40人のベストNCAAバスケットボールコーチ(ただし40歳以下)-40 Under 40
今回はNCAAバスケットボールのコーチについて。
先日、ESPNが面白い記事を公開しました。
NCAAバスケットボール界で、40歳以下、ベスト40の若いコーチリストです(ヘッドコーチとアシスタントコーチ)。
こういう企画はしょっちゅうですが、この種の記事を見るたびに、アメリカのバスケットボールの奥深さが垣間見えます。
コーチK(デューク)も74歳。(シラキュースのジムベーハイムが76歳、ノースカロライナのロイウィリアムズは70歳)
次世代を担うコーチには、どういった人がいるのでしょうか。
いずれも日本での知名度はそれほど高くありませんが、NCAAのみならず、アメリカバスケットボール界のカギを握る人物たちです。
*富永啓生選手のネブラスカ入りに大きく関わった方など、日本縁のコーチもいます。ぜひ、最後まで。
*こちらの記事(ESPN)も合わせてどうぞ。
次世代のNCAAカレッジバスケットボールコーチ
選手同様、コーチも次から次へと優秀な人物が出てくるのがアメリカのバスケットボール。
*40人中、気になる人をピックアップするつもりでしたが、結果、全員でした(笑)。今後は「運」にも左右されるのですが、、、注目すべきコーチたちであることは間違いありません。
繰り返しますが、「カレッジバスケットボールはコーチが全て。コーチで決まる。」
1.ウェスミラー(UNCグリーンスボロ、37歳)
納得の1位。
選手としては、バージニア州のジェームズマディソンから名門ノースカロライナ(チャペルヒル本校)に転校。出場時間は限られたものの、2005年にNCAA優勝を経験。この時のチームメイトにジャワッドウィリアムズやマービンウィリアムズら。
ノースカロライナ州内のプログラム、イーロン、ハイポイント、そして現在のノースカロライナ大学グリーンスボロ校で1年ずつアシスタントを務めた後、2011年、弱冠27歳にしてUNCGヘッドコーチに就任。2018年に、プログラム史上3度目のNCAAトーナメント出場を果たす。1回戦、vs八村塁のゴンザガとの大善戦は記憶に新しい。
過去4シーズン、全て20勝超え。
ロイウィリアムズの後継、次期UNC本校ヘッドコーチの有力候補。
2.トラビススティール(ゼイビア、38歳)
「あの」バトラー大学出身。
オハイオステイトやインディアナ、そして現在のゼイビアなどでアシスタント。仕えた面々がサッドマッタ(前オハイオステイトHC)、ケルビンサンプソン(現ヒューストンHC)、ショーンミラー(現アリゾナHC)にクリスマック(現ルイビルHC)。
スキッププロッサー→マッタ→ミラー→マック
ゼイビアのヘッドコーチは出世すると決まっている。
ブラッドスティーブンスの「匂い」もします(笑)
3.ウィルウェイド(LSU、37歳)
ハイメジャー・LSUの、注目の人物。
こちらの投稿をおぼえていただいておりますでしょうか?
コーチとして、全ての才能に溢れますが、リクルーティングスキャンダルであわや失脚。
出身はクレムゾンで、学生マネージャーとしてスタート。ラリーシャイアット、オリバーパーネルに仕えた後、トミーアマカーのハーバード、シャカスマートのVCUでアシスタント。テネシー大学チャタヌーガ校(UTC)でヘッドコーチデビュー。VCUを経て、LSUヘッドコーチに着任。
先の不祥事はあったものの、若きミリオネアコーチ。
4.マイクボイントン(オクラホマステイト、38歳)
ウェイド同様、30代のハイメジャーヘッドコーチ。
選手としてはサウスカロライナ大学で活躍(PG)。同州内のファーマン大学でグラデュエートアシスタントとしてキャリアスタート。コースタルカロライナ→ウォフォード→母校USC→スティーブンF.オースティン→オクラホマステイトでそれぞれアシスタントを歴任。
USCでの同僚、ブラッドアンダーウッドがSFAヘッドコーチ就任の際に共に異動。ここで成功し、OSUにも一緒に動き、イリノイに引き抜かれたアンダーウッドの後を受けた。
現在の部下であるキャネンカニングハムの弟、ケイドカニングハムを獲得。2020-2021は勝負のシーズンと言える。
ボイントンの記事(スポイラ)
5.ボブリッチー(ファーマン、37歳)
ハイメジャーでもないサザーンカンファレンスにおいて、NCAAトーナメント出場さえ果たせていない彼がどうしてこのリストでこの順位?
