バスケットボール男子日本代表がオーストラリアに続いてイラン撃破!
何も言うことはありません。
間違いなく、史上最強の日本代表を見ることができています。
八村塁、渡邊雄太、そしてニックファジーカスが揃った日本代表はいったいどれほど強いのか。
1986年のNCAAトーナメント。月刊バスケットボールに載った記事を思い出します。
2回戦で#5シードのミシガンステイトが#4ジョージタウンにアップセットと言える勝利。ジョージタウンのヘッドコーチ、ジョントンプソンが試合後のインタビューでMSUエースのスコットスカイルズ(後にNBAで選手、コーチとして活躍)を評し、
「本当に素晴らしい選手は周りの選手に良い影響を与えることができる。伝染するんだな。」
2019年NBAドラフトにおいて、1位指名の可能性さえある(冗談ではなく、ありえると思っています)八村塁らは、竹内譲次などの”国内組”のプレイを変えてしまっています。
もちろん、良い方に。
外国籍選手のチームメイトなど、これまでいくらでも触発される機会はあった譲次。
33歳の今になって、どうしてここまで覚醒したのでしょうか。
「自分よりもはるかに若い日本人にできるのならオレにも・・・」とでもなったのでしょうか。欲を言えば、もう10年早く目覚めてほしかったですが、、、彼のウィンドウ3、4での活躍も目を見張るものがありました。
2019FIBAワールドカップ中国と2020東京五輪へ
日本はグループFで3位に入れば2019ワールドカップに出場。
今後の予選日程は↓
3位に入るのはかなり厳しい。
日本は現在4勝4敗で4位。3位を日本と争うフィリピン(5勝3敗)は、ウィンドウ5をホームでvsカザフスタンとイラン。ウィンドウ6をアウェイでvsカタールとカザフスタン。
カザフスタンとカタールは明らかに格下で、フィリピンにとって難しいのはホームでのイラン戦のみ。これに敗れ最終8勝4敗となり、日本が残りを全勝して8勝4敗で並んだとしても、1次予選の直接対決で対フィリピン2戦2敗の日本は4位となります。
そうなると、アジアからの出場最後の枠をグループE4位の国と争います。ワールドカップ開催国枠出場の中国が4位になれば日本の出場が決まりますが、中国は予選をベストメンバーで戦っておらず、上記の通り現在4勝4敗の5位。4位はヨルダン。FIBAランキング46位(日本は49位)のヨルダンは厄介で、日本がベストメンバーでないならば苦戦必至。
一方で、”ベストメンバーの参戦”であることが条件でしょうが、おそらく日本の東京五輪開催国枠は認められたも同然でしょう。
それほどオーストラリア、イラン撃破のインパクトは大きかった。
しかしこうなれば、当初の「ノルマ」であったワールドカップ出場&16強進出を果たしてほしい。”ベスト”であれば、それは可能かもしれません。
今の日本代表は、史上最強です。
これからの日本男子バスケットボール
課題は残ります。
まずは残るウィンドウ5、6の戦い。最低限、4位の確保。
FIBAに”合わせている”Bリーグや、比江島慎がプレイするオーストラリアNBLからの参戦は問題なさそうですが、渡邊が属するNBAや、八村が属するNCAAはシーズンの真っ最中。
メンフィス・グリズリーズやゴンザガ大学が、FIBAゲームへの参加を認めるかどうかは全く不透明。特に、NCAAプレイヤーがシーズン中にFIBAのゲームに参加したケースというのは過去に例がないでしょう。
彼ら抜きで、イランはもちろんカザフスタン、カタールにすんなり勝つことができるかどうか。
あらためてBリーグ、”国内組”の奮起に期待です!
*選手の招集に難しさはあるものの、"THIS IS MY HOUSE."と銘打ち、ワールドカップ予選をホーム&アウェイとしたFIBAの変革はとりあえず成功しているように見えます。→渡邊雄太選手も所属する有力エージェンシー、ワッサーマングループエグゼクティブによる記事。(もちろん書き手によりますが、Linkedinのブログは読みごたえのあるものがけっこうあります。)
以下は余談となりますが、うちの奥さん(バスケットボールに関しては完全にド素人)がぽつりぽつりと。
「なぜ男子(代表)は、(同じようにサイズがないのに世界レベルにあり、五輪常連である)女子(代表)のような戦い方を真似ないの?なぜスリーポイントが上手でないの?なぜ練習してこなかったの?」
女子は「日本のスタイル」「もともとの土台」がしっかりしている上で、渡嘉敷来夢というWNBA級の選手が現れた。世界上位に食い込むわけです。
男子はどうでしょうか。渡邊、八村、そしてファジーカスは、どのような「土台」にプラスされる”贈り物”なのでしょうか。
仮に彼らが不在であったとしても、ウィンドウ5、ウィンドウ6は勝たなくてはなりません。男子代表の「土台」が試されます。
それにしてもNCAA。
お金の面では色々問題がありますが、渡邊雄太や八村塁にとって、これ以上の環境があったでしょうか。
その競技レベル、特にゴンザガあたりはFIBAアジアで戦うなら間違いなくトップ。Zagsをやぶることができるのは、おそらく”ベストの”オーストラリアと中国のみ。
プレイと合わせて印象に残った渡邊と八村のインタビュー。メディア対応でも一定のガイドを施されている彼らの受け答えは立派。実に堂々としており、わかりやすいものでした(八村妹への”ハッピーバースデー”含め)。
バスケットボールにおいての向上のみならず、英語をはじめとした教養さえ身につけてしまえるNCAA。
これ以上の育成・教育環境を、果たして日本は整えることができるかどうか。
全てをBリーグユースなどに任せることは到底不可能であり、この点も今後の整備に期待です。