトレイクシティからフリーウェイ15号線を南下すること40分ほど。プロボもモルモン教徒が建設した町であり、その名もブリガムヤング大学(Brigham Young University BYU)クーガースの所在地。
オレムはプロボの北隣の町で、ともにLake Utah湖畔の、美しく、小さな田舎町。
ブリガムヤング大学(Brigham Young University,BYU)クーガース
まずBYU。現在はゴンザガなどと同じウェストコーストカンファレンス(WCC)所属。最も有名なOBはセルティックスGMのダニー・エインジか。ほかに巨人、ショーン・ブラッドリー。
ホームのマリオットセンターは1971年建設と古いものの、22,700人収容はESアリーナを上回る、西部随一の巨大アリーナ。長らく低迷中だったが、そろそろ強くなってきたので観戦は今のうち?
ユタバレーステイト大学ウォルバリーンズ
オレムは最近Utah Valley State CollegeからUtah Valley University(UVU、ウォルバリーンズ)と改名した新興校の所在地。
女子日本人プレイヤー、中山明日実選手が所属していた。歴史が浅いとはいえ、中山選手はスクールのアシストとスティールのレコードホルダー!
キャンパス内のホーム、マッケイセンターは収容8,000人と立派なもの。チケット入手は容易。
Ogden(オグデン)
ウェバーステイト大学ワイルドキャッツ
一般的には「は?」な町だが、ウィーバーステイト(Weber State University)という渋い学校の所在地。ソルトレイクシティから、フリーウェイ15号線を北上すること40分ほど。
このWSUワイルドキャッツのホーム、ディーイベンツセンターが、しばしば3月のNCAAトーナメントの会場になる。ビッグスカイカンファレンス所属の、なかなかの強豪校。
OBは何といっても2013年の新人王、ダミアン・リラード!NCAAトーナメントは別だが、WSUのゲームは楽々観戦できる。ちなみにユタ大学でNCAAタイトルまで獲得した日系人プレイヤー、ワット・ミサカはオグデンの出身。*もともと短大であり、ミサカはこのWSUからユタ大学に編入した、両校のOBとなる。
Logan(ローガン)
ユタステイト大学アギーズ
オグデンからさらに15号線を北上。インターステイト沿いに町がないので、ソルトレイクシティからなら2時間強かかる。ローガンはアイダホとの州境に近い町。紹介しているユタの町について田舎、田舎と書いているが、その中でも最も田舎。人口わずか数万人。が、立派な大学、立派なバスケットボールプログラムを持っている。
↓ユタステイト(Utah State University)アジーズはおそらく全日本より強いチーム。
そしてアメリカでは珍しいことでもなんでもないが、3万人入るフットボールスタジアムと1万人入るアリーナを所有。バスケットボールのホームはDee Glen Smith Spectrum。
現在の所属カンファレンスはマウンテンウェスト(MWC)。UNLVやネバダ大学(リノ)、ニューメキシコ、それにサンディエゴステイトなどと同じ。
学生数が1万人を超える上に、田舎で他に娯楽がないのでチケット入手は甘く見てはいけない。成績が安定しているのでファンはかなり熱狂的。田舎とはいえ美しい町かつ、USUは良いチーム。観に行って損はない。