榎本新作(アイザイアマーフィー)は"NCAAディビジョン2"イースタンニューメキシコ大学へ
正直、意外な進学先(編入先)でした。
193センチで、体重84㎏はやや細身ですが、昨年のU19ワールドカップで大活躍。
ピマコミュニカレッジ2年生時に15.9ppg、4.1rpgで、チームをNJCAA(短大版NCAA)ディビジョン2の全米選手権で準優勝に導いた彼は、十分ディビジョン1でやっていける実力を持つ選手です。
憶測ではありますが、、、アイザイアマーフィーはバスケットボール以外の理由で、ディビジョン1校には進まなかったのではないでしょうか。
イースタンニューメキシコ大学(Eastern New Mexico)概要
タイプ | 公立 |
ロケーション | ニューメキシコ州ポーテイルズ |
文字通り、州の東部。テキサスとの州境に近く、ニューメキシコ州最大の都市アルバカーキから車で約3時間半ほどの町のようです。
ニックネーム | グレイハウンズ(Greyhounds) |
チームカラー・スクールカラー | グリーン、シルバー |
カンファレンス | ローンスターカンファレンス |
バスケットボールアリーナ | グレイハウンドアリーナ(約4,800人収容) |
フットボールスタジアム | グレイハウンドスタジアム(約4,000人収容) |
オフィシャルサプライヤー | ナイキ |
イースタンニューメキシコ大学(Eastern New Mexico University)のバスケットボール
バスケットボールチームの実績らしい実績はありません。
NCAAディビジョン2のトーナメントにさえ、わずか2回のみ(1993、2004年)の出場。
同校出身のNBA選手もゼロ。
非常に優れたコーチを輩出しており、1人はダナオルトマン。
カンザスステイト→クレイトン→オレゴンと移った人物で、K-Stateからクレイトンはステップダウンでしたが、クレイトンではカイルコーバーらを擁して躍進。再びハイメジャー・オレゴンに雇われ、2017年ファイナルフォーに導くなど、見事に復活した、ある意味珍しいキャリアの名将。
もう1人はマークフォックス。ネバダ大学でニックファジーカスをコーチした人物で、ネバダでの功績が認められ、SECのハイメジャー、ジョージア大学へ。残念ながらここでは結果を出せず、現在は”浪人中”ですが、ハイメジャーのHC職にはそうそう上り詰めることができないものです。十分な成功者。
*フォックスは先日リリースされたアメリカ代表のチームスカウトに名を連ねました。アシスタントにジョントンプソン3世も→今回のアメリカ代表
→PAC12のハイメジャー、カリフォルニア大学HCに就任。
両コーチとも、アイザイアマーフィーと同じく、短大からENMUに編入しました。
「物足りなさ」は否めないものの、ディビジョン1との対戦がないわけではありません。アップセットを楽しみに、そして榎本がプレイする2季、トーナメントでの躍進を楽しみにしたいと思います。
昨季はディアンドレエイトンのアリゾナと対戦(エキシビジョンではなく公式戦)。ギャランティゲームでしたが、こういうカードは楽しみ↓
公式サイト
*投稿時点で、2018-2019スケジュールは未発表です
繰り返しますが、榎本のバスケットボール選手としての実力が十分であることが既に証明済み。
卒業後、本人が望めばおそらくBリーグでのプロ選手、日本代表候補にも間違いなく選ばれるでしょう。その日も楽しみに待ちたいと思います。
NCAAディビジョン2のバスケットボール
NCAAディビジョン2について簡単に。
学校数は302(→参照)。
カンファレンスは計24あり、チャンピオンが自動的に(オートマティック)NCAA(全米)トーナメントに出場できるのはD1と同じ。
残り40校が選考される(アットラージ)のも同じで、計64校によりトーナメントが争われます。
8つのリージョン(Atlantic、Central、East、Midwest、South、Southeast、South Central、West)に初めから分けられるのが特徴で(NJCAAと同様、移動距離が長くならないように配慮)、これを勝ち抜いたエリートエイトが、D1のファイナルフォー同様に、1つの都市で"Finals"を戦います。
2017、2018年はサウスダコタ州スーフォールズの”サンフォードペンタゴン(Gリーグ、スカイフォースのホーム)”で開催されましたが、2019年から2022年までは、インディアナ州エバンスビルのフォードセンターで行われることが決定しています。→NCAA公式サイト
*24あるカンファレンスのうち、イースタンニューメキシコが所属するローンスターカンファレンスは、これも文字通り、テキサス州の学校を中心に構成されるリーグ。
*D2出身のNBAプレイヤーは非常に少ないのが実情。過去、スコッティピッペン(セントラルアーカンソー)、チャールズオークリーとベンウォレス(バージニアユニオン)あたりが有名どころ。
ディビジョン2の日本人選手について
”概して”、競技レベルがD1よりも劣るD2でプレイした日本人選手はけっこういます。
先駆的な存在は、小林高校出身で、三遠ネオフェニックスの前身であるオーエスジーでもプレイした、北郷謙二郎でしょうか。カリフォルニアステイト大学ロサンゼルス校(Cal State LA)に在籍。昨季のロスターをながめてみると、土地柄もあって、日系人ガードや中国人ビッグがいますね。ベイリーキクチ選手(5-10)あたりは、Bリーグクラブが目をつけているでしょうか。
そして、そのキクチの転校前の学校、ブリガムヤング大学ハワイ校(BYUH)でプレイしたのが田臥勇太。
しかし、BYUHは予算の都合もあって、2017年に全スポーツチームの活動を休止。キクチの転校の要因にもなったようです。
NCAAといえども、全ての学校がスポーツで利益を大きく増やしているわけではないのですね。一方で、田臥が在学中に対戦もした、カリフォルニア大学デイビス校(UC Davis)はいまやディビジョン1スクールで、2017年には早くもNCAAトーナメント出場。学校の経営も様々です。
ほか、NCAAディビジョン2でプレイした日本人選手は秋田ノーザンハピネッツの谷口大智、横浜ビーコルセアーズの田渡凌あたりが有名でしょうか。谷口はデニスロッドマンと同じ、GAC(グレートアメリカンカンファレンス)所属のサウスイーストオクラホマステイト、田渡はBYUHも所属していた、パシフィックウェストのドミニカン大学でプレイしました。
現役では、藤枝明誠高校からセントトーマスモアを経て、サザンニューハンプシャー(Northeast10カンファレンス)でプレイする角野亮伍と、田渡の後輩となる、ドミニカン大学の内田雅楽。
また、クラークアトランタ大学(SIAC、サザンインターカレッジアスレティック所属)のマーク・バートンも日本縁の選手です。
彼らと、榎本選手の対戦はあるでしょうか。
→以前のツイートです