NBAの存在
それが良いことなのかどうか。
バスケットボールの世界では、人気・実力・・・すべての面でNBAが圧倒的な存在です。
現在、クラブ世界選手権のようなイベントは行われていませんが、
NBAチャンピオン=世界チャンピオン
であることに疑問を持つ人はいないでしょう。
バスケットボールというスポーツの発祥国でもあるアメリカは、サッカーでいうところのイングランドとブラジルとスペインを足して3で割ったような国。
そのアメリカのトップリーグ、NBAが頭抜けているのは当然と言えば当然です。
では、NBA以外のプロバスケットボールリーグはどこも似たり寄ったりなのか。
そういうわけではないですね。
今回は、「NBA以外の」世界のプロバスケットボールリーグについて。
世界のプロバスケットボールリーグ
以前の投稿で、ESPNの名物アナリスト・フランフランシラさんの記事(2017年1月)を紹介し、「イスラエルが入っていない」といちゃもんをつけたのですが(笑)、同じ年の2017年、12月に再度フランさんが同様の記事をアップされていたので今回はそちらに基づきまして。*もちろん私のいちゃもんは何の関係もありませんが、イスラエルリーグがランクイン
1. ユーロリーグ(国際リーグ)
誰もが納得。16クラブで構成(現在は18)。財政も強固であり、およそ100名のトップ選手がNBAの「底」レベルよりも稼いでいると。
NBAとの行き来も活発。
(1ランク下とされる)ユーロカップ、FIBAチャンピオンズリーグ参戦のチームと同様に、シーズン中はそれぞれの国内リーグも戦う。通常10月に開幕し、翌年6月に終了。
*この時点(2017年12月)で、18歳のルカドンチッチ(当時レアルマドリッド所属)が素晴らしいと言及。
本当にハイレベル!!
2. ユーロカップ(国際リーグ)
ユーロリーグの"feeder"、「支流」リーグ。多くのチームが数十億の予算を持ち、前シーズンにユーロカップで成功したチームがユーロリーグに参戦するケース多いと。
私はEL(ユーロリーグ)とレベルの差が確認できません。というくらい、EC(ユーロカップ)もハイレベル!
3. ACB(スペイン)
これも納得の順位。ドメスティックリーグではナンバーワン。財政面で不安定さもあるものの、多くのクラブがユーロリーグ・ユーロカップに参戦できるレベル。レアルマドリッドとバルセロナが有名ではあるが、しばしば低予算クラブがリーグ制覇。バレンシアやバスコニアももはやお馴染み。
NBAとの往来活発。層の厚さ、リーグの各コーチの教えにより、アンセルフィッシュなスタイルであることが興味深いと。
4. BSL(トルコ)
財政強固で、1部下位チームの予算がACBトップクラブを上回ると(レアルとバルサは除く)。お金にものを言わせている面あるが、最近のトップ選手成功例はピッツバーグ大学出身のブラッドワナメイカー(イスタンブールのフェネルバフチェ→2018年にNBAボストンへ)。
5. ロシアVTB United(ロシアと記載あるが、旧ソ連国+ポーランドクラブで構成される国際リーグ)
ロシアのトップチームおよびエストニア、ラトビア、ベラルーシに、ポーランド、カザフスタンの計13チームで構成。ほぼ、CSKAモスクワの独壇場であると。*事実、CSKA以外の優勝チームなし。。。
冬の気候が厳しいエリアだが、いくつかのクラブのサラリーが他欧州国のそれよりも高い。
長くCSKAでプレイするカイルハインズは特に有名。
6. LBAセリエA(イタリア)
イタリアリーグも財政不安定な面あり。
5人か、7人の外国籍選手を保有できる。が、給与支払いの不安から、プレイヤーの質は低下している。
高名なリーグであるにもかかわらず、財務上の問題により、近年ユーロリーグに参加できているのはオリンピアミラノのみである。
オリンピック金メダル、NBAチャンピオン、さらにヨーロッパ王者に輝いた選手は史上わずか2人。マヌジノビリとビルブラッドリー。ジノビリがヴィルトスボローニャで、ブラッドリーはオリンピアミラノで欧州チャンピオン。
7. LNB ProA(フランス)
ヨーロッパのトップリーグではないが、トニーパーカーをはじめ、ボリスディオウ、エバンフォーニエにイアンマヒミなど多くのNBAプレイヤーを輩出している。即NBAやヨーロッパで活躍できる選手が急増中。
セクドゥンブヤもその1人でした。
8. ギリシャリーグA1(ギリシャ)
ほぼ、オリンピアコスとパナシナイコスが支配。この2強がヨーロッパでのギリシャリーグの存在感を強大にしていると。
”ギリシャダービー”はサッカー同様に超有名。
9. BBLバスケットボールブンデスリーガ(ドイツ)
文字通り、お国事情を反映。財政面も堅実な優等生リーグ。複数のクラブが国際リーグに参戦。
デニスシュルーダー、ポウルジプサーをNBAへ輩出。
ともにミシガン大学へ進んだモウリッツとフランツのワグナー兄弟が、アルバベルリンに所属していた。
10. FIBAチャンピオンズリーグBCL(国際リーグ)
ユーロリーグ・ユーロカップに続こうと立ち上げられた。バスケットボール版の「チャンピオンズリーグ」を名乗る。
多くのドメスティックリーグ優勝クラブを抱えるものの、いずれも小国のチャンピオンであり、EL・ECはまだ遠い存在。
