NCAAカレッジバスケットボール注目校:アラバマ大学クリムゾンタイド
→NCAAバスケットボール2021-2022シーズン開幕前にしたツイート
サンディエゴステイト、アリゾナ、そしてネブラスカについては書きましたが、今回はアラバマ大学バスケットボールについて少し。※再度詳しく書くつもりです
アラバマ大学のバスケットボールになぜ注目しているのかと言えば、非常に現代的な、そしてトムホーバス率いる(率いた)日本代表バスケットボールに似たものを感じるからです。→前シーズンの投稿
アラバマ大学@メンフィス大学
アラバマ大学はハーブジョーンズとジョシュアプリモ、そしてジョンペティなど、昨季スウィートシックスティーンまで躍進したチームの主力が抜けながら今季も好調。ゴンザガを、実質アウェイとなるシアトルでのゲームでやぶるなど、投稿時点で8勝2敗。APランキングで6位です(@メンフィスを落としたので、次回更新で下がるかも)
→スケジュール(ハードに組んでいます)
アラバマ大学のスリーポイントシューティング
スリーポイントシュート(ショット)に重きを置くアラバマは、その確率が命綱。
初のファイナルフォー、そして優勝さえ十分な可能性を持ちながら、NCAAトーナメントリージョナルセミファイナルで、UCLAに敗れ去ったゲームの3ポイントシューティングは、7/28で25%。→ボックススコア
スリーポイントの確率が悪ければ死ぬ
極端ですが、アラバマのスタイルはこう表現されてしまいます。
今季開幕10ゲームはどうでしょうか。
ロケーション | 対戦相手 | 勝敗 | スコア | 3P成功数 | 3PA試投数 | 3P% |
ホーム | ルイジアナテック | 勝〇 | 93-64 | 13 | 33 | 39.4% |
ホーム | サウスダコタステイト | 勝〇 | 104-88 | 13 | 40 | 32.5% |
ホーム | サウスアラバマ | 勝〇 | 73-68 | 7 | 27 | 25.9% |
ホーム | オークランド | 勝〇 | 86-59 | 10 | 36 | 27.8% |
ニュートラル | アイオナ | 負● | 68-72 | 5 | 17 | 29.4% |
ニュートラル | ドレイク | 勝〇 | 80-71 | 5 | 19 | 26.3% |
ニュートラル | マイアミ(フロリダ) | 勝〇 | 96-64 | 16 | 30 | 53.3% |
ニュートラル | ゴンザガ | 勝〇 | 91-82 | 13 | 34 | 38.2% |
ホーム | ヒューストン | 勝〇 | 83-82 | 7 | 18 | 38.9% |
アウェイ | メンフィス | 負● | 78-92 | 10 | 33 | 30.3% |
まず、成功率35%あたりが分かれ目。
30%あたりだと、能力がそれなりに高いチーム(メンフィスなど)には負けてしまう。
注目はネリージュニアジョセフのアイオナ戦。
驚きの被アップセットは2021年NCAAトーナメントの再戦でしたが、3ポイント試投数、トータルスコアとも今季最低。
”元祖スリーポイントの使い手”リックピティーノが見事でした。
アラバマのバスケットボールは「わかりやすい」ので、相手はロースコア狙い、スリーポイントを打たせないディフェンスをしてきます。(サウスアラバマ戦も危なかった)
このあたりの駆け引きも面白い。
NCAAディビジョン1スリーポイント試投げ数・成功率ランキング
3pt平均試投数 ランキング | チーム | 平均3pt試投数 | 3pt% | 3pt%ランキング |
1 | イースタンケンタッキー | 35.27 | 34.54 | 143 |
2 | VMI (バージニアミリタリーインスティテュート) | 34.50 | 36.71 | 67 |
3 | オーラルロバーツ | 33.00 | 38.79 | 20 |
4 | ウェスタンカロライナ | 32.27 | 36.34 | 77 |
5 | ザシタデル | 31.75 | 36.61 | 70 |
6 | サムフォード | 31.70 | 32.18 | 240 |
7 | フロリダガルフコースト | 30.42 | 36.71 | 68 |
8 | ファーマン | 30.00 | 38.48 | 28 |
9 | ビラノバ | 30.00 | 37.67 | 39 |
