元NBA選手、ジョージリンチの活動
今回のコロナウィルスの件で、世界中のスポーツがストップしてしまったのはご存じのとおり。
それでも、出来ることをやっているリーグ、選手が世界中にいますね。
八村塁選手はNBA 2Kのトーナメントに参加 *優勝者賞金10万ドルをコロナウィルス救済活動へ寄付
そして元NBA選手、ジョージリンチ。NCAAディビジョン2、クラークアトランタ大学でコーチを務めた彼は、自宅学習となりながらも、ノートパソコンを持っていない学生のためにこれを集め、寄付しています。
→こちらもフォーブスの記事
ジョージリンチ
リンチはノースカロライナ大学出身。
1993年にNCAA優勝を果たしています(決勝はvsミシガンで、クリスウェバーによる”幻のタイムアウト”で有名)。
レイカーズに指名され、その後グリズリースやシクサーズなどでプレイ。
引退は2005年。その後、大学の大先輩で恩師であるラリーブラウンの下、SMU(サザンメソジスト)でアシスタントコーチ。2018年からクラークアトランタ(ディビジョン2)のヘッドコーチに就任していました。
今季初めには、大学の後輩で、これも元NBA選手であるジェリースタックハウスがHCに就任した、テネシー州ナッシュビルの名門校バンダービルト(バンディ)とエキシビジョンゲーム。
クラークアトランタはお世辞にも強いとは言えないチーム。
SIAC(Southern Intercollegiate Athletic Conference )に所属。施設もご覧の通り、豪華とは言えず。。。
リンチはスタックハウスとは考えが違い、D1メジャーカレッジでのコーチは望んでいないのかもしれません。
HBCU(Histrically Black Colleges and Universities)について
今回の活動、リンチは自らが立ち上げた、HBCU HEROESという組織を通して行っています。
HBCUとは何か。
これはHistrically Black Colleges and Universitiesの略で、黒人への差別がひどく、大学入学もままならなかった時代に創設された、黒人専用の大学です。*現在は非黒人も入学可能
クラークアトランタ大学もその一つで、公立私立合わせ、全米に約100校存在。
ディビジョン1のバスケットボール校もあり、NBA選手も輩出しています。
古くはサムジョーンズ(ノースカロライナセントラル)やアールモンロー(ウィンストンセーラムステイト)、そしてウィリスリード(グランブリングステイト)といった殿堂入り選手。
揃ってバージニアユニオン出身、揃って屈強なリバウンダーであったベンウォレスやチャールズオークリー、リックマホーン(ハンプトン)やエイブリージョンソン(サザーン)らのプレイは、リアルタイムで見た方も多いのではないでしょうか。
リンチ同様、スター選手がコーチに就くこともけっこうあり、Vandyと同じナッシュビルにあるNAIA校フィスク大学の現ヘッドコーチは、ジョージアテック(そういえばアトランタですね)のレジェンド、ケニーアンダーソン。
また、エイブリージョンソンは2015年から4季、バンディと同じSECに属する強豪アラバマでコーチしました。
学業も含めた名門校も存在します。ワシントンDCにあるハワードや、スパイクリーの母校で有名なモアハウスは、クラークアトランタと同じSIAC所属です。 →U.S.Newsの記事
そして、何といってもマーチングバンド。これは見る価値があります。おすすめです。
"ヒューマンジュークボックス"や"ダンシングドール"が有名。こちらはエイブリーの母校サザーン↓
ただし、環境がメジャー校に大きく劣るのも事実であり、上の記事にある通り、リンチも「ノースカロライナと全然違う」と言っています。
最後にあらためてジョージリンチについて。
彼が卒業して数年後にUNCを訪れる幸運に恵まれました。バスケットボールオフィスの方とお話をしている際、秘書の方が「あの選手はこう、あの選手はこんな子。エリック(モントロス)は良い子・・・」などと色々教えてくれていたのですが、
「彼(リンチ)は本当に素晴らしい。人格者。」とおっしゃられたのがとても印象に残っています。
今回の活動、陰ながら応援したいと思います。