11. アドリアティックリーグABA(国際リーグ)
旧ユーゴスラビアの6か国で構成されるインターナショナルリーグ。近年、欧州からNBAへ渡る出発点としての存在であると。
若い選手にとって魅力的なのは、プレイングタイムとハイレベルなコーチングを享受できる点である。加えて、このエリアほど多くのNBAスカウトを配している地域はないことも。
"buy low and sell high"
レベルにおいて欧州トップに割って入れていないが、ABAは育成が伝統的に優れており、「安く買って高く売る」スタイルが定着。
2014年から、ベオグラードのKKメガが9人のNBAドラフト選手を輩出。その1人がニコラヨキッチ。
12. NBL(オーストラリア)
比江島の挑戦はうまくいかなかったものの、多くの若い選手にとってますます魅力が増している急成長リーグ。
NBAとのエキシビジョンはもはや恒例。当時シドニーキングスに所属し、ユタジャズ相手に19得点のカンザス大学出身、ペリーエリスは怪我がなければBリーグ・大阪エヴェッサでプレイしていたはずの選手。。。
13. プレミアリーグ(イスラエル)
ハポエルエルサレムからマッカビテルアビブへ。アマレスタウダマイヤーが所属の2つのクラブを除いては裕福とは言えないまでも、サラリーは安定している、外国籍(主にアメリカ人)に人気のリーグ。
かつて欧州トップに君臨しながら、やや衰退気味のマカビテルアビブの復活に期待と。
14. CBA(中国)
多くのバスケットボールファンが存在する国ながら、上記リーグに比べればレベルは高くないと。
欧米のスター選手はサラリーとシーズンの短さに惹かれてやってくる。
自国選手の育成そっちのけで、外国籍のシューテュングショーと化している面あり。(たしかに)
フランさんの、Bリーグについてのコメントもそろそろ聞けるのではないでしょうか。期待。
プロバスケットボールリーグと代表
続いては、各国プロリーグと代表の関係を。
リーグ | 国 | FIBAランキング | |
1 | ユーロリーグ | - | - |
2 | ユーロカップ | - | - |
3 | ACB | スペイン | 2位 |
4 | BSL | トルコ | 15位 |
5 | VTB United | 旧ソ連国+ | ロシア11位、エストニア49位、ラトビア27位、ベラルーシ52位、ポーランド13位、カザフスタン75位 |
6 | LBAセリエA | イタリア | 12位 |
7 | LNB ProA | フランス | 6位 |
8 | ギリシャリーグA1 | ギリシャ | 7位 |
9 | BBL | ドイツ | 18位 |
10 | FIBA BCL | - | - |
11 | ABA | 旧ユーゴ国 | ボスニアヘルツェゴビナ45位、クロアチア14位、モンテネグロ26位、北マケドニア53位、セルビア5位、スロベニア17位 |
12 | NBL | オーストラリア、ニュージーランド | 3位 |
13 | プレミアリーグ | イスラエル | 41位 |
14 | CBA | 中国 | 28位 |
- | Bリーグ | 日本 | 40位 |
FIBAランキング あのイスラエルが日本よりも下??!!
けっこう如実に、ドメスティックリーグの繁栄が代表強化に繋がっているように感じられますね。
あとやはり国力(お金)と政治の影響。
Bリーグと異なるのは外国籍(ここでは主にアメリカ人)選手のサイズが決して大きくないこと。むしろ小さい選手を連れてきている。
リーグはもちろん、高校、大学までもが大きい外国籍ばかりを連れてきて、代表は欧米のスタイルを真似る。
これは何かが間違っているのではないかと思うのですが。。。
*小さい外国籍も獲れ獲れと喚いている私ですが、「稼ぐことが大前提」であることは理解しているつもりです(特に今のような非常事態ではなおさら)。
<後記>
以下は、他に参考とした記述です。
EUROHOOPS(ユーロフープス)による類似記事(2018年10月)
FIBAランキング8位、リトアニアのLKLは確かに捨てがたい。
br(ブリーチャーリポート)(2012年8月)
FIBAチャンピオンズリーグのクラブランキング *FIBAさんが「世界統一」をして下さるに越したことはないんですけどね。。。
*”コロナ”状況は別にして、、、日本人選手はもっともっと海外にとも喚いている私ですが、(これもNBAを除けば)Bリーグのサラリーは意外と(?)良いものではないかと思っております。*Bリーグ公式の経営情報ページ。面白いです。
リーグ運営ではドイツ、クラブ運営ではスペインの「低予算」チーム、そして育成ではセルビアがやはり気になりますね。
もう何十年も前から・・・旧ソ連、旧ユーゴスラビアのバスケットボールはすごかった。本当にすごかった。けれども、東欧はお金がなかった。良い選手は西欧、そして後にNBAに稼ぎに行ったのですね。
もしも「政治とスポーツが完全に別のもの」ならば・・・
1980年のモスクワオリンピックや1984年のロサンゼルスオリンピックで、そして1992年のバルセロナで、アメリカ対旧ソ連、旧ユーゴっていうのは見たかったですね。
最後に、元旦のメッシーナさんの記事。やっぱりスゴイですね。
支離滅裂になってしまいましたが、、、以上です。