バスケットボールワールドカップ2023。
地元沖縄でグループステージを戦える日本はE組。
国 | FIBAランキング |
オーストラリア | 3位 |
ドイツ | 11位 |
フィンランド | 24位 |
日本 | 36位 |
どのグループに入っても厳しいですが、、、厳しい。。。
しかし、フィンランド相手なら勝てるのでは。
こう思う方も多いかもしれません。
が、フィンランドは強い。
(たとえ、ラウリマルケ(カ?)ネンが兵役の絡みで来なかったとしても)
日本代表が勝つのは難しい。
実は個人的にフィンランド代表には興味を持っており、追いかけてきました。
というわけで、今回はバスケットボール・フィンランド代表について少し。
>ユーロバスケット2022では7位。(準々決勝で優勝したスペインに10点差の敗退。)
フィンランド代表バスケットボール
といっても、フィンランド代表バスケットボールの実績は大したことがありません。
実績ならば、むしろ日本が上回っているとも言えます。
実際、フィンランド代表は1980年代に、キリンワールドというイベントにおいて来日した際、日本とそう変わらない程度の力しか持っていませんでした。
フインランド | vs | 日本 |
2回 | オリンピック出場 | 7回 |
2回 | ワールドカップ (世界選手権)出場 | 6回 |
あれから約40年。
大きな差がついたと言わざるを得ません。
フィンランドバスケットボールの強さ
ハンノモトラ
ユタ大学を経て、フィンランド初のNBAプレイヤーとなったモトラがキーパーソン。
ユタ大学では伝説的な名将・リックマジェラスの下、キースバンホーンやアンドレミラー、マイケルドレアクらとチームメイト。1998年にNCAA準優勝。
2000年のNBAドラフトで2巡目40位指名(アトランタホークス)。
6-10で、いかにもヨーロッパらしい選手だったモトラも、2021年にスタッフとして沖縄にやってきました。
1990年代においては、フィンランドの渡邊雄太とも言える存在で、米欧、そして世界のバスケットボールに精通しているモトラは代表を支えてきました。
HBA(ヘルシンキバスケットボールアカデミー)
モトラがヘッドコーチを務める、エリート選手(対象は高校生)を集めた組織がHBA。
オーストラリアCoE(センターオブエクセレンス)や、フランスINSEPをモデルに創設されたHBAが、近年のフィンランドバスケットボール躍進の源泉とされています。
ハンノモトラが語る、フィンランドのバスケットボール
フィンランドのバスケットボールを探る中で、必見の動画がありましたのでご紹介。
個人的に面白いなと思った点を羅列します。
・地理的に、フィンランドはリトアニアとのコネクション強力
・HBA:15,16歳のエリート選手で構成
・HBA選手の保護者の関心はバスケットボール以外のこと(学業や週間スケジュール・・・)
・フィンランドのティーンエイジャーは成熟しており、何事もほぼ自身で決断する
・HBA:1年半ほど前に、10ミリオン€をかけて新施設
・フィンランド代表の”国際リクルート”:2012年の開設以来、18-19人(!)ほど
※国際リクルートとは、フィンランドにルーツを持ちながらも海外で育った選手を戻すこと。これは日本代表においても活発で、元祖は高橋マイケル。最近ならアイザイアマーフィーや渡辺飛勇
・トレンド:全ての選手が全てのことをする(オールラウンド)
・HBA:当初の5,6年ほどはモーションオフェンス徹底 >IQが鍛えられる
・HBA:日本でいうB2クラブ(数人のアメリカ人選手在籍)とゲーム
・ゲームは変わり、皆がスリーを打つ時代 >次の競争的優位を模索している
・”違い”が必要。 >全ての国が同じことをしている。クインスナイダーが言うところの、"think dhifferent"
・フィンランドでは帰化が非常に難しい。とても難しい語学テストあり
・HBA:U16女子が、U20やシニアの男子代表と同じ”エレメンツ”でプレイ
・モトラのユタ大学時代には、82個のハーフコートセット、17のBLOBプレイがあったが、代表チームの準備期間は短く、同様のことは不可能
・同時に2人のビッグはコート上に不要としてきたが、来年あたりからこれを変える予定
・モトラ:選手時代に贈られた最高のアドバイス「ガードしづらい選手になれ。特にオフコートで。」by スティーブドナヒュー
・モトラ:コーチとして贈られた最高のアドバイス「あまり語るな」
”環境”において、フィンランドは日本を大きく上回っています。
HBAという施設で育成される環境。
近隣のリトアニアをはじめ、強豪国がゴロゴロしている欧州で揉まれる環境。
ただ、Bリーグの(特に経済的な)成功やオーストラリアとの関係など、日本バスケットボールが今後大きく成長していくのは間違いないでしょう。
まずは2023年現在の、両国の対戦が楽しみです。
>参考記事2(今秋からNCAAディビジョン1・ベイラー大学に進む、ミロリトルのインタビュー記事)
<追記>
フィンランドの人口は約550万人で、日本のほぼ20分の1。当然バスケットボール競技人口も日本に劣るはずなのですが、”密度”では上回るようなデータもあります。