NBA・Gリーグの「大きな変化」
「変化」が進みます。
インパクトが大きかったのは、このフィリピン系アメリカ人、ジェイレングリーンが、学年1位評価の選手であることと2021年NBAドラフトでの1位指名有力候補であること、そして、行き先がこれまでのオーストラリア(テレンスファーガソンやブライアンボウエン、RJハンプトン、ラメロボールなど)や中国(エマニュエルムディエイ)などの海外プロリーグ(イタリアにブランドンジェニングス)ではなく、Gリーグであること。
なぜこれまでGリーグでなく、アメリカ国外に出る必要があったかというと、それはやはり、Gリーグの安い給料(”上昇中ではありますが”日本円換算で約350万円。*2018-2019シーズン)が問題でした。
>Gリーグに非常に詳しい方による記事です。わかりやすいのでおすすめです。
*”NBAと行き来ができる”2way契約である渡邊雄太選手でさえも、、、この金額。
もちろん、「NBAに近い場所でプレイする方がCMなどによる報酬が大きくなる」はずですが、単純にバスケットボールをということであれば、Bリーグでプレイした方がはるかに多く稼げるはずです。
一方で、八村塁。個人的に、2人にここまでの差はないと思うのですが、これが現実ですね。。。
今回、「大きな変化」がありました。
それがProfessional Pathway Program(プロフェッショナルパスウェイプログラム、記事はスポイラのもの。)です。
ポイントは3つ。
まずサラリー。これが最低、約5000万円以上(!)。
2つ目が新しいクラブの設置。南カリフォルニアを本拠地とし、グリーンのような高校生と、”メンターシップのために”NBAベテランで構成される(!)と。
最後が、(見過ごされがちですが)NBAと提携したアリゾナステイト大学の奨学金をフルで受け取れるという点。
大きな変化です。
予想されてきたことでがありますが、これにより、オーストラリアNBLの"Next Stars"などのプログラムは意義を失うかもしれません。高校を卒業したばかりの若い高校生がアメリカ国内にとどまることができ、NBAに近い場所で、NBAドラフトを待つことができるからです。
同じように、ミシガン大学への進学をデコミット(取りやめ)し、プロ入りを表明していたESPN学年13位評価のアイザイアトッドや、同68位、注目のフィリピン人ビッグ、カイソットなどが、グリーンとともにGリーグの新チームでプレイすることになるだろうと言われています。
ただし、このプログラムがきちんと機能するかどうかは疑わしく思われている面もあり(自分もそう思います)、まだ手探りの段階であることも事実です。
アンファニーサイモンズ(ポートランドトレイルブレイザーズ)
大学をスキップしてNBA入りした選手。
ジェイレングリーンとはたどった道が違いますが、ポートランドトレイルブレイザーズのアンファーニーサイモンズのことは気になっています。
ザイオンウィリアムソンらと同じClass of 2018で9位評価のサイモンズは、フロリダ出身のコンボガード。ルイビル大学への進学を決めていましたが、リックピティーノが絡んだスキャンダルにより、取りやめ。高校時代にモントバードやIMGなど、転校を数回していることから、2018年のNBAドラフトエントリー資格を得、1巡目24位でポートランドから指名を受けました。
揃って30歳を迎えようとしている、ブレイザーズのスーパーバックコート、ダミアンリラードとCJマカラムのバックアップとして期待がかかります。
スタッツ上は伸びていますが、、、まだまだ。時間が必要なようです。
今回、Gリーグには新たにクラブが設置されますが、NBAの「枠」が増えたわけではありません。育成は、引き続きの課題と言えます。
NCAAカレッジバスケットボールは・・・
そしてNCAA。カレッジバスケットボール。
「とてつもなく儲けているのだから、いい加減学生選手に分配しろ」「変革せよ」と、散々批判され続けてきましたが、、、
簡単ではありません。
批判する側も、文句ばかりで具体的な策の提案はほとんどありません。
そもそもワン&ダンルールはNBAの定めたルールであって、NCAA側はドラフトエントリーに規制はかけていません。代理人を雇い、プレイする見返りに報酬を得ることを禁じているのみです。
4000人以上いるディビジョン1バスケットボール選手のほとんどは、奨学金により無料で高等教育を受けられ、学校によってはプロ並みの施設・指導の下でプレイできる環境に満足しています。
このあたりの学校の環境はあまりにも特別過ぎますが、、、このチャンネルもおすすめです。🤤が出ます(笑)↓
バスケットボール以外にも多くのスポーツを抱えるNCAAに、「変われ」と言うのは簡単ですが、無理があると思います。
たしかに、NCAAと大学は稼いでいます。
そもそも、稼いで良いのでしょうか?
よく似ているとされる、日本の高校野球はどうでしょうか?
稼いではいけないのでしょうか?(”本気を出せば”、もっともっとお金が動くはずです。)
単に、お国柄による違いでしょうか?(でも、”プロ”に近い監督を擁する野球名門校は少なくないですよね。)
高校球児にお金を、という議論は起こるべきではないのでしょうか?
→こちらはスタジアムの記事
カレッジバスケットボールの、(高校野球も)「本質的な価値」は変わらないと思います。*もちろん、”汗と涙”といった類のものではありません。
スーパースターがいないからと言って、高校野球の人気が大きく衰えるでしょうか?
NCAAディビジョン1カレッジプログラムは、NBA選手を育てることができなくなるでしょうか?
そんなことはない、と思います。