1位のウェズミラーのUNCグリーンスボロや、ウォフォードといった最近「うるさい」プログラムが同カンファレンスに存在するからです。
選手として華々しい実績は無し。2006年にチャールストンサザーンでアシスタントコーチとしてキャリアスタート。2011年にファーマンに移り、師であるニコメドベドがドレイクに引き抜かれた(現在はコロラドステイトHC)タイミングで、2017年からヘッドコーチ昇進。
ファーマンという大学自体の知名度も低いですが、個人的に注目しています。テーブス海選手がいたUNCウィルミントン戦を見たのですが、素晴らしいバスケットボールをします。
6.リチャードピティーノ(ミネソタ、37歳)
ご存知、リックピティーノ(アイオナHC)の息子。
父がコーチも務めたプロビデンス大学(PC)の出身。PCで学生マネージャーをこなした後、カレッジオブチャールストン→ノースイースタン→デュケイン→ルイビル→フロリダ→ルイビルとアシスタント。2012年にフロリダインターナショナルでヘッドコーチデビュー。わずか1季のみ過ごした後、30歳の若さでハイメジャー、ミネソタ大学のHC就任。いきなりNITチャンピオンに導いたほか、7季でNCAAトーナメントに2回出場という成績は、年齢を考慮すると立派?
7.アンディトゥール(ロバートモリス、39歳)
2013年のNITトーナメントでのケンタッキー撃破で名前が知れたが、10シーズンでコンスタントな戦績。2020年、NECカンファレンストーナメント優勝。
ラファイエットとロバートモリスでアシスタントを務めた後、2010年にヘッドコーチ昇進。
選手としてはノースカロライナ州のイーロンからペンシルバニア大学に転校。2度NCAAトーナメントに出場しています。
8.ジョーダンミンシー(フロリダ*アシスタント、33歳)
強豪ハイメジャー、フロリダのアシスタントは皆若い。”年寄”HCマイクホワイトでさえ43歳(笑)。
ホワイトと1季ルイジアナテックで過ごした後、一緒にフロリダへ異動。
オハイオ州のケントステイトで選手として活躍した後、サウスカロライナでグラデュエートアシスタント→母校KSU→カレッジオブチャールストン→トレド(オハイオ州)→LAテックという経歴。それぞれで、リクルート、プレイヤーディベロップメントで大きな功績。
出身はメンフィス。
9.ジョンシャイアー(デューク*アシスタント、32歳)
日本でも知名度が高いかもしれません。2010年にNCAAトーナメントを制したチームのエースガード。卒業後はマッカビテルアビブなどでプロキャリアを送っており、アメリカとイスラエルの2重国籍。
現在のポジションはアソシエイトヘッドコーチ。
リクルーティングで大きな役割とありますが、それこそ今、ザイオンウィリアムソンの件が大きな問題となっています。
”やりすぎて”なければよいのですが・・・
コーチKの後継有力候補の1人。
シカゴ郊外の出身で、高校はグレンブルックノース。高校・大学の先輩が現在ノースウェスタンHCのクリスコリンズ(ダグの息子)。
10.ルークマーリー(ルイビル*アシスタント、35歳)
ACで3人目のリスト入り。
敏腕リクルーターで、ルイビルHCのクリスマックが「マーリーはスーパースター」とコメント。
ルイビル以前はゼイビア、ロードアイランド、トウソン、ワグナー、そしてアリゾナでアシスタント。いずれにおいても好成績を支え、ショーンミラー(現アリゾナHC)やダンハーリー(現コネティカットHC)に師事。
フェアフィールド大学出身。
11.シャンテイレガンス(イースタンワシントン、38歳)
レガンスも今年のNCAAトーナメント中止を心から残念がった1人でしょう。
