<4月4日追記>
NCAAカレッジバスケットボール2021男子ファイナル
日本時間 | 4月6日(火) |
10:20 | ベイラー大学ベアーズ vs ゴンザガ大学ブルドッグス |
ファイナルフォー2021!男子NCAAトーナメント
出そろいました。
日本時間 | 4月4日(日) |
6:14 | 中西#2ヒューストン vs 南#1ベイラー |
9:34 | 東#11UCLA vs 西#1ゴンザガ |
ファイナルフォー2021-男子展望
テキサス対決西部、西部対決となりました。
東高西低の傾向が強いNCAAカレッジバスケットボールにおいて、ミシシッピ川よりも東にある学校が1つもファイナルフォーに残れなかったのは、史上初だそうです。
ヒューストン大学クーガース(28勝3敗、アメリカンアスレティック) vs ベイラー大学ベアーズ(28勝2敗、ビッグ12)
同じテキサス州にあるというだけでなく、親しい間柄にあるプログラムです。
というのも、それぞれのアシスタントコーチ、ヒューストンのアルビンブルックスの息子が、ベイラーACのアルビンブルックス3世という親子対決であるからです。
*息子さんによる記事を以前紹介しました。いま読み返しても、良い内容だと思います。→バスケットボール選手としての価値を高めるために必要な5つのこと
予想では大勢がベイラー勝利ですが、ヒューストンHCのケルビンサンプソンはオクラホマ大学時代にもチームをファイナルフォーに導いた名将。
好ゲームが期待されます。
UCLAブルーインズ(22勝9敗、パック12) vs ゴンザガ大学ブルドッグス(30勝0敗、ウェストコースト)
親しいと言えば、ベイラーとこれも親密なのがゴンザガ。
ウォークオンとして、八村塁選手とも1季を過ごしたレムバカマスが現在ベイラーのスタッフとして働いており、両校はシークレットスクリメージなどを行う間柄です。
UCLAはよくぞ這い上がりました。
が、もともと好選手を揃えており、ここまで9敗しているのが信じられないほどのチーム。
特に、ここにきて評価を上げているのがケンタッキーから転校してきた、ベトナム系のジョニージュザン(発音が、”ジュゼン”と聴こえます)。トーナメントに入ってからのアベレージが21.6ppgと絶好調の彼が、先輩レジーミラーやジェイソンカポノばりの活躍を、ファイナルフォーでも見せることができるでしょうか。
ゴンザガ大学バスケットボールの凄みと強み
UCLAとゴンザガの対戦と言えば、2006年リージョナルセミファイナルのゲームが忘れられません。
22年連続のNCAAトーナメント出場。
6年連続のスウィート16。
そして2017年に続いて2度目のファイナルフォーですが、優勝が遠いゴンザガ。
再び巡ってきた大きなチャンスであった2020年は、COVID-19により阻まれました。
悔しさを晴らすべくのぞんだ今シーズン、ここまで無敗できたゴンザガの、並々ならぬ決意がうかがえます。
奇跡のプログラム
が、ここであらためてゴンザガ大学バスケットボールのすごさを確認しておきたいと思います。
22年連続のNCAAトーナメント出場。
このこと自体がとんでもない快挙なのです。
先日、Sporticoというスポーツビジネス系のサイトが、面白い記事を載せていました。
テーマはアップセットであり、今年のNCAAトーナメント1回戦、南の15位シード・オーラルロバーツが、同2位のオハイオステイトを撃破したゲームが、いかにスゴイことかという内容です。→該当記事
ここに、NCAAトーナメント出場校の、アスレティックデパートメント(体育局)の予算が記されています。これによると、オハイオステイトはおよそ200億円(!)であり、オーラルロバーツがわずか(?)12億円。
呆れてしまう数字ですが、、、
ファイナルフォー出場校はどうでしょうか。*おおよその数字です
UCLA | 125億円 |
ベイラー | 100億円 |
ヒューストン | 70億円 |
ゴンザガ | 30億円 |
記事にあるとおり、やはり巨大スタジアムが満杯になる、フットボールプログラムを所有しているハイメジャー校は強い。お金が集まる。フロリダステイトやテキサス、そしてUCLAなどがその例です。
ゴンザガはと言うと、フットボールチームを持っていません。
これにより、体育局の予算は非常に限られるわけです。
にもかかわらずの、2度目のファイナルフォー。
今季倒した相手はオクラホマ、USC(2度)、カンザス、オーバーン、ウェストバージニア・・・
ゴンザガが、奇跡のプログラムとされる所以です。
多くのNCAAディビジョン1校のヘッドコーチ同様、ヒューも長らく(10年ほど)アシスタントコーチを務めてきました。
アシスタントコーチの主な仕事は選手のリクルート。
これをゴンザガで実施するうちに、ヒューはおそらくアメリカ国内のリクルートに限界を感じていたのでしょう。
そこで、国内競争をいったん諦め、海外の選手に目を向けた。
ヘッドコーチに就任すると、この課題をアシスタントコーチのトミーロイドに託します。
ロイドはヒューの期待に応え、八村塁らを含めた、優秀な留学生を集めてきたことは以前書きました。→こちら
これにより、好成績をおさめたゴンザガには、今度はアメリカの有望選手の方から入学希望が寄せられるようになったわけです。*その中でもベストと言われるのがジェイレンサッグス
限られたリソースの中での、「創意工夫」により花開いた、あまりにも見事なプログラムではないでしょうか。
なんだかんだ言いながら、NCAAトーナメント優勝校はハイメジャー校が独占しています。
notハイメジャー校の優勝は、、、1990年のUNLV。ですが、ラスベガスは西部有数の規模を誇るメジャー。ゴンザガとは比較になりません。
もう1つ遡ると、1977年優勝のマーケット。ですが、マーケットもやはり大規模校。
となると、さらに遡って1966年。映画「グローリーロード」で有名なテキサスウェスタン大学(現在のテキサス大学エルパソ校)。
実に55年ぶり。
ワシントン州スポケーンにある小規模私立校、ゴンザガの初優勝は達成されるでしょうか。
<参考>
とはいえ、ゴンザガの予算30億円というのも、とんでもない数字です。
日本の大学とは比較にならないですが、Bリーグをみてみましょう。
「営業費用」が最も高いのは、アルバルク東京。その数字は約15.5億円。
→ゴンザガ大学アスレティックデパートメントの決算書(2018-2019)
*NCAAスクールは「選手の人件費」ゼロ。
*ゴンザガ大学アスレティックデパートメントのバーシティスポーツは、男女合わせて16(男子バスケットボールが占める割合が大きいのは間違いないですが)。