Bリーグはルール変更、高校は進路拡大指導を
日本のプロバスケットボールリーグ・Bリーグは、日本の高校でバスケットボールをプレイした留学生選手(主にアフリカからやって来る)が、日本人選手と同様に扱われるか、もしくは留学生枠というものを作り、彼らがNBA経験のあるようなハイレベルな外国籍選手と争う必要のないように、ルールを整備すべきだと思います。
チームの強化のために、主にアフリカから選手をリクルートしてくる高校、そしてそのコーチ・指導者は、日本の大学への進学のみならず、アメリカのNCAA校など、海外への進路の可能性を広げてあげるべきだと思います。
これまでがずっとダメだった。とは全く思いません。
状況が変わってしまった。それだけでしょう。
プロスポーツビジネスである、2016年にスタートしたBリーグは、日本人選手と外国籍選手の実力、人気、強化、収益・・・これらのバランスを考慮しながら懸命に運営。どうしても少数派である留学生のことまで手が回らなかったのでしょう。これは理解できます。
名門私立高校のいくつかは、日本一のチームとなるために、背が高く、運動・身体能力も非凡なアフリカの選手を勧誘。バスケットボール部の練習に打ち込み、”普通に”日本の高校生活を過ごせれば、(コネクションがある)日本のバスケットボール強豪大学への進学を提示・提供。ある意味、十分な待遇と言えます。
ただ、状況が変わってしまった。指導者は、「日本一」と「プロ選手の育成」(もちろん生徒が望むなら)を、同時に目指すべき時代です。
Bリーグも、学校も変わっていかないといけません。*もちろん、簡単だとは思っていません。
ジュフバンバと渡邊雄太の昔と今
2012年のウィンターカップ決勝戦。前年に続き、香川・尽誠学園と宮崎・延岡学園というカード。
多くの人が憶えているのではないでしょうか。
期待の日本人選手、渡邊雄太と、セネガルからやって来たジュフバンバのエース対決。
シューティングのタッチの良さやボールホンドリングにこそ渡邊雄太に可能性を感じましたが、ペイントでのスコアリングなど、多くの場面で渡邊を圧倒したのはバンバであり、連覇を果たしたのは延岡。
渡邊雄太と同じか、それ以上の将来性をバンバに感じた方も多かったのではないでしょうか。
ご存知の通り、渡邊は高校卒業後に渡米。コネティカット州の名門プレップスクール、セントトーマスモアを経て、NCAAディビジョン1、アトランティック10(A10)所属の中堅校(ミッドメジャー)、ジョージワシントン大学でもエースプレイヤーに成長し、現在は全世界のバスケットボール選手が憧れる、NBAでサバイバルしています。
”モンスター”八村塁には及びませんが、CMなどでもよく露出している渡邊雄太のサラリーが決して低くないことは明らかです。*当初の投稿に誤りがありました。失礼しました。
一方バンバは高校卒業後関東の強豪・拓殖大学へ進学。Bリーグ・B1の川崎へ進むも、帰化前のニックファジーカス含んだ外国籍選手との「枠」争奪競争に勝つことは難しく、今季からB3の岩手へ移籍しています。
これで良かったのでしょうか?
バンバが延岡学園在籍中はBリーグは存在しておらず、”おそらくは来日前の約束通り”日本の強豪大学へ進学し、卒業後は日本でプロバスケットボール選手に。
バンバは満足しているのかもしれません。
でも、しかし、これで良かったのでしょうか?
日本の高校生選手はNCAAカレッジバスケットボールで通用するか?
もしバンバを日本へ勧誘する際に、日本の大学以外の進路を示せていれば、どうだったでしょうか(推測ですが、これは示さなかったと思います。渡邊さえも、「危うく」日本の大学へ進むところだったと聞きましたので。)。
もしバンバがNCAAへ進んでいたら・・・
渡邊以上の選手になっていた可能性は大きかったと思います。ウィングの選手として。
同じくセネガルから来日。東京の強豪高校・八王子学園八王子を経て、やはり拓大へ進学したのはドゥ”ドゥドゥ”ゲイ。
彼は大活躍しながらも、2年生の途中(2018年夏)で突然退部。フロリダのジュニアカレッジ・デイトナステイトへ編入し、1季プレイ。さらにNCAAディビジョン1・ルイジアナ大学ラフェイエット校へ移り(奨学金獲得)、今季2020-2021シーズンは4年生としてプレイ予定です。
昨季、チームで2番目に多い6.2rpgを記録したドゥドゥのプレイは、十分NCAAディビジョン1で通用しています。*ルイジアナ・ラフェイエットは、弓波英人が所属する、ジョージアサザンと同じサンベルトカンファレンスのメンバーであり、ともに大学最後のシーズンとなりそうな両選手、両校の対戦は楽しみ。
ドゥドゥがNBAに進めるかは微妙に思いますし、外国籍選手の登録に制限のあるBリーグ(B1かB2)入りさえ、バンバ同様難しいかもしれません。が、あまりにも多くのプロバスケットボール選手を輩出している、"NCAA"出身選手の需要は世界中にあります。上リンクのプロフィールどおり、5つの言語を操るドゥドゥには望むところではないでしょうか。
翻って。拓殖大学に限らず、日本の大学でバスケットボールをプレイし、Bリーグ以外のプロバスケットボールリーグで選手になるのは、「現状」極めて難しい。*安藤誓哉などの例外はありますが。
留学生選手は、Bリーグでプレイすることさえも困難な状況です。「枠」が与えられていないからです。
日本人選手もどんどん出ていくべきです。NCAAなどで通用する選手は大勢います。
先日、ロサンゼルスエリアの伝説的な名将、日系人コーチの、ハーベイキタニの教え子の動画が流れてきました。
JTタン(「Tang、唐」ではなく「Tan、譚」。中国系でしょうか。)。6-8で130kg近い体重のビッグですが、これくらいのスキルを持つ日本人はいるでしょう。
CJマカラムの母校、東部ペンシルバニア州の、リーハイ大学へ進みます。
どんどん行くべきです。”そうするうちに”、”外側から”、日本の学校・教育は変わっていくはずです。
岡山学芸館高校からアメリカへ渡った、モーリスンドゥールは、今季リトアニアの名門リタスでプレイ。