10 | ブライアント | 29.64 | 28.83 | 313 |
11 | プリンストン | 29.58 | 37.18 | 50 |
12 | ホフストラ | 29.55 | 36.31 | 79 |
13 | ラファイエット | 29.40 | 33.67 | 173 |
14 | コルゲート | 29.36 | 38.7 | 23 |
15 | コーネル | 29.10 | 37.8 | 37 |
16 | フロリダインターナショナル | 29.00 | 34.48 | 146 |
17 | サムヒューストン | 28.90 | 33.56 | 177 |
18 | ダートマス | 28.88 | 36.36 | 74 |
19 | シアトル | 28.82 | 37.54 | 43 |
20 | ノーザンケンタッキー | 28.78 | 36.29 | 80 |
21 | コッピンステイト | 28.73 | 29 | 309 |
22 | アラバマ | 28.70 | 34.49 | 145 |
アラバマは試投数22位(358校中)、成功率は145位(〃)。
ビラノバやプリンストンは、両方でアラバマを上回りますから、、、まだまだこの数字を向上させる必要があります。
ランク校、ハイメジャー校でスリー重視は少ないですね。
これは概ね、強豪校がサイズと才能を兼ね備えているからだと言えます。
スリーに頼る必要がない。
※ビラノバは特別
スリーに生きる者はスリーに死す?
随分古い、スリーポイントがNCAAに導入されてもいない時の、月刊バスケットボールの増刊号。
ここに、1983年のNCAAファイナルで、圧倒的な強さで勝ち進みながら、劇的なブザービーターで敗れた”ファイスラマジャマ(ダンク軍団)”ヒューストン大学に、AP通信のハルボック記者が贈ったとされる名言が載っています。
あれからちょうど40年。
時代はすっかり変わった2022年のNCAAトーナメントで、、、
スリーに生きる者はスリーに死す
そんなチームは現れるでしょうか。
個人的には、死なずに、最後まで生き残ってしまうチームを見てみたいと思います。
日本代表バスケットボールとスリーポイント
スリーポイントを武器に優勝してしまうチーム。
それを望むのは、トムホーバス率いる日本代表バスケットボールに、その姿を重ねたいからです。
こちらで書いたとおり、小さかった東京五輪銀メダルの女子日本代表。
あのチームのスリーポイントはどうだったでしょうか。
3pt平均試投数 ランキング | チーム | 平均3pt試投数 | 3pt% | 3pt%ランキング |
1 | 日本 | 31.7 | 38.4 | 1 |
2 | プエルトリコ | 27 | 24.7 | 11 |
3 | オーストラリア | 26.8 | 33.6 | 5 |
4 | 韓国 | 25.7 | 24.7 | 12 |
5 | フランス | 23.7 | 34.5 | 4 |
6 | ベルギー | 21.3 | 32.9 | 6 |
7 | 中国 | 20.3 | 35.8 | 2 |
8 | アメリカ | 18.5 | 35.1 | 3 |
9 | セルビア | 16.5 | 31.3 | 7 |
10 | スペイン | 16.5 | 28.8 | 9 |
11 | ナイジェリア | 16.3 | 30.6 | 8 |
12 | カナダ | 16.3 | 28.6 | 10 |
最も試投数が多かったにもかかわらず、最も成功率が高かったチーム。
それが東京オリンピック、女子日本代表でした。
あらためて、ものすごいものを見れたのだと思います。
一方、男子日本代表。
コーチ・ホーバス、着任早々のvs中国。2連戦。
チーム | 平均3pt試投数 | 3pt% |
日本 | 33.5 | 22.4 |
中国 | 20.5 | 46.3 |
が、何も心配することはありません。
むしろ、中国をはるかに上回る、女子代表並みのスリーポイントショットを放ったことを賞賛したい。
あとは、決めるだけ。
シューティングは、練習、努力次第でどうにでもなります。
身長を伸ばすとか、720度ダンクをするとか、ではありません。
可能です。
それは先日、(NBAの中にあっては)やはりサイズで劣る、ステフィンカリーが証明したようなものです。