ジェイコブス晶選手。
これほどに、”彗星のごとく現れた”といえる選手も初めてでしょう。
例えば、渡邊雄太選手、八村塁選手、そして富永啓生選手。またはシェーファーアヴィ幸樹選手。
彼らはウィンターカップなど、日本の高校バスケットボールイベント、もしくは(いまや目が離せない)TOKYO SAMURAIといった場所で活躍してきた選手。
ところがジェイコブス晶選手はというと、コロナ禍であった2021年初めに、”突如として”Bリーグ・横浜ビーコルセアーズのユースの一員として登場しました。
2メートルのガードに注目しないわけがありませんが、いまだにミステリアスな部分があることはたしかでしょう。
今回は、わずかながらですが明らかになりつつある、ジェイコブス晶選手のバックグラウンドと、彼が出場する大きなイベントについて。
ジェイコブス晶選手はNBAグローバルアカデミーへ?
まず。
ジェイコブス晶選手が高校で「部活」をしないこと、つまりウィンターカップなどに出場しないことはほぼ明らかであり、目指す場所は”NBAグローバルアカデミー”であると考えられます。
そこでこちら。オーストラリア・シドニーのローカル紙サイトから抜粋します。
タイトルは、”アメリカにいたらロックスターになれた”~NBAグローバルアカデミーはいかにして選手のレベルアップに貢献しているのか
「もしアメリカにいれば、ロックスターになれた」
こう言ったのは、マーティークラーク。NBAグローバルアカデミーのテクニカルディレクターです。
> 参考
・NBAとAIS(キャンベラにある、オーストラリアスポーツ研究所)が施設を共有し、グローバルアカデミーを運営。
・現在はオーストラリア人選手6名と、海外選手10名ほどが所属。最近では、中国、カタール、南スーダン、インドネシアなどからも優秀な選手が入ってきている。
・この2年間で、NBAグローバルアカデミー出身のジョシュギディ(オクラホマシティ・サンダー)とダイソンダニエルズ(ニューオーリンズ・ペリカンズ)がNBAにドラフトされ、タイリースプロクターが、今秋デューク大学に入学予定。
・クラーク:「以前は国際試合をするためには、1000万円をかけ、飛行機に乗って20時間飛び、8ゲーム続けてプレーして戻ってこなければならなかった。」
「しかし、今のオージーの子供たちは、アフリカのアスリートやアジアのシューター、南米のタフな選手たちとマッチアップし、しかもそれを毎日こなすことができる。」
・NBAは、アフリカ(セネガル)、アジア(インド)、ラテンアメリカ(メキシコ)にもアカデミーを開設。*中国・新疆にも存在したものの、「様々な」理由で閉鎖
ギディ、ダニエルズ、そしてラテンアメリカのアカデミー出身のベネディクトマスリンがNBA入りを果たしたが、アカデミーはNBA選手を生み出すためというよりも、10代の才能ある選手が洗練されたトレーニング習慣を身につける土台を築くためのものである。
・NBAエリートバスケットボールの責任者であるクリスエバーソールは、先日AISで行われたNBA Basketball Without Borders(BWB) Asiaキャンプを視察するためにキャンベラを訪れ、これらのアカデミーを監督している者として、NBAの役員たちがこのプログラムの影響力に気づいていると言及。
・エバーソール:「ほとんどの選手は、少なくともすぐにNBAに行けるわけではない。」
「現在、80人以上の選手がアカデミーからNCAAディビジョン1校に進学し、ほかに、世界中でプレーしている選手たちがいる。」
「我々はインドバスケットボール史上初となる、男子NCAAディビジョン1校コミット選手を輩出(アマンサンドフ。モンマス大学へ)し、4人目となるNBA・Gリーグ、イグナイト契約選手(エフェアボジディ。ワシントンステイト出身のナイジェリア人)が誕生したところだ。NBAドラフトで指名されるような話題にはならないが、これは大きな前進なのだ。」
