ブラケット
リージョナルファイナル結果
7位サウスカロライナ 77-70 4位フロリダ
比較的アップセットは少ない感覚で進んだ2017年のNCAAトーナメントにあって、荒れに荒れたEastを制したのはサウスカロライナでした。今年のシンデレレラチーム。10敗を喫し、SECカンファレンスでは4位(タイ)。カンファレンストーナメントでもアラバマにアップセットを食らったゲームコックスが、ゴンザガ同様、史上初のファイナルフォー進出です。
同じSECカンファレンスのフロリダとの対戦となったこのゲームも、サウスカロライナは劣勢が予想されていましたが、リードチェンジを繰り返す激戦を展開すると、残り4分でわずか3本の野投成功に終わったフロリダを退けました。EastリージョナルMVPは、この日26得点をあげた6-5のエース、シンダリアス・ソーンウェル。
サウスカロライナ・ゲームコックス
州都コロンビアにキャンパスがあり、ニックネームは闘鶏。NCAAトーナメント出場は今回が9回目。日本での知名度はほとんどないのではないでしょうか。かつてノースカロライナ大学でNCAA優勝を果たし、あのディーン・スミスの師でもあったフランク・マクガイアをコーチに擁しながら、これまでファイナルフォーはおろかエリートエイトもゼロ。ことごとく”ノース”の陰に隠れてきた”カロライナ”大学です。
それでも何とか強化すべく大学が力を入れていたのは間違いなく、2002年にオープンしたホーム、コロニアルライフアリーナは収容18,000人の立派な器。ヘッドコーチも度々入れ替えており、現在のフランク・マーティンは2012年の着任でした。マーティンは元々マイアミエリアの高校バスケットボールを率いていた人物で、教え子にユドニス・ハスレムやスティーブ・ブレイク。前任地カンザスステイトでHCデビューを果たしており、現ウェストバージニアHCのボブ・ハギンズの弟子にあたります。”マーティン以前”同様、リクルートには苦労してきましたが、今季の躍進は快挙。これにより、選手は集まり始めるでしょう。
(*ともにNBAフランチャイズを持つ、北隣ノースカロライナと南隣ジョージアに挟まれたサウスカロライナ州は、あまりスター選手を生み出す土地ではありません。それでもレイ・アレンをはじめ、レイモンド・フェルトン、トレバー・ブーカーやクリス・ミドルトン、古くはラリー・ナンスやタイロン・コービンなどを出していますが、州内ライバルのクレムゾンなど、ことごとく他校に選手を奪われてきました。入学寸前までいきながらプロに進んだジャーメイン・オニールの獲得失敗も痛かった。)
主な大学OBは、プエルトリコ代表でもあったレナルド・バークマンや、殿堂入りもしているスコアラー、アレックス・イングリッシュに、NBAでコーチとしても知られたマイク・ダンリービー(現テュレーン大学ヘッドコーチ)。
<追記>
サウスカロライナ(USC)は女子が強い。2008年にヘッドコーチに着任した元スター選手のドーン・ステイリー。フィラデルフィアのストリートレジェンド(!)でもあった彼女はバージニア大学の出身で、先日新たにアメリカ女子代表ヘッドコーチに選ばれたほどの人物。
女子チームもファイナルフォー進出を決めており、MEN'Sよりも早い、現地3月31日にセミファイナル、同4月2日にファイナルが行われる。出場はUSCのほか、スタンフォードとミシシッピステイトに、最強コネティカット。会場はダラスのアメリカンエアラインズセンター。