タイロン”マグジー”ボーグス
彼は小さいバスケットボール選手の希望の星
これは絶対見ます!
まさに「奇跡のレッスン」だと思います。
中学から大学まで、部活を通して10年バスケットボールをプレイしました。
10年間、ずっとポイントガードでした。
大学のときで5-7。170㎝。先輩に小さい選手がいましたが、後輩は皆大きく、4年生のときにはチーム最低身長。
180㎝超えのPGなんて当たり前でしたから、よくポストアップされました(泣)
中学の時は160㎝くらい。
親も含めて、周囲の人は「バスケは身長が高くないと無理」とか普通に言ってたし、当時憧れていたロサンゼルス・レイカーズのPG、マジック・ジョンソンは206㎝とかもう人間じゃないし、、、
10年間バスケットボールを続ける中で、(牛乳飲んだりしたけど)なかなか身長が伸びなかった僕は逆に、「小さい選手が生き残る術」を探していました。
1986年。高校生の時に月刊バスケットボールを読んでいたら、スペインでの世界選手権の記事がありました。
「前年、神戸ユニバーシアード決勝で、221㎝のアルビダス・サボニス率いる(旧)ソ連に劇的なスリーポイントショットで敗戦したアメリカ。このマドリッドでの世界選手権決勝で再戦。またも僅差リードするもソ連が猛追。また神戸の再現か、と思われたが、今回のアメリカには役者がいた。160センチのリトルビッグマン、タイロン・ボーグスが巧みなボールハンドリングで逃げ切り、NCAAオールスターのアメリカ代表が優勝」という内容でした。
↓決勝の動画は削除されていたのでこちら
翌1987年NBAドラフトで、ボーグスは1巡目12位で指名され、NBA選手に。
160センチのNBA選手!
小さくてもできる。
単純に、希望の星でしたね。
プレイぶりはもちろん、ボーグスのことは色々調べました。
出身はメリーランド州のボルティモア。
ポウル・ロウレンス・ダンバーという、公立高校で伝説的なチームを率いて大活躍。大学はノースカロライナ州の強豪、ウェイクフォレスト大学へ。
ダンバー高校時代のことについては、数年前アメリカのSLAMマガジンで特集が組まれました↓
簡単に言うと、決して恵まれた環境に無い選手たちが集まったこの高校が、全米王者級の快進撃を見せたということ。
後のNCAA、NBA選手が集合した当時のチーム。
真ん中前がボーグス。その後ろがジョージタウン大学に進み、ボーグスと同じ1987年NBAドラフト組(1巡4位)のレジー・ウィリアムス。
ウィリアムスの左。ボストンのノースイースタン大学に進学し、やはり1987年、22位でボストン・セルティックスに指名された、故レジー・ルイス。
彼らの1こ上にはウィリアムスと同じく、ワシントンDCの名門ジョージタウン大学からNBAに進んだデビッド・ウィンゲイト↓(1986年NBAドラフトで2巡目44位指名)
ダンバー高のニックネームは「Poets」。そのまま「詩人」。著名な黒人詩人、ポウル・ロウレンス・ダンバーに因みます。
ボーグスらの活躍もあって、ダンバーは強豪校へ。後にはサム・キャセールなども輩出します。
今から20年ほど前。
NCAAバスケットボール好きの僕は、ノースカロライナを訪ねました。シャーロットにNBA球団がありますが、やはりこの州はカレッジバスケットボール。ノースカロライナ大学、デューク大学、ノースカロライナステイト大学と、ウェイクフォレスト大学。同じACC(アトランティックコーストカンファレンス)というリーグに所属する4校は"BIG4"と呼ばれています。
ボーグスはウェイクフォレスト大学時代、1年生時こそNCAAベスト16に進みますが、残り3年はNCAAトーナメントに出場さえできず。それでも孤軍奮闘。オールアメリカに選出され、#14はウェイクフォレスト大学の永久欠番の一つ。
ボーグスの偉業を讃えるコーナーがありました↓
小さめの私立校ですが、学業も有名。田舎に建つ、アメリカのメジャーカレッジとしてはこじんまりとしたキャンパス↓
訪れた当時、ウェイクフォレストにはティム・ダンカンが在学中。この時は夏のオフに行ったのでダンカンには会えず。レプリカジャージーだけを買いました。(#21も欠番)
ウェイクフォレストのあるウィンストン=セーラムという町は、名前からわかるとおり、まずタバコが有名。
加えて、人口20万そこそこながら、Tシャツで有名なヘインズの本拠もあります。*Hanesはノースカロライナ大学出身のマイケル・ジョーダンが広告塔に。
ヘインズの関連企業でもあるため、ウェイクフォレスト大学のユニフォームは長らくチャンピオン製でした。が、いまはナイキに奪われています。。。
長くなるので省きますが、ウィンストン=セーラムは南方にある州最大都市のシャーロット、東方の州都ローリーからそれぞれ車で2時間弱です。日本でも一時大きなブームを起こした、あのクリスピークリームドーナツの本社もウィンストン=セーラムにあります。
さて、小さいバスケットボール選手について。
”ボーグス以降”も追いかけました。
ミズノのテレビコマーシャルで、日本でも有名になったアンソニー”スパッド”ウェッブ。170センチのウェッブはノースカロライナステイト大学出身。
彼もすごかった。
現役NBA選手なら、アイザイア・トーマスでしょうか。
ウィキペディア英語版には、日系人選手、ワット・ミサカさんや田臥選手の名前が↓
最後に、当時世界最強と言われた旧ソ連をやぶった1986年アメリカ代表。*USA BASKETBALL公式サイトより↓
ヘッドコーチは殿堂入りしているアリゾナ大学の名将、ルート・オルソン。
大学の教え子だった、現ゴールデンステイト・ウォリアーズHCのスティーブ・カーとショーン・エリオットを連れて行きました。
アシスタントコーチに当時ジョージアテックを率いたこれも名将、ボビー・クレミンズ。このメンバーの一人、トム・ハモンズとともに、この後来日しています。
現在ハーバード大学で指揮をとる、デューク出身のトミー・アマカーや、ノースカロライナからNBAに進んだケニー・スミスなど、ボーグス以外にも好ガードが目立ちました。
カーのこの大会での大怪我など、いろいろネタは尽きませんが最後の最後に。
カーの後輩でもある、現在のアリゾナ大学のガード、パーカー・ジャクソン・カートライト。彼にも注目しています。
とにかく、、、
小さくてもできる!
間違いないです。
<追記>
NCAAディビジョン1の中堅校、デイトン大学に所属したキース・ブラズウェル。身長ジャスト5フィート(152.4センチ)!