<3月24日追記>
ユタ大学が、戦績低迷をうけて、ヘッドコーチ、ラリークリスウィアクを解任。
間違いなく、アシスタントを含めたコーチ陣が総入れ替えとなるため、田中力選手へのオファーは白紙撤回となる見込み。
コミット(進学意思表明)せずで、正解。
<追記>
今のところ、オファーはユタ大学から。興味レベルなら、サンタクララ、ハワイ、ウィーバーステイト、ユタバレー、そしてBYU(ブリガムヤング)とのこと。
田中力選手にユタ大学がオファー
12人目のNCAAディビジョン1日本人選手の誕生が確定的です。→前回投稿
以前の投稿から、、、待ちに待っていたオファー!!
パック12カンファレンス所属のハイメジャー、ユタ大学が田中力選手にオファーです。
田中力選手は今オフ、フロリダのIMGアカデミーから、ハワイに引っ越したようです(親類の方がおられる様子)。
8月、ユタで行われたショウケースに参加するや否や、わずか1か月ほどで、州ナンバーワンのプログラム、University of Utahからのオファーを獲得しました。さすがですね!
親類の方もSNSを通して当然アピール。ユタ大学のほか、中山(旧姓)明日実選手の母校ユタバレー(UVU)、デイミアンリラードの母校ウィーバーステイト、そして地元ハワイ州唯一のディビジョン1プログラム、ハワイ大学のコーチ陣に宛て、田中選手のプレイ動画を投稿されていました。
この中では一番の「大物」から、早々にオファーが出た形となります。
田中選手のツイートのとおり、ユタ大学OBはカイルクズマのほか、アンドリューボーガット、アンドレミラー、そしてキースバンホーンら。そして何と言ってもワットミサカ!これも度々書かせていただいている中国人選手、馬健も合わせ、アジアには縁のある学校と言えます。
とはいえ、新興校ながらユタバレーも強力。スタンフォードからNBAに進んだ”マッドドッグ”ことマークマドセンがヘッドコーチを務めるUVU、そしてワットミサカさんの故郷であるオグデンが所在地であるウィーバーステイト、さらにハワイ大学(UH)などは今後どう動くでしょうか。
ウィーバーステイトはもともと短大で、ミサカ氏も進学。その後ユタ大学に編入した形となります。日本では「リラードが無名校出身」と度々紹介されますが、これは誤り。計16回のNCAAトーナメント出場を果たしている強豪校です。NCAAトーナメントには、ユタ大学がさすがの29回出場(全米24位タイ)。2013年にディビジョン1に加入したばかりのユタバレーはまだ出場がありません。ハワイ大学でさえも5回のみの出場ですから、Weber Stateがいかに優良プログラムであるかわかります。ちなみに、「リラードはハイメジャー校からオファーがもらえず、この屈辱をバネに云々・・・」という話も日本語でよく見ますがこれも”後付けの”ストーリー。実際にはアリゾナステイトやサンディエゴステイトといった有力校から強い興味を示されていましたが、リラード自身がこれらを拒否。早々に認めてくれた、ウィバーに恩義を感じたのと、リクルート競争に巻き込まれるのを嫌がったというのが真相のようです。→よくある話です。サンディエゴステイトで、カワイレナードとの共演は見てみたかったですが。
ともあれ、なみの選手なら「即決」してもおかしくない名門校からのオファー。
パック12をはじめとした、他のハイメジャー(西部になるでしょう)へも露出を広げ、さらなるオファー獲得を目指していくのかどうか、コミット(進学先決定)までの田中力選手の動向に注目です。
ユタ大学ユテス(ユーツ)について
文字どおり、州を代表する大学。*ニックネーム、Uteは先住民の部族名で、ユタの語源
NBA選手にまでなったミサカ氏に率いられ、1944年にNCAA優勝。1998年にも準優勝しているユタ大学。富永啓生選手がコミットしている同じくハイメジャー、ネブラスカ大学と比べても、そのプログラムはアメリカでもトップクラス。中でも、体調さえ崩さなければおそらく歴代勝利数が最多となっていたはずの故・リックマジェラスのチームは毎年見るのが楽しみでした。このレジェンドコーチが退いた後はやや低迷。元NBA選手である現在のヘッドコーチ、ラリークリストコウィアクも、2011年の就任以降、NCAAトーナメント出場はわずか2回と苦戦しています。
はっきり言ってクビが危ないユタ大学コーチ陣には焦りもあるのでしょう。昨年オフにはリクルート違反も発覚。ケイドカニングハムを獲得しながら、NCAAトーナメント出場資格をはく奪されているオクラホマステイト大学ほどではありませんが、ユタは現在NCAAから”目をつけられている”状態です。
こうした状況を、”チーム田中力”はよく見極める必要があります。来年の入学前に、勧誘してくれたコーチ陣が揃って解任、というのもよくある話です。
進学先でNCAAトーナメント出場は叶うのか、そして”その先のキャリア”にどう繋げることができるのか。田中選手に限らず、高校生選手には悩ましい、リクルーティングプロセスです。
ただ、ユタ大学の偉大なOB、アンドレミラーはサイズが似ているのでお手本にしてほしい選手ではありますね。彼のボールプッシュは誰にも止められなかった。
NCAAによるアジア・オセアニアリクルート
コロナ禍にあり、NCAAスクールへの留学を躊躇う、あるいはやむをえず中退しての帰国を選択する選手も多いですが、世界中から留学生を集めるNCAAバスケットボール。アジア・オセアニアエリアも例外ではなく、特にユタ大学に進んだアンドリューボーガットを輩出した英語圏、オセアニアはかなり以前から志望者多数。
今回は田中選手と同期となる(Class of 2021)、注目のニュージーランド人選手を2人、簡単に紹介しておきます。
まずはタインマーリー。ESPNで4つ星、数校のハイメジャーからオファーを受けていたマーリーは6-5のスコアリングガード。運動能力にも優れ、カークペニーの進化版という評価です。ディフェンディングチャンピオン、いまや全米一のプログラムともいわれる、バージニア大学にコミットです。
もう1人はタファラギャパレ。6-8のギャパレは渡邊雄太選手の母校、ジョージワシントンへの進学を表明。昨年ラスベガスで行われたBigTimeトーナメントというイベントにニュージーランドから参加。新型コロナの影響によりGWキャンパス訪問は叶わなかったものの、数回のリモート面談を経てのコミットとのことです→こういう例は他にもあるでしょうね
ギャパレの”ゴッドファーザー”はケン”マウス”マクファデン。1980年代に活躍した、ワシントンステイト出身の選手で、スティーブンアダムスの渡米にも大きな役割を果たしたと言われる人物です。
このマクファデンのような人物が日本にも近々現れ(既に存在しているかもしれません)、アメリカ行きのサポートをどんどん行うようになるでしょう。
また、マーリーとギャパレは2020-2021シーズンを地元の高校で過ごすということをしません。プロチームでプレイします。
特にマーリーは、オーストラリア(ニュージーランドにもある)NBLのNZブレーカーズでプレイ予定。NCAAルールに抵触しないよう、もちろん無給(基本)での参戦となりますが、大学進学前のプロスペクトのプロクラブ入りは、もはや当たり前となっています。*豪NBLも開幕が遅れますが、メルボルンユナイテッド入りした日本人、馬場雄大選手とのマッチアップがあれば見ものです。
そして、おそらくは「コミットの目処がついている」ケインロバーツ。2020-2021を、Bリーグ東京Zで過ごす彼にも注目ですね。