いつもどおり、NBAとBリーグに遅れること約1か月。NCAAカレッジバスケットボールの新シーズンもいよいよ開幕まで1週間と迫りました。
公式戦スタートに先立って、各校スクリメージやエキシビションを実施。そして本家AP通信が、プレシーズンランキングをリリースしました。
AP通信NCAAディビジョン1バスケットボールプレシーズンランキング
*チーム名横カッコ内の数字は1位票
1位はデューク。入学を1年繰り上げたマービンバグリーの獲得がモノを言いました。
2017年のドラフトエントリーを見送ったスター、マイルスブリッジスを中心に、有望選手が揃うミシガンステイトが2位。以下、アリゾナ、カンザス、ケンタッキー・・・お馴染みの名前が並びます。
昨季準優勝で、八村塁選手のいるゴンザガは18位。
渡邊雄太選手のジョージワシントン大学が所属するアトランティック10はAPでランク入りなし。
ハッサンマーティンの母校ロードアイランドやデイトンが得票していますが、25位以内に入りませんでした。
NCAAディビジョン1日本人バスケットボール選手所属校の動向
レギュラーシーズン開幕前に恒例のエキシビション。多くのディビジョン1校が”噛ませ犬”を招いて実施しました。
ジョージワシントン大学と渡邊雄太
ジョージワシントンは昨季のディビジョン2準優勝校フェアモントステイトをホームに招待。心配する声もありましたが、86-63で一蹴。もちろんスタートで登場したエース、渡邊雄太は21点、11リバウンドといずれもゲームハイの、まずは期待通りの数字。特に話題に上がったのがフリースローで、12/15は頭抜けたものでした。昨季は1ゲーム平均3.3のフリースローアテンプト。今季はこれがおそらく数倍に上るでしょうから、FT成功率は大きなカギとなりそう。昨季も817と悪くありませんでしたが、先輩タイラーカバノーは試投が渡邊の倍以上で確率848でした。「少なくとも」カバノー並みの成功率を維持することはチームの勝利、そして渡邊個人の(NBAスカウトなどによる)評価アップには不可欠です。もう一つポイントとなりそうなスリーは1/2。そしてディフェンスは相変わらずよく脚が動いていました。
フル稼働必至のシーズンですから怪我には十分注意したい。
スタートはほぼ予想通り。バックコートは渡邊と並んで21点取ったジャイアボールデンと、1年生のテリーノーランJr.。インサイドは逞しさが増した2年生オーナルドトロに、”ベテラン”パトリックスティーブス。
層の薄さは否めませんが、ジョージワシントンの堅実さは相変わらず。アトランティック10カンファレンスでも下位予想がされていますが、全くわかりません。チームディフェンスには定評のある学校だけに、化ける可能性、NCAAトーナメント出場の可能性は決して少なくないでしょう←毎年言っていますが、本当に可能性は少なくありません。良いプログラムです。
ゴンザガ大学と八村塁
世界が注目するプログラム、ゴンザガ。そのスターターについに日本人選手、八村塁が名を連ねました。日本で大暴れしているアイラブラウンでさえも、ゴンザガ在学中にたった1度しか経験できなかったスターターの座。すごいことです。
後半は同級生のフランス人、キリアンティリにスタートを取って代わられた八村のスタッツは4点、6リバウンドに、チームハイの5アシスト。FIBAゲームとは勝手が違うのか、2018年のドラフト1巡目指名候補という評価通りの数字では無かったものの、彼の才能は誰もが認めるところ。爆発する”きっかけ”は、昨季と比べていくらでもあるでしょう。NBAには来年行くにしろ先延ばしにするにしろ、充実したシーズンを送ってもらいたいですね。
八村以外のゴンザガのスタートは、昨季からの主力、ジョナサンウィリアムスとジョッシュパーキンスにサイラスメルソン。もう一人は1年生フォワード、コリーキスパートでした。ウィリアムス、パーキンスとメルソンの3人は確定でしょうが、残りの固定にはもう少し時間をかけそうです。ともに昨季はレッドシャツだった、レフティのスコアラー、ザックノーベルと、デンマーク人ビッグ、ジェイコブラーセンを含めた8人のローテーション入りが有力です。
今日最高のパフォーマンスを見せたのはキリアンティリ。スリーポイント3/3を含む、FG11/11の”パーフェクトゲーム”で28点。八村と対照的に、U19ワールドカップを不完全燃焼で終えた彼が鬱憤を晴らすようなプレイを見せました。
