台湾の若きスター、ベンソンリン(林庭謙)
ベン・ソンリンではなく、、、ベンソン・リン(林)です。念のため。
台湾の次世代バスケットボールスター選手。
ロードアイランド州、ブライアント大学の6-4ガード(2020年秋から2年生の20歳)。
NEC(ノースイーストカンファレンス)2019-2020、オールルーキーチーム選出。
台湾の新北出身で、高校からアメリカ。
バージニアの名門ハーグレイブミリタリーアカデミーから、ロードアイランド州のセントアンドリュースという、ニューイングランドエリアの典型的なプレップへ。一度はニューヨークのD1マンハッタンカレッジへコミットしますがこれを取り止め、最終的にブライアント進学を決めていました。
両親が揃って元台湾代表で、お父さんは現在アンダー代表のコーチとのこと。
シューティングが良いですね。フリースロー8割超えは立派。
2016ジョーダンブランドクラシック、インターナショナルチームにも選出。
富永啓生 vs ベンソンリン
シューティングが良いとなると、比べたくなるのが富永啓生。
NCAAとNJCAAでカテゴリーは違いますが、富永選手がネブラスカに編入後は同級生となる予定で、対戦の可能性もゼロではありません。
*リンは20歳で、富永は19歳。リンはプレップにも通っており、富永は早生まれ。日本流で言えば、学年はリンが1つ上になります。
それぞれのスタッツ(2019-2020):
いつもどおり、独断と偏見です↓
富永啓生 | VS | ベンソンリン |
14 | スコアリング(15) | 12 |
8 | パッシング(15) | 10 |
11 | ハンドリング(15) | 12 |
10 | ディフェンス(15) | 12 |
5 | リバウンディング(10) | 5 |
7 | リーダーシップ(10) | 7 |
8 | アンダープレッシャー(10) | 8 |
7 | デュラビリティ(10) | 7 |
70 | トータル(100) | 73 |
公称で、身長には10センチ(!)差があります(富永183センチ、リン193センチ)。
リンはその割にハンドリングが良く、Bリーグでイメージすると、比江島慎や田中大貴といった代表の万能型が思い浮かぶほどです。
が、「可能性」では富永でしょう。
圧倒的な得点能力を持つ富永は、成長の余地(伸びしろ)が十分。
ボールハンドリングも非凡であることは誰が見ても納得ですし、ドライブからの得点・アシストも今後は増えてくるのではないでしょうか。
重ねて書きますが、富永の渡米後わずか数か月でオファーを出した、ネブラスカコーチ陣の目は確かだったと思います。
ただし、ネブラスカが所属するビッグテンなどでのプレイを考えると、ディフェンスは課題かなとも感じはします。
NCAAのアジア人バスケットボール選手
こちらで一覧にしたように、日本人のNCAAディビジョン1選手はトータルで10人と少ないですが、アジア全体で見れば増えつつあります。
>FIBAの記事 *おすすめです。
↑この記事でまず出てくるのが2015年のU16アジア選手権。
リン率いる台湾が、歴史的な準優勝(優勝は韓国、3位中国で、日本は4位)。
同じくNCAAディビジョン1スクールでの活躍が期待されながら、コロナの影響でリクルート活動がままならず、「やむなく」先日Bリーグ信州入りが発表された、ヤンジェミンが韓国を優勝に導きました。
*翌2016年のU17世界選手権でもリンは大活躍。記事にある通り、台湾は14位に終わったものの(全16国中)、21.3ppgで大会3位(台湾名はLin Ting Chien リンティンチェン)。1位ジャナンムサ(ボスニアヘルツェゴビナ。現ブルックリンネッツ。)に迫る活躍だった、と。→得点ランキング
韓国8位、中国が10位に食い込みました。優勝はアメリカ。2位トルコ、3位リトアニア。
(日本にとって)「韓国や台湾はもはや敵ではない」
これは完全に誤りです。
事実、直近アンダーカテゴリーのイベントではアジアを勝ち抜けず、世界大会に進めていません。
2015年のアジア選手権、準決勝で台湾に敗れた当時のU16日本代表の奮起にも期待です。*八村阿蓮(明成→東海大)や井上宗一郎(大濠→筑波大)あたりはNCAAディビジョン1で通用する選手だと感じましたが。。。
2020-2021シーズンにNCAAディビジョン1でプレイ予定である日本人選手は、UCデービスのヒューホグランド(渡辺飛勇)とジョージアサザンの弓波選手の2人。
今後、木村圭吾選手のD1校へのトランスファーも期待したいですね。
韓国では何と言ってもヒョンジュンリー。デビッドソン大学でリンと同じく来季2年生を迎える彼は、渡邊雄太でさえも成しえなかった、アトランティック10カンファレンスのオールルーキーチーム選出。
そして、同じアトランティック10のセントボナベンチャー。やはり次期2年生のクインティンメトカーフ。テキサス生まれですが、韓国の米軍基地で過ごしており、榎本新作らと同じく、韓国国籍を有するのかどうか。
高橋マイケルのようなケースを除けば、おそらく初めてNCAAディビジョン1でプレイしたアジア人選手は中国の馬健(マーチェン。ユタ大学1993-1995。)だと思われますが、、、
時代は変わりました!
そして、八村塁、渡邊雄太の2人は何というレベルの選手なのか、あらためて思い知らされます。