ゴンザガのすぐお隣、イースタンワシントンHCに就任して3季目、ついにビッグスカイカンファレンス王者につきました。
もちろん、レガンスがCOY獲得。
選手としてはカリフォルニアからフレズノステイトに転校したPG。地元南カリフォルニアの高校コーチを経て、2009年にEWUアシスタント就任。2017年に昇進してのスピード成功。
今後が注目です。
12.ブライアンマイケルソン(ゴンザガ*アシスタント、38歳)
レガンスに続いては、ゴンザガACが登場です。
2000年にマークヒューの下でウォークオンとして加入したブライアンマイケルソンは、2008年に事務方としてGUプログラムに加入。2013年にアシスタントコーチに就任しました。
リクルートで大きな成果をあげており、ゴンザガ史上最高の獲得とされる、ジェイレンサッグスの勧誘にも成功。
ゴンザガと縁の深い、ポートランド郊外の名門ハイスクール、ジェズイット出身で、この時のチームメイトにデュークへ進んだNBAプレイヤー、マイクダンリービーJr.。*ジェズイットはエリックスポールストラや、UKからゴンザガに転校したカイルウィルジャもOB。
13.ユリックマリギ(テキサステック*アシスタント、35歳)
憎き(笑)テキサステックの2019年準優勝を支えた敏腕。
TTUの前に働いた、テキサスA&M、サザンメソジスト(SMU)、そしてスティーブンF.オースティン(SFA)など、アシスタントを務めたテキサス州のディビジョン1スクールのいずれでも大きく貢献。いずれ、ハイメジャー校を率いるだろうと。
ワシントンDCの名門黒人大学、ハワードの出身。
14.ジャミオンクリスチャン(ジョージワシントン、38歳)
渡邊雄太の母校、ジョージワシントンのヘッドコーチもランクイン。
渡邊とは直接関わりなし。2019年に、ライアンロシターの母校シエナから異動しての就任。初年度は10勝13敗と苦しみましたが、随所に名将ぶりを発揮しました。
もともとワシントンDC・メリーランド州エリアに縁を持つ人物で、母校マウントセントメリーズで、29歳にしてHCに就任すると、2度NCAAトーナメント出場の快挙。
バックネル、ウィリアム&メアリ、そしてVCUでアシスタント歴。
15.トッドゴールデン(サンフランシスコ、35歳)
前任のカイルスミス(ワシントンステイトに栄転)を引き継いでヘッドコーチ昇進。いきなり22勝!見事でした。
ゴンザガ、そしてこのUSF(サンフランシスコ)と同じWCCカンファレンスに属するライバル、セントメリーズ(SMC)でPGとして活躍。4年生の時に入学してきたパトリックミルズに出場時間は奪われましたが、卒業後はイスラエルのマカビハイファでプレイ。
松井”KJ”啓十郎の母校、ニューヨークのコロンビア大学でカイルスミスの弟子入り。一度オーバーンのブルースパールに師事しますが、スミスのUSF入りとともに再び合流。
SMC選手時代のチームメイトに、オマーサムハン(2こ下)や、これもオーストラリアンレジェンド、ダニエルキッカート(2こ上)。
16.リッチーライリー(サウスアラバマ、37歳)
手強い。
弓波英人選手のジョージアサザーンがNCAAトーナメントに出ようと思えば、絶対に倒さないといけないのがライリー率いるサウスアラバマです。
HCデビューした、同じく深南部、ルイジアナ州のニコルズステイトで成功した後ヘッドハンティング。サウスアラバマでの2季目である2019-2020シーズン、ジョージアサザーンをスウィープするなどし、サンベルトカンファレンスで2位につけました。見事に20勝到達。
