渡邊雄太選手が所属するジョージワシントン大学。
NCAA、NITに次ぐ、CBI(College Basketball Invitational)というポストシーズントーナメントに参戦していましたが、その準々決勝、アウェイでのイリノイ大学シカゴ校(UIC)に惜敗し、2016-2017シーズンを終えました。
ジョージワシントン大学コロニアルズ2016-2017シーズン総括
通算20勝15敗。アトランティック10カンファレンス、10勝8敗で6位。
2016年NIT優勝チームから、パトリシオ・ガリーノ、ケビン・ラーセンにジョー・マクドナルドのスターター3人が卒業→2016年8月に来日。日本代表や琉球キングスと対戦して全勝→開幕直前に、ヘッドコーチのマイク・ロネガンがパワーハラスメント疑惑で解任→急遽、アシスタントのモーリス・ジョセフが暫定ヘッドコーチに就任
逆境の中であげた20勝。大きく評価できるのではないでしょうか。
同じアトランティック10カンファレンスからNCAAやNITトーナメントに出場したチームとも、大きな差はありませんでした。
渡邊雄太選手2016-2017シーズン総括
*ESPN
スタッツは眺めるだけでニヤニヤしてしまいます(笑)。
出場時間平均35.1分は、あの4年生エース、タイラー・カバノーを上回って1位。FGアテンプト、6.9から9.6に上がったうえで成功率が向上。スリースローも試投増のうえで成功率を80%台に戻しました。
*参考までにBリーグのフリースロー成功率を公式から。渡邊選手とほぼ同じ、試投90本以上で抽出。金丸、ファジーカスがすごい。。。一方で、80%にのってこない日本人選手はちょっと寂しいですね。
外国籍選手がひしめくペイント内は別にして、Bリーグ以上にタフな環境に身を置いている、”6-9の”渡邊雄太のフリースロー成功率は特筆ものでしょう。
スリーポイントと得点そのものを伸ばしてほしいとは思いますが、今季はディフェンスに尽きますね。
身長差にかかわらず、相手エースを追いかけまわす献身ぶりで、カンファレンスオールディフェンシブチーム選出という評価につながりました。
さらに、小さい数字ながら倍増したアシスト。渡邊選手は超絶シューターになるものだとばかり思っていましたが・・・PGもこなせるのでは?というほどのボールハンドリング、パッシングも随所に見せてくれました。
下に書くとおり、渡邊選手が4年生となる来季はカバノーが抜けます。渡邊選手には、40分出場、20ppg、10rpgというような数字を求められますが、怪我に気をつけての奮闘を期待したいと思います。
2017-2018シーズン展望
ジョージワシントン大学は、アトランティック10トーナメント終了後に、”暫定”ヘッドコーチのモーリス・ジョセフに正式オファー。これを受けて、ジョセフはあらためて、コロニアルズのヘッドコーチに正式に就任となりました。当然の動きだと思います。
おそらく20勝あたりが”暫定”ではなくなる目安だったはずですが、主力がごっそり抜けた後、師であるロネガンの解任。よくシーズンを勝ち越せたな、とあらためて恐れ入ります。*ジョセフのコーチとしての評価は高い。彼についても別途書くつもりです。
そのジョセフが迎える来季2017-2018のジョージワシントンはどうでしょうか。
2016-2017スタッツ*ESPN
ロスター*Verbal Commits
*左端カバノーとマット・ハートが卒業。右端青色のセルが今秋入学予定者
新加入選手にはほとんど期待できません。カバノー、ハートが抜けて、入学予定は2人ともバックコート。渡邊含めてガード陣の層が厚いジョージワシントンの課題はずばり、リーディングスコアラー兼リーディングリバウンダーであった、タイラー・カバノーの穴埋めです。
これをコリン・スミス、オルナード・トロ、ケビン・マルフォ、そしてコリン・ゴスで担うこととなるのですが、問題はスリーポイント。6-9のサイズでありながら、ジェレン・シーナに次ぐシーズン165本を放ち67本成功。その確率409を誇ったカバノーのスリーポイントによる得点も、渡邊選手が背負うべき数字になってくるでしょう(スリー試投はスミスが26本、トロが19本、マルフォとゴスはゼロ)。
カバノーが抜けるとはいえ、若いビッグマンたちの伸びしろは大きく、それなりの出場時間は今季から得ていたため、経験値は高い。渡邊選手のショージワシントンでの最後のシーズン。おおいに期待できます。
*またあらためて、A10、ディビジョン1他校も含めた展望を書こうと思います。
<追記>
・カバノーがG3というエージェントと契約。Bリーグ入りはありますでしょうか??
・渡邊選手と同学年で、シートンホール大学からの転校生、ジャレン・シーナがヨーロッパプロリーグでのプレイを目的に、これもエージェントと契約。すでに学位取得済みで、来季ジョージワシントンには戻らない、と。シーナはコソボ代表でプレイ経験あり。
参考記事
・期待されながらプレイングタイムが減っていったビッグ、ケビン・マーフォがトランスファー(転出)。
リクルート含め、コーチ陣は忙しくなりそうです。