お馴染みのNBAドラフトネット。最新のモックドラフトで、仲良くアーリーエントリーを予想されている八村とティリの安定した活躍があれば、ゴンザガは昨季と同様の強烈なシーズンを送るでしょう。
ジョージアテックとシェーファーアヴィ幸樹
ジョージアテックは早々にエキシビションを終了。同じアトランタにキャンパスのあるジョージアステイトに敗れた上に、U19ワールドカップUSA代表メンバーだったエース、ジョッシュオコギーが、NCAAルールに抵触する額のアパレル・食事を受け入れたことが発覚して出場停止。中国での開幕公式戦、vsUCLAは当然不利との見方が圧倒的です→ESPNの記事
その分、シェーファーアヴィ幸樹選手のプレイタイムが発生すればよいのですが。。。
中国と友好関係にあるパック12恒例のイベント。UCLAのホーム扱いです。日本でもこのような招待大会がほしいですね。
ポートランド大学とタヒロウディアベイト
帝京長岡高校出身のマリ国籍、タヒロウ・ディアベイトが進んだポートランド大学もエキシビションを実施。2ゲーム目となる今日は、ゴンザガと全く同時刻に行われました。
1ゲーム目、ロドニースタッキーの母校でゴンザガの近隣にあるイースタンワシントンには70-76で敗れたものの、同じポートランドにあるディビジョン3校、ルイス&クラーク大学には103-61で圧勝しました。*ルイス&クラークは、日本協会のキーマン・東野技術委員長がかつて留学した学校。小さいながらもスマートなスタイルで有名です。
どちらのゲームでもスタートを務めたタヒロウ。目立った数字は残していませんが、その能力の高さは日本でも知られたところ。八村との直接対決も含め、タヒロウとポートランド大学にも注目です。
ピマコミュニティカレッジと榎本新作(アイザイアマーフィー)
最後はNCAAではなく、短大の組織NJCAAに属するアリゾナ州のピマコミュニティカレッジの榎本新作(アイザイアマーフィー)。こちらは公式戦が開幕。動画は上がっていませんが、ホームでアリゾナクリスチャン大学のプロスペクトディベロプメントチームと対戦。榎本のゲームハイ、26得点もあり、115-90と快勝。→公式ページ
ピマCCでの最後のシーズンとなる榎本。早くディビジョン1への編入のニュースを聞きたいところです。
11月のNCAAカレッジバスケットボールスケジュール
日本人選手らが所属する、NCAAディビジョン1各校の11月のスケジュールをまとめました。
見づらくてスミマセン。
日本時間11月11日土曜日。
ジョージワシントンの開幕戦は、同じワシントンDCにキャンパスのあるブラックカレッジ、ハワードと。ゴンザガもホームで、相手はテキサスサザン大学。この日注目は、中国でのジョージアテックvsUCLA。さすがにUCLA有利でしょうか。
ポートランド大学は1日遅れて、日本時間12日日曜日に公式戦開幕。相手はクロスタウンライバル、ポートランドステイト。
ジョージワシントンは2戦目でいきなりACCの強豪フロリダステイトとアウェイで対戦。ドウェインベーコンやジョナサンアイザックらが抜けていますが、侮れないチーム。日本時間11月15日午前9時から。
ゴンザガも2戦目に、ハワード大学をホームに招きます。偶然。ハワードにとってはジョージワシントンに続く、いわゆるギャランティゲームにおける噛ませ犬。11月15日。続く19日にやはりホームに迎えるユタステイトはなかなかの強豪。
既に書きましたが、重要なのが日本時間11月24日。
ワールドカップ予選vsフィリピンを19時に控えるこの日、PK80フィルナイトインビテーショナルがポートランドで開幕。日本時間午前4時30分から、まずポートランド大学がディフェンディングチャンピオン、ノースカロライナと激突。続いて、午後2時からゴンザガvsオハイオステイト。さらにラスベガスインビテーショナルに参戦するジョージワシントンが、これもランク校ゼイビア大学と午前7時から対戦。
*これらはトーナメントイベントのため、勝てば次のラウンドのゲーム、敗れても敗者戦が翌日以降行われます。中でも注目はゴンザガ。オハイオステイトに勝てば、次はおそらく8位フロリダ。これにも勝てば、決勝でナンバーワン、デュークとの対戦が濃厚です。
ジョージアテックは日本時間11月29日のvsノースウェウスタンが注目。果たしてオコギーらが戻れるかどうか。
*いずれも無料での視聴は限定的です。現状ではESPNプレイヤーなど、有料プログラムへの申し込みが必要でしょう。