ミッドメジャーカンファレンス
先に紹介した7つのハイメジャーカンファレンスに続くリーグです。
渡邊雄太選手のジョージワシントン大学が所属するアトランティック10や、八村塁選手のゴンザガ大学が所属するWCC(ウェストコーストカンフェレンス)はいずれもこのミッドメジャーに属します。
私見ですが、日本代表がもしNCAAに属するなら、レベル的にはこれらミッドメジャーの中から下位、もしくは次回紹介するロウメジャー上位に当てはまると思います。あくまでも現段階ですが。
NCAAトーナメントへは2校以上出場するカンファレンスも多く、シーズンによっては4,5校送り出すことも珍しくありません。
一方、出場枠が1校のカンファレンストーナメントは悲喜こもごも、下剋上が散見される、「本番」NCAAトーナメントと変わらぬ興奮が味わえます。
ATLANTIC10(A10、アトランティック10カンファレンス)
渡邊雄太選手のジョージワシントン大学が所属するアトランティック10は、最もハイメジャーに近いミッドメジャー。
そのレベルの高さは有名で、常に複数校がNCAAトーナメントに出場しています。
デイトンとVCUのNCAAトーナメントは確定と言っていいでしょう。近年の常連校です。
シーズン前に優勝候補にあげられていたロードアイランドがまさかの苦戦。
一方リッチモンドは大躍進。
注目のジョージワシントンも再建の年ながら健闘していると言えます。
NCAAトーナメント出場には、ピッツバーグで行われるカンファレンストーナメントで優勝が必須と厳しい条件ですが、この季節特有の「勢い」がつけばどうなるかわかりません。期待です。
会場はNHLピッツバーグ・ペンギンズのホーム、PPGペインツアリーナ。
COLONIAL(CAA、コロニアルアスレティックアソシエーション)
最近までVCUとジョージメイソン、さらにリッチモンドも所属していたミッドメジャー。
現在は主にワシントンDC周辺の学校で構成。
デラウェアはBリーグ川崎の帰化選手、磨々道の母校。
昨年と同じく、1校のみの出場が予想されます。
レギュラーシーズン優勝はノースカロライナ大学ウィルミントン校が取りましたが、カンファレンストーナメントで優勝すれば2位チャールストンはじめ、どの学校にもNCAAトーナメント出場の道が開かれます。
会場はノースチャールストン。これは言うまでもなくレギュラーシーズン2位のチャールストンに有利。
両校の対戦はいずれも接戦の1勝1敗。注目です。
CONFERENCE USA(カンファレンスUSA)
かつてはハイメジャーの一角を担いましたが、再編により取り残されたリーグ。
それでも知る人ぞ知る有力校が集まります。
地域は南部校が中心ですが、西はテキサス州最西端のエルパソ(UTEP)まで。
リクルーティングが成功しているウェスタンケンタッキーなどは来季以降特に注目。
ハイメジャーに比べればどうしてもレベルダウンは否めず、出場はやはり1校にとどまりそう。
最有力はレギュラーシーズンチャンピオン、ミドルテネシーステイト。昨年トーナメント、15位シードながら2位ミシガンステイトをアップセットしたシンデレラに今年も注目。
が。ここもカンファレンストーナメントを制しなければNCAAトーナメントには出られません。
会場はアラバマ州バーミンガムのレガシーアリーナ。キャンパスではありませんが、これは当然アラバマ大学バーミンガム(UAB)に有利な場所。
下剋上のチャンスが全チームにあります。
HORIZON LEAGUE(ホライゾンリーグ)
インディアナポリスの雄バトラーが所属していた、隠れた名門カンファレンス。
ビッグテンと同様、五大湖周辺の学校が揃います。
バトラーはビッグイーストに引き抜かれましたが、実力校ばかり。
複数校でもおかしくないカンファレンスですが、NCAAトーナメント出場は1校のみの予想。
注目はインディアナ州のパルパライゾ。昨年NIT決勝でジョージワシントンに敗れた好チーム。今季ヘッドコーチに就任したのは、スタンフォード大学出身で、大阪エヴェッサのbjリーグ3連覇に貢献したマット・ロティック。アシスタントコーチにはこれも旧bj宮崎にいたノースカロライナ大学出身のジャッキー・マニュエル。
カンファレンストーナメントはNHLデトロイト・レッドウィングスの本拠、ジョールイスアリーナ。
もちろん、全チームにNCAAトーナメント出場のチャンスがあります。
MID-AMERICAN(MAC、ミッドアメリカンカンファレンス)
ここも五大湖に近い学校が集まるカンファレンス。ホライゾンリーグ同様の実力校が揃います。
NCAAトーナメント出場は1枠。
レギュラーシーズンチャンピオンはアクロン。ゴンザガ相手にアウェイで健闘したのが光ります。
ほか、オハイオ大学はモーリス・ンドゥールの母校であるほか、Bリーグにやってきたゼイビア・フォードのバッファローや、ロン・ハーパー、ウォリー・ザービアックのマイアミ(オハイオ)、アール・ボイキンスのイースタンミシガンなど粒ぞろい。
NCAA得点王のリトルビッグマン、マーカス・キーンのセントラルミシガンは下位に沈みました。
当然カンファレンストーナメント優勝を全チームが狙います。
下位ラウンド4ゲームはレギュラーシーズン上位校キャンパスで実施。
準々決勝からの会場はクリーブランド・キャブスのホーム、クイッケンローンズアリーナ。
MISSOURI VALLEY(MVC、ミズーリバレーカンファレンス)
ネブラスカ州オマハの有力校、クレイトン大学がビッグイーストに引き抜かれましたが、アトランティック10やマウンテンウェストなどと並ぶミッドメジャーの代表的なカンファレンス。
知名度も高い、注目校が集まっています。
名前の通り、ミズーリやカンザス、イリノイ、インディアナにネブラスカ、アイオワを中心とした大平原エリアの学校で構成。
レギュラーシーズン優勝をシェアした、お馴染みウィチタステイトとイリノイステイトが有力。
この2校のNCAAトーナメント出場の可能性が大。
しかしカンファレンストーナメントでこの2校以外が優勝した場合は別。優勝校が優先され、ウィチタ、イリノイステイトのいずれかは出られません。
カンファレンストーナメントは毎年セントルイスでの開催が定着。ゲートウェイアーチにちなみ、”アーチ”マッドネスとして知られる興奮のイベントです。
MOUNTAIN WEST(MWC、マウンテンウェストカンファレンス)
ユタ大学がパック12に引き抜かれましたが、ハイメジャーに近い有力カンファレンス。
ニック・ファジーカスらの母校ネバダ、ポール・ジョージやメルビン・イーライらが出たフレズノステイト、ダニー・グランジャーらのニューメキシコ、カワイ・レナードらのサンディエゴステイト、ラリー・ナンスJrやセオ・ラトリフのワイオミング、そして世界に名を知られるかつての強豪UNLV。
ハイメジャー並みなのは間違いありません。
名称通り、主にロッキー山脈周辺の学校が集まります。
混戦です。
まだレギュラーシーズンは終わっていません。
おそらくNCAAトーナメント出場は1校のみ。
各校、UNLVのトーマス&マックセンターで行われるカンファレンストーナメントで少しでも有利な戦いを進めたいところです。
優勝校のみがNCAAへ。
SUN BELT(サンベルトカンファレンス)
その名の通り、南部の学校が中心。
ノースカロライナのチームも含まれ、アパラチアンステイトはBリーグ三河のアイザック・バッツの母校。
出場枠は1。
レギュラーシーズンチャンピオン、テキサス大学アーリントンを軸に、ニューオーリンズのリバーフロントアリーナ(ニューオーリンズ大学)で行われるカンファレンストーナメントの優勝校が「本番」へ。
WEST COAST(WCC、ウェストコーストカンファレンス)
名前の通り、西海岸の私立校を中心に構成。
WCCはかつてミッドメジャーですらありませんでした。が、ゴンザガの大躍進とそれに続くセントメリーズ(SMC)、さらにブリガムヤング(BYU)、パシフィック大学という大規模校が加わり、完全に戦うステージを上げました。
それでも上位校と下位校の差は激しく、NCAAトーナメントへはゴンザガ+1校がやっとの状態。
開幕からの連勝を29まで伸ばし、ランキング1位を一か月間維持したゴンザガと、こちらもランキング落ちしなかったSMCのNCAAトーナメント出場は確実。
他の学校はラスベガスで行われるカンファレンストーナメント優勝を目論見ますが、ゴンザガの圧倒的優位は動きません。
WESTERN ATHLETIC(WAC、ウェスタンアスレティックカンファレンス)
こちらもかつて名門として知られたカンファレンス。
ニューメキシコやハワイ大学などが所属していましたが、再編により取り残されました。
西部校中心の構成ですが、シカゴステイトも所属。
新興校が目立ち、グランドキャニオン大学はヘッドコーチが懐かしのダン・マーリー。注目校です。
レギュラーシーズン王者はディビジョン1昇格間もない、カリフォルニアステイト大学ベイカーズフィールド。
しかし出場枠は1つのため、カンファレンストーナメント優勝がNCAAトーナメント出場への条件。
こちらもラスベガスのオーリンズアリーナで、WCCトーナメント終了後に入れ違いでスタート。
ゴンザガあたりはカンファレンストーナメントの結果に関わらず、選考委員会の推薦を得られそうですが、出場枠1校のカンファレンスはレギュラーシズンチャンプであっても全くNCAAトーナメント出場が保証されていません。
ジョージワシントンはじめ、レギュラーシーズンで各カンファレンス中~下位校は下剋上のチャンス。
そしてそれが頻発してしまうのがNCAAカレッジバスケットボール。
カンファレンストーナメントから、もう既に「本番」であると言っても過言ではありません。
アツい季節です。
カンファレンストーナメントのスケジュールは→コチラ
→NCAAトーナメント2017出場校予想①-ACC、ビッグ12、パック12、ビッグテン、SEC、ビッグイースト、アメリカン
→NCAAトーナメント2017出場校予想③-ロウメジャーカンファレンス