八村塁や渡邊雄太。
彼らに続く日本人NBA選手は誰か?
または、これからのバスケットボール日本代表をけん引する選手は誰か?
ということを考える時、ジェイコブス晶選手の名前は必ず出てくるでしょう。
今回は2023年U19ワールドカップで日本を世界のベストエイトに導き、2024年パリオリンピックにも出場。NCAAディビジョン1・ハワイ大学で2季を過ごした、ジェイコブス晶選手について。
そして、今オフにジェイコブス晶選手が転校を決めた、同じくNCAAディビジョン1・フォーダム大学についても。
> パリ五輪スタッツ わずかな出場時間ながら、若干20歳にしてのオリンピック!
(2023年にWUBSを観に行った時、ハシゴして、セントメリーズインターナショナルスクールで行われた、ハワイ大学と東京サムライのスクリメージを見ました。当時、ハワイ大学での1年生シーズンを前にしたジェイコブス選手は18歳。そしてこの時UHを迎え撃った東京サムライに所属していた、伊久江ロイ英輝選手もまた、2024年にハワイ大学へ進学。怪我によるレッドシャツシーズンを過ごした後、先日Bリーグ・川崎への入団がリリースされました。)
フォーダム大学のバスケットボール-NCAAカレッジ情報65

フォーダム大学(Fordham University)概要
タイプ | 私立 |
ロケーション | ニューヨーク(ブロンクス) |
ニックネーム | ラムズ(Rams) |
チームカラー・スクールカラー | エンジ |
カンファレンス | Atlantic10(アトランティックテン、A10) |
バスケットボールアリーナ | ローズヒルジム("The Prairie"、3,200人収容) ※2025年1月に完成から100周年を迎えた、現役では全米最古のD1ホーム |
フットボールスタジアム | コフィフィールド(7,000人収容) |
オフィシャルサプライヤー | ナイキ(投稿時点) |
ローズヒルジムは一見の価値あり!
パッとしないイメージがありますが、学業でも優秀な古豪。(一般世間的には小室圭氏絡みで知られる)
「都会にあるD1プログラム」を求めていた、渡邊雄太選手が進学を検討した大学としても有名。※ご存じのとおり、渡邊選手は同じアトランティック10のジョージワシントン大学へ。
フォーダム大学のバスケットボール
繰り返しますが、古豪。
逆に言えば近年は低迷しており、最後のNCAAトーナメント出場は33年前の1992年。
1971年にスウィート16進出も、合計出場回数はわずか4回にとどまる。
フォーダム大学出身のNBA選手
多くはない。スマッシュパーカーをかろうじて覚えているレイカーズファンの方がいるかどうか。
そしてエリックパスカル。渡邊選手と同期で、同じプレップスクールであるセントトーマスモア出身のパスカルはフォーダムへ進み、アトランティック10のルーキーオブジイヤーを受賞。これを足掛かりに、エリート校であるビラノバへの転校を成功させ、2018年にNCAAトーナメント制覇に貢献。2019年にNBAドラフト二巡目41位でウォリアーズに指名。3季NBAで過ごした後、昨季はイタリアでプレイしたようです。
その他知られるところでは、1971年にチームを史上最高のNCAA16強に導いた名将、ディガーフェルプス。出身はお隣ニュージャージー州のライダー大学ですが、フェルプスは1971年から名門ノートルダムに移り、20年間コーチ。1978年に同校をファイナルドーに進めています。
その1971年のチームにいたのがPJカーリシモ。カーリシモは1989年にシートンホール大学をファイナルフォーに導いており、1992バルセロナオリンピックでUSAアシスタントコーチ。その後はNBAでコーチ業を務めました。母校フォーダムのアシスタントコーチ時代には、名優・デンゼルワシントンを指導したことでも知られます。
ヘッドコーチ・マイクマグパヨ
!!!
ジェイコブス晶選手がフォーダムへのトランスファーコミットをする、わずか数か月前。
不振にあえぐフォーダムが次期ヘッドコーチに指名したのが・・・
マイクマグパヨ!!
まさか、まさかでした。
過去の投稿、ぜひ読んでほしいです↓
初の”100%アジア系”NCAAディビジョン1(男子)ヘッドコーチが誕生
コーチ・マグパヨは2020年に、”初の100%アジア系”NCAAディビジョン1バスケットボールヘッドコーチとして、カリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)でヘッドコーチデビュー。
2023年に、ビッグウェストカンファレンスのコーチオブジイヤーに輝くなど、5季で89勝の実績。
D1コーチ業はコロンビア大学でのアシスタントをスタートとしており、今回のフォーダムへの異動はニューヨーク凱旋となります。
コロンビア時代に仕えたのが現スタンフォード大学ヘッドコーチのカイルスミスで、当時のコーチ仲間には、見事2025年王者についたフロリダ大学HCトッドゴールデンらがいました。
言うまでもなくA10はハイレベルですが・・・期待せずにはいられません!
フォーダム大学とジェイコブス晶選手
彼はハワイ大学時代に、同じビッグウェスト所属校であるUCRと4度対戦。マグパヨがジェイコブスを認めてのトランスファーは間違いありません。> リクルーティングストーリー
あらためてのブレイクダウンにつきましては、こちらが非常に詳しいので参照。
※すごいサイトです。ジェイコブス選手のみならず、フォーダム大学バスケットボールの全てが書かれています。
ジェイコブス選手については・・・とても現実的に書かれています。
ディフェンスに課題がある、と。小さく、速い選手についていくのが難しく、大きく、重い選手に苦しめられる、と。
ただこれは裏を返せば、オフェンス面ではサイズとスピードのミスマッチを創り出すことを意味しています。
得意のスリーポイントを伸ばしつつ、「どれだけ強くプレイできるか」。
2014年から4季、同じアトランティック10でプレイした、渡邊雄太選手が抱えた同様の課題と向き合うことになります。
フォーダムの、1992年以来のNCAAトーナメント出場は成るか。ジェイコブス晶選手がどこまでチームに貢献できるか。
楽しみです!
フランス、ドイツ、そして数名のオーストラリア人選手。もはや珍しくない多国籍ロスターの中に、ミシガン大学から移ってきた、(これも珍しくないNBA選手2世)ジュワンハワードの息子ジェイスもいます。