UK出身、現在セントルイスHCのトラビスフォードの下、イースタンケンタッキーで選手としてプレイ。そのEKUやクレムゾンなど、様々なカレッジでのアシスタントを経て、ニコルズステイトHC着任は2016年。
最近の、故郷ケンタッキーの記事
17.イーランギャノット(ハワイ、38歳)
2016年のNCAAトーナメント1回戦。ジェイレンブラウン率いるカリフォルニアをアップセットしたのが記憶に新しい。
その1年目以降は「さすがに」苦労していますが、トーナメントでハワイ大学史上初の1勝をもたらしたギャノットへの期待は未だに高い。
ペンシルバニア州の小さなディビジョン3校でプレイした後、セントメリーズでボランティアアシスタント(無給)。→ハワイのスタッフ入りをした後SMCに戻り、再度ハワイでヘッドコーチデビュー。
NBAスカウトの目が届きにくい点含め、リクルート・強化が難しいUH。期待。
18.ダリスニコルス(フロリダ*アシスタント、34歳)
このリスト#8のミンシーともども、ルイジアナテックからフロリダへ異動。
リクルーターで、スコッティルイス獲得に貢献。
ウェストバージニア大学出身。ともに名将である、ジョンビーラインとボブハギンズの下でプレイ。WVUでの同期にフロリダ大学出身のマットボナーの弟ルーク。
19.アミアアブドゥルラヒム(ケネショーステイト、39歳)
元NBA選手、そしてGリーグプレジデントとして最近露出が多い、シャリーフアブドゥルラヒムの弟。やはりアトランタ出身の野心家。
前任地ジョージアでアンソニーエドワーズの獲得に貢献すると、エドワーズとは過ごさないまま、同じジョージア州のケネショーステイトでヘッドコーチデビュー。
1季目は1勝28敗と散々でしたが。。。
ジョージアの前は、マーリーステイト→カレッジオブチャールストン→テキサスA&Mでアシスタント。
典型的な、リクルーター。
20.ジェレミーバラード(フロリダインターナショナル、38歳)
1季目(2018-2019)が20勝。2季目(2019-2020)19勝。見事です。
VCUでシャカスマートのアシスタント経験があり、ペースが速いスタイルを貫く。
ニューヨーク州のコルゲート大学でプレイして、そのままアシスタント就任。→タルサ→VCU→イリノイステイト→再度VCUとACを務め、フロリダインターナショナルでヘッドコーチ就任。
FIUアシスタントには、VCUの2011年ファイナルフォーチームのメンバー、ジョエイロドリゲス。
21.ジェランスハワード(カンザス*アシスタント、39歳)
このハワードも有名リクルーター。
出身はイリノイ州ピオリア。イリノイ大学で現在の上司でカンザス大学ヘッドコーチ、ビルセルフの下プレイ。
母校イリノイでのアシスタントを経て、セルフの師匠でもあるレジェンド、ラリーブラウンに師事してサザンメソジストAC。2013年からカンザス。
得意エリアはもちろんシカゴエリアだが、KU全般のリクルートに貢献。
ハワードと言えば・・・最高の部下がいます(笑)。
22.マットアブデルマシア(ネブラスカ*アシスタント、35歳)
重要人物(笑)。
富永啓生選手のネブラスカ入りに最も絡んだ人物と言われています。
フレッドホイバーグの右腕。
アイオワステイトでホイバーグを支えた後は母校セントジョーンズに戻りましたが、再びホイバーグと合流。
アイオワステイトの前はNBAミネソタティンバーウルブズで勤務経験。セントジョーンズでは学生マネージャー。
23.ジェリーマクナマラ(シラキュース*アシスタント、36歳)
「もう」と言うべきか「まだ」と言うべきか、ジェリーマクナマラが36歳でランクイン。シラキュース唯一のタイトル、カーメロアンソニーを軸にした2003年優勝チームのガード。
SU卒業後はヨーロッパなどでプレイし、2009年に母校のスタッフ入り。
マイクホプキンスがワシントン大学へ去った今、マクナマラは老将となったジムベーハイムの後継者の有力候補の1人。
24.オースティンクロンチ(ニコルズステイト、30歳)
アトランタの超有名校、エモリー大学出身(バスケットボールはD3)。
このリストの#16、リッチーライリーのアシスタント入りをした際はフルタイムでさえなかった。が、ライリーがサウスアラバマに栄転するとヘッドコーチに。
ジョージメイソンやクレムゾンでも勤務経験。
注目。
25.ジョエルジャスタス(ケンタッキー*アシスタント、38歳)
2014年にケンタッキーのスタッフ入り。
いまや、複数のヘッドコーチポジションの候補に名が挙がる。
リクルートやプレイヤーデベロップメントでも貢献しているが、”アナリスト”として有能。
UKの前は、ノースカロライナ州デビッドソン(デビッドソン大学の所在地)の高校ヘッドコーチ。
UNCウィルミントン出身の元選手。
彼も注目。
26.キムイングリッシュ(テネシー*アシスタント、31歳)
キムイングリッシュがもう31歳で、既に5年のコーチングキャリア。タルサ→コロラド、そして現テネシーと移ってきました。
2010年、イングリッシュの20得点による対クレムゾン戦勝利が、母校ミズーリの最後のNCAAトーナメントでの勝ち。(と言うのは寂しい)
2012年ドラフトで2巡目44位指名も、NBAでは定着できず。早々にコーチ転身は正解かも。ボルチモアの出身。
27.ジェイマコーリー(ウォフォード、36歳)
ウォフォードの躍進を支えた名将、マイクヤングのバージニアテック栄転に伴い、アシスタントから昇進。
南部人で、ハイメジャー・ジョージア大学出身。
2008年にウォフォードのアシスタントに就き、→ガードナーウェッブ→ファーマン→再度ウォフォードと勤務。
このリスト、#5のボブリッチー(ファーマン)、#1・ウェズミラー(UNCグリーンスボロ)という同年代、同カンファレンスの争いが見もの。
28.マットマコール(マサチューセッツ、38歳)
彼もSECのハイメジャー、フロリダ出身。プレイ経験はないが、学生マネージャーを務めた後、2006-2008にDOBO(ディレクターofバスケットボールオペレーション)としてビリードノバン率いるNCAA連覇に貢献。
フロリダアトランティック→再度フロリダでアシスタントコーチを経験し、2015年にチャタヌーガ(テネシー大学チャタヌーガ校)でHCデビュー。2季好成績を残し、UMassがヘッドハンティング。
アトランティック10のUMassでは苦労していますが、期待。
29.クリスチャンウェブスター(バージニアテック、29歳)
バージニアテックの前ヘッドコーチ、バズウィリアムズの異動にもかかわらずVTに残ったウェブスター。
ハーバード出身で、2012年の、HU66年ぶりのNCAAトーナメント出場に貢献。
母校ハーバード、オーランドのセントラルフロリダステイトでもアシスタント。
ハーバードでの専攻は心理学。
*ツイッターでお付き合いさせていただいている同僚、チェスターフレイジャーさんは残念ながら欄”ク”外。。。
30.ジョークラッベンホフト(ウィスコンシン*アシスタント、33歳)
ウィスコンシンで選手。マイナーやヨーロッパでプレイした後、2012年にスタッフ入り。サウスダコタステイトでのアシスタントを経て、2016年に戻った。
プレイヤーディベロプメントとリクルーティング担当。
31.ライアンリッダー(ビースーン-クックマン、35歳)
3季のうち2季、勝ち越し。それも、スケジュールをハードにした上で、です。
MEACという黒人大学リーグでは珍しい、と。
失礼ながら、、、聞いたこともないようなディビジョン3とディビジョン2校でプレイ。
ドゥドゥの出た短大、デイトナステイトで好成績を収めてのD1ヘッドコーチデビュー。
32.カイルネプチューン(ビラノバ*アシスタント、35歳)
CJマカラムと同じ、ペンシルバニア州のリーハイ大学でプレイ。
多くのヘッドコーチポジションで候補者として名が挙がるが、ビラノバアシスタントにとどまっている、と。
今のところ、良い判断のように思えます。
2016、2018年のビラノバ優勝に大きく貢献。ビラノバの黄金時代を支えています。
33.マイクモーレル(UNCアッシュビル、37歳)
シャカスマートの弟子。リクルーター。
無名のNAIA校でプレイした後、コーチ業へ。
チャールストンサザンを経て、2011年にシャカスマートのVCUアシスタント着任。スマートがハイメジャー・テキサスへ引き抜かれた際同行。テキサスでジャレットアレンらをリクルート。
2018年にヘッドコーチデビュー。やや苦戦中。
34.アシュリーハワード(ラサール、39歳)
フィラデルフィア人。
ドレクセルでPGとしてプレイ。
アシスタントコーチとして、ラサール→母校ドレクセル→ゼイビア→ビラノバと移り、2018年にラサールHC就任。ハワードもビラノバでの2度のタイトルが勲章。
お父さんが元NBAプレイヤー。
ヘッドコーチとしては苦戦中。
35.ダナフォード(ミズーリステイト、35歳)
イリノイステイトで選手。リクルーター。
ウィチタステイトや母校ISUでアシスタントを務めた後、2014年に、30歳の若さにして、テネシーステイトでヘッドコーチデビュー。
36.ベイカーダンリービー(クイニピアク、37歳)
バスケットボール一家の出身。
父マイクダンリービーは元NBA選手にしてコーチ。昨季までは、ニューオーリンズのテュレーン大学ヘッドコーチ。
兄マイクJr.はデュークからNBAに進んだこれも元選手。
弟ジェームスはUSC出身のエージェント。
本人はビラノバで、ジェイライトの下でプレイ。
2017年まで母校アシスタントを務めた後、コネティカット州のクイニピアクでHC。3季で、何とか5割そこそこの勝率。難しい。
37.アリファロマネッシ(コロラドステイト*アシスタント、32歳)
アイオワ人。
短大を経て、ノーザンアイオワに編入。
ヨーロッパでプロキャリア。
やはりアイオワ州の、ドレイクでアシスタントを務めた後にコロラドステイトへ。
38.ジェイレッドグラッソ(ブライアント、5月11日で40歳)
ロードアイランド州のブライアントで2季目が終了。上向き。
クイニピアクで選手。卒業後は東部でアシスタントを務めてきた。経験は十分。
39.ジョンアンジェク(ワシントンステイト*アシスタント、27歳)
このリスト中、最年少の27歳。
注目。
ニューヨークのコロンビア大学出身。CUではマネージャー。
ディビジョン3のジョンズホプキンスと、アイビーリーグ・ダートマスでアシスタント。
ワシントンステイトHCのカイルスミスとは、コロンビア時代からの付き合い。
アンジェクのような人物はヘッドコーチよりも裏方向き?
40.ブライアンマリンズ(サザンイリノイ、33歳)
2018年、ファイナルフォーまで突っ走ったロヨラシカゴの元スタッフ。
2013年からロヨラでアシスタントを務め、成功を引っ提げての母校凱旋。
1季目の16勝16敗はまずまずで、ミズーリバレーカンファレンスのCOY次点。
ランク外
注目はヴァルパライゾHCのマットロティック。大阪エヴェッサがbjリーグ誕生から3連覇した時の選手。スタンフォード出身。
NCAAバスケットボールコーチに必要な資質とキャリアは?
よくもまぁ、これだけ人材が揃うものだと感心します。
上の40人について、まとめてみました。
現在のポジション | ヘッドコーチ | アシスタント |
ハイメジャー | 4人 | 14人 |
ミッドメジャー・ローメジャー | 20人 | 2人* |
*notハイメジャーのアシスタントはゴンザガのマイケルソンと、コロラドステイトのファロマメッシ。ちょっと特殊ですね。ゴンザガはハイメジャークラスですし、ファロマメッシは選手としてのインパクトが強大で。。。
上位に南部・深南部校のコーチが目立ちます。ここはちょっと気になる点です。
出身大学と選手としてのキャリア | エリート | 出場時間あり | 選手経験なし |
ハイメジャー | 3人 | 7人 | 5人 |
ミッドメジャー・ローメジャー | 1人 | 16人 | 3人 |
D2ほか無名校 | - | 4人 | - |
「選手としてのすごい経験」は不要ですね。
#2トラビススティール(ゼイビア)、#3ウィルウェイド(LSU)は、母校(それぞれバトラーとクレムゾン)で選手経験なし!
エリートにあげたのは、NCAAタイトル保持者のシャイアー、マクナマラと、キムイングリッシュ、ファロマネッシ。
元NBA選手というのはむしろ、NCAAコーチとして成功するのには不要な経験のようです。本当に。
リクルーティング能力
NCAAバスケットボールコーチになるうえで、「ほぼ100%」必須の能力と言えます。
リクルートする力があれば、それだけでヘッドコーチになることも可能。
逆に、この力がなければ高いポジションに就くことは難しい。
わかりやすい例はごろごろしていますが、例えばカリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)のヘッドコーチ、デイビッドパトリック。
シラキュースとルイジアナ(ラファイエット校)でプレイ経験があり、オーストラリアでのプロ選手キャリアを持つパトリックは、ベンシモンズの”ゴッドファーザー(世話人・後見人の意)”で、当時アシスタントコーチを務めていたLSUにシモンズを引っ張ってくることでアソシエイトヘッドコーチに昇格。その後TCU(テキサスクリスチャン)でもアシスタントをした後、UCRでヘッドコーチとなりました。
戦術などに疎くても大丈夫なのかと問われれば、決してそうではありませんが、リクルーティングの能力が何よりも最優先されるのは間違いないでしょう。
ここにおいて、アメリカ人以外がコーチとなるのは非常に難しいと言えます(上リスト40人は全員アメリカ人)。
日本人がNCAAバスケットボールコーチに就くことは可能か?
私の周辺で、
「アメリカでバスケットボールコーチになりたい。」
「NBAコーチ、NCAA(D1)コーチになりたい。」
とおっしゃる方が大勢おられます(本当に、大勢です(笑))。
簡単ではないですが、可能だと思います。(本気で目指すのであれば、ですが)
リクルーティングにおいて、日本人にはどうしても不利ではありますが、上のリストにおいても、「リクルート以外の力」を認められて良いポジションを手に入れているコーチがいます。
書きたいことが沢山あるので、また別で投稿しますが、D1コーチを目指す日本人の1人、ジョージアサザンの弓波選手のQ&Aが面白かったので引用させていただきます。
Since I want to be a D1 coach, I have to go with Brad Stevens (Boston Celtics HC). His coaching style and creativeness is just awe-inspiring. His plays aren't complicated but execute really well and that's because he looks at stats really closely to find the opponent's weak spot. I know every coach at this level does it, but he was the first college coach to hire someone who only focuses on stats (Drew Cannon).
ご両親以外でのロールモデルは?と問われての弓波選手の回答。