「ドラフトで指名された3人は、みんな違うルートでNBA入りしている。マスリンはラテンアメリカのアカデミーから大学(アリゾナ)へ、ギディーはNBL Next Starsプログラム(アデレード36ers)と契約し、ダニエルズはIgniteと契約。」
「どこで生まれた子であっても、才能と願望があれば、”もれ”がないようにしたい。」
・エバーソールは加えて、「NBAはプログラムの強化に取り組んでおり、女性選手ための機会を増やしたい。」とも述べた。
・フォワード(?)のジェイコブス晶選手(18歳)は、BWBキャンプでスポーツマンシップアワードを受賞し、アカデミープログラムへの参加を希望しているとのこと。
ジェイコブス晶選手のバックグラウンド
<抜粋を続けます>
・この200cmのフォワード(?)は、日本とアフリカ系アメリカ人のバックグラウンドを持ち、コロナの影響により、昨年(2021年)カリフォルニアから日本へ戻ってきた。
・ジェイコブス選手:「アメリカではどこにも行けず、高いレベルでプレーすることができなかった。」
「正直なところ、これまでは自分の体に十分な”負荷”がかかっていなかった。コロナ禍で、それを覆すべくいくつかのチャンスに恵まれ、良いパフォーマンスができた。」
・クラーク:「アカデミーの目的は、選手たちがプロとしてトレーニングし、コート内外で自己管理できるように準備することだ。」
「もともとの才能や経歴などは我々とは関係ないが、エージェントや親に任せきりにするのではなく、自分自身を見つめ、自分たちのキャリアに責任を持つ方法を教えている。-パティ(ミルズ)やデリー(マシューデラベドバ)にしたようにね。」
・ウーロンゴンのガード、ジョシュデント(16歳)は、NBAアカデミーチームの選手の一人で、BWBキャンプではベスト10プレーヤーに選ばれた。
・もちろん、デントはドラフトに参加できるのは数年先だと理解しているが、ギディやダニエルズらは、NBAが手の届かないところではないことを示している。
・デント:「考えないようにしようと思っても、ジョシュやダイソンのような選手がいることで、道筋ができ、自分のゲームを形成することができ、努力は報われるとわかってる。」
<抜粋ここまで>
ジェイコブス晶選手の詳細というよりは、NBAグローバルアカデミーの紹介のようになってしまいましたが、、、
このアカデミーに参加できた日本人選手はこれまでゼロ。
2017年の開設以来わずか数年で、D1選手はもちろん、NBA選手までも輩出した、この”崇高”と表現できるアカデミーへの参加は、ジェイコブス晶選手の今後にとって、非常に意味のあるものとなりそうです。
FIBAアジアU18バスケットボール2022
ものすごく、楽しみです。
> 再度、こちらもどうぞ。
BWBなどでの、わずかながらの映像、そしてビーコルユースの一員としてのプレイこそ見れましたが、ジェイコブス晶選手の、”シリアス”ゲームにおけるパフォーマンスは貴重。
必見でしょう。
しかもそれが、来年のU19ワールドカップ(ハンガリー)出場をかけてのイベントにおけるものなのですから、タマリマセン。
> 公式サイト *上位4か国が2023年U19ワールドカップに出場
※視聴はYou Tubeにて
U18バスケットボール男子日本代表
> 日本バスケットボール協会(JBA)による代表選手アナウンス
過去最強と言っていいでしょう!!
※川島悠翔選手、マックニールキシャーン大河選手も出場!!
一方で、少し残念に思うことも。
まず、このイベントに、オーストラリアとニュージーランドが参加しないこと。
彼らオセアニア勢を倒したうえで、ワールドカップに臨みたかった。欲を言えば。
そして、日本代表において、他にも見たい選手がいたこと。
特に、岡田大河選手。
スペインの、Zentro Basket(マドリッド)ユース所属の岡田選手は、上に書いたBWBアジアキャンプにおいて、オールスター選出!!
> FIBAの記事 *女子選手にも注目!!
見てみたかった。。。
もっと名前が知られるべき選手でしょう。
<参考記事>
> BWBキャンプにコーチとして参加した、ジャレットアレンのインタビュー *記事内